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ハニワと土偶の近代展に行ってきた

みなさんこんにちは。最近寒くなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか?

そんな中、「ハニワと土偶の近代」という東京国立近代美術館で開催されている展覧会に行ってまいりましたので、感想などを描きたいと思います。

こちらの展覧会、ハニワや土偶の本物が展示されるのではなく、ハニワや土偶をモチーフにした作品を集めた展覧会です。
実物が見たい!という方は、今東京国立博物館で開催されているはにわ展へ足を運ぶことをおすすめいたします。

いつも縄文だ!土偶だ!などと言って、作品を作っている人間の一人として見に行かなければ、と思った次第です。

展覧会には、ハニワをモチーフとした絵画、雑誌、彫刻など様々なジャンルの作品が展示されております。
全体的にハニワの作品が多く、土偶ファンは少し寂しいかも?と感じました。


谷川俊太郎の詩が良すぎるという話


泣くことも 笑うことも 怒ることも君にはない
何故なら
君は常に泣き 笑い そして怒っているのだから

はにわ、土偶の本質、これ過ぎ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
はにわや土偶とは、
何者でもなく、ただそこに在るものであり、
そこにはあらゆる概念が集約しているもの
なのだと思っているところがあるので、谷川俊太郎さんの詩が大々的に会場内に貼られているのには感動しました。

私にとっての土偶って、神様でも妊婦でも何でもなくて、ただのなんか面白い形をした土の人形。
遮光器土偶を、宇宙人だ!って言ってる人もいますよね。これも面白い。
これは推測でしかないけれど、縄文人から見たら集落の守り神だ!と思うかも。
そんななんでもOKな在り方がすごく美しいと思うし、好きです。

卒業制作で土偶を作った話 日記編2より

随分と前にそんなことを考えていたので、気になる方はぜひ読んでみてください。

やっぱり岡本太郎なんだよな

縄文に影響を受けた巨匠といえば、岡本太郎。
この展覧会にもいるだろうなと思っていましたが、やはり!と言う感じ。


バンザイ土偶のような造形。
太郎の造形は中部高地の土偶を想起させます。
犬の植木鉢。虚ろな目が埴輪や土偶を想起させます。
体の造形も動物の土偶で見たような…

太郎の作品の美しいなと思う点は、確実に縄文のルーツを感じる顔の造形をしているのですが、それを自分の造形として完全に新しいものを生み出していると言う点。
本当にかっこいいです。土偶や土器をそのまま描くことは簡単なのですが、これが本当に難しいんだよな…と常日頃から感じているので、太郎の作品を見るたびに涙が出そうになります。尊敬と羨望で(?)

グラフィックと土偶

普段グラフィックデザインをしている人間なので、グラフィック寄りだなと思った作品から少し抜粋。

斎藤清
土偶

土偶の面白さはやっぱりその造形そのものにあると思う。
輪郭線だけを抽出して何度も重ねる表現は、土偶の単純だけれど、複雑にさまざまな要因が絡み合う様子…のように見えた。
あと単純に瞬間移動しているようで面白いよね。

斎藤清 ハニワ

キュビズム化したようなハニワ。
ハニワや土偶の造形にキュビズムやロシアの構成主義なんかを感じていたところがあるので、共感しました。
ずっと昔のものをモダンデザインに落とし込めたらかっこいいよね、とずっと思っているのですが、難しいよね〜

まとめ

もうめちゃくちゃ良い刺激を受けました。
ハニワや土偶様々な方法で表現したり、自分の表現に落とし込んでいる作品をこんなに一堂に見ることができるなんて…!
縄文に興味があって、作品に落とし込もうとしている人、絶対に言ってください。

作品作りで悩んでいたのですが、少しだけ気持ちが楽になったような気がしました。

終わり。

縄文の作品を作りまくっているインスタグラムも見て行ってください



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