映画「空気人形」を観る

映画好きなら誰もが知っているであろう映画監督、是枝裕和監督の映画といえば、
「万引き家族」「海街diary」を思い浮かべる方がほとんどだろう。

その中でもあまりメジャーではない作品
「空気人形」を知っているだろうか。

空気人形(ラブドール)の、主人公のぞみがある日持ってはいけない、「心」を持ってしまい、
様々な、闇を抱えた、人間たちとの交流を描く物語。

人を愛すること、自分を愛することは、
とても疲れることだけれど、
それでも心はいつも忙しく動いている。

心を持つことの意味ってなんだろう。
何も考えてなければ、楽なはずなのに。

と、まあポエマーみたいになってしまったので、
気になったシーンにピックアップして感想を言っていくと、

・店長がバイト先のトイレでのぞみを性欲処理として利用するシーン

是枝裕和監督なこのファンタジーな世界観の中で風刺をしているのだと思った。
女性にとって好きでは無い男から向けられた性欲は恐怖でしかない。そして心を持ってしまったのぞみは放心状態でどこか遠くをぼーっと見つめながら、心を自ら殺していく。
そういった時に心、感情がなくなっているのは、
生きるためなのだと思う。感情の中に収まりきらない悲しみや恐怖は心を捨てることにて自分を知らないうちに守っているのだと感じた。

・今まで関わった全ての人間たちから誕生日を祝ってもらうシーン

このシーンで、のぞみが嫌な思いをさせられた人物から、本気で好きになってしまった初恋の人まで、沢山の登場人物が出てくるのは、
今までの出会いに全て無駄はないと伝えている、
映像の比喩的表現なのだと感じた。
すべての人に闇は存在し、
それがあるからこその優しさに変えられる人と、
それがあっての人を傷つけていいと思っているエゴになる人と2極に分かれる。
私は前者でいたい。

この映画は真剣に観てるとかなり心が鬱になるので、面白いと感じる人を選ぶだろう。
人生について深く考えることが嫌いではない人は是非観てください😌

すべてのものにちゃんと存在する意味がある。


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