こんにちは。山崎です。みなさんお元気ですか?
去る2024.12.6 SIGGRAPH ASIA2024 TOKYOに参加しました。
予々行きたいと思っていたのですが、なかなか参加する機会もなく。
今回は学部3年生の小林くんと、慶應義塾大学大学院KMD吉田貴寿さんの計らいで実現しました!(感謝!)
会場は有楽町の国際フォーラムです。パスは事前に購入。私は移動中に急いで購入しました。
受付ではQRコードでIDが発行されます。とてもスムーズ。ストラップやトートバック、ピンバッチをもらえて上機嫌です。
いざ会場内へ。今回は吉田貴寿さんが主に見所をアテンドしてくれます。
要所とトレンド、我々の出自を考慮していただたアテンドはとても贅沢。おかげさまで高速&濃厚にシーグラフを堪能できました。
会場内には様々なブースがありました。急ぎ足だったので写真をとりきれていなかったのが心残り。
そんななか、吉田さんのSonyブースの立体ディスプレイをみてのコメントが印象的でした。
『2007年くらいのSIGGRAPHでの研究成果に同様の提案(https://vgl.ict.usc.edu/Research/3DDisplay/)がありましたが、民生化するのには20年くらいかかるのですね』(的なコメント)
一般人としては、製品化されてはじめて目新しさを感じるものの、研究者の眼差しははるか彼方なのだなぁと。
こちら体験いたしました。「私が触られているのではなく、テクスチャが触られているという体験」。文面だと意味不明かもしれませんが、まさに文意通りの印象を受けました。
映像学科でもVRを用いた作品制作はまだまだ未開拓。それは鑑賞体験としての文化的コンセンサスがまだ形成されていないとも。文化形成にいたるその道程にも、美術大学における映像学科として貢献しうる社会的意義を見出せるのではないでしょうか。(ぼそり)
こちらの『Semantic See-through Goggles』も体験させていただきました。シーグラフはもっと学術的な場かとおもいきや、バリバリ作品発表もあるんですね。無知を恥じます。
イメージA→言語A’→イメージA”
そのイメージA”が断続的に眼前に提示されていきます。体感フレームレートは数秒に1枚切り替わるくらいです。目前の現実を、言語を介しつつイメージへと再変換されます。“りんご”があれば、そこには“りんご”がありますし、“椅子”があれば“椅子”のイメージが眼前に現れるのでした。
早速、山崎も体験させていただきました。
自分の肌に映像がリアルタイムでマッピングされ、その映像が追従します。肌が着彩されている感覚になりました。ほぼズレもなく、角度や形状にも即応しています。これはコンピューターの処理性能の向上が寄与しているとのこと。(技術的には以前からあったが、技術環境が整ったことで実現された)
パネルによる出展も多数ありました。
その中でも、 慶應義塾大学大学院KMD所属の方のパネルです。
元々都市計画を専攻し、空港などの設計に従事されていた方が、現在KMD修士課程にて研究をすすめられているそうです。
吉田さんに口頭で解説いただきました。
以下、その解説を踏まえて、山崎の解釈が入ってます(スイマセン)
空港などの公共空間において、サインなどの情報はすでにノンバーバルな記号によるコミュニケーションとして存在している。そのコミュニケーションを「動き」のよるデバイスでも実現できないか?という研究。
以下、山崎解釈。
公共空間におけるサインとは
言語→図像→(動き)という図式。
そもそも言語は、動きの痕跡( graph)だった。【身ぶりと言葉 アンドレ•ルロワ=グーラン ちくま学芸文庫 2012】
そうするとこの研究は、テクノロジーにより、プリミティブな状態(図像や言語以前の"動き")へ、逆回転させているような試み。(だと思ったのでした)
これが、美大における作品ならば、その主観的に立ち上げた図式をもとに制作すればよいのですが、シーグラフは客観的な学術的世界。敬服です。
美大は美大である前に、大学である。その大学たるや、学問的でなければならない。学問とは?!。ある種の美大の宿痾へ真摯に向き合う轍がここにはありました。(最敬礼)
余談
会場をあとに、吉田さんと小林くん、山崎で昼食をとりました。雑談が盛り上がりすぎて、ついつい色んな話題に。話を引き出す吉田さんの知性に魅了されたのでした。今後ともよろしくお願いします!
次編では小林くんがSIGGRAPH 2024 Denverレポートを披露予定。(今回のASIA版ではなく、Denver版!)とても楽しみです〜
(山崎連基)