DIGITAL ARTS AND DESIGN @バンコク
こんにちは。映像学科の山崎連基です。
2024.11.28-29にタイのシラパコーン大学が主催する「DIGITAL ARTS AND DESIGN International Conference and Exhibitionに参加してきました。
シェラトンホテルの2フロアが会場で、別のカンファレンスを行われていました。会場で受付を済ませます。今回は「Exhibitor」として参加です。
参加のカテゴリーとしては、PaperとExhibitionの2種がありました。
参加の経緯は、武蔵野美術大学学長特命補佐(国際交流担当)高浜利也先生からお声がけいただきました。高浜先生は国際交流基金・ポーラ美術振興財団・APIフェローシップの助成によりバンコクに滞在し、シラパコーン大学とは今も関係が続いているようです。
テープカットのセレモニーも開催されました。こちらにはシラパコーン大学の学長もいらしてました。ウィーン応用美術大学の先生も。
バーミンガムシティ大学とシラパコーン大学との共催だったようです。もしかするとバーミンガムシティ大学からも出席があったのかもしれませんが、山崎には確認することができませんでした。(残念)
オーストラリアのウィーン応用美術大学の先生もいらっしゃることが後に判明します。
論文発表に先立ち、展示会場へ。展示会場は論文発表会場のすぐ隣に併設されています。
「デジタル」と銘打ったカンファレンスでしたが、ブラウン管を用いた作品から、写真作品、イラストレーションまで幅の広いラインナップでした。
展示会場は大きく2つに区切られていました。レイアウトは完全に主催者にお任せです。会場では出席者と出展者の交流が図られます。
私も自作前でスタンバイ。設営については完全に現地の方々にお任せでした。事前に映像データのみを送付し、モニターの条件や環境についてのやりとのみです。
展示方法は完全お任せということもあり、細かいやりとりはできませんでした。しかし、はるばるバンコクまでやってきて、この状態になっているだけで感慨深い。(関係者各位に感謝申し上げます)
自作の周辺に立っていると自然と様々な方とコミュニケーションをとることに。自分の作品を英語でプレゼンにトライです。伝えられたことは、
毎日作品を作っている。
それは4年ほど。
そしてこれは1か月分をまとめたものだ。
くらいしか英語化できませんでした。途中から日本語で一方的にしゃべっていた気もします(笑)
論文発表では様々な領域の方々が登壇。言語はもちろん英語です。
一生懸命、日本語まみれの耳を、英語にならします。
しかしながら英語に慣らしたとて、内容を理解できるかどうかは別問題。時折、Google翻訳などを駆使してなんとかついていこうとしました。
参加された方々の出身国は様々。
タイ、オーストリア、ベトナム、インドネシア、台湾などなど。
DIGITAL ARTS AND DESIGNということでしたが、”DIGITAL”の度合いは登壇者ごとに様々でした。ARやVRなどのデジタルど真ん中から、建築における活用、伝統的な工芸品修復など多岐にわたります。
講演を聞いていて、私が感じたことは、デジタルとアナログの対置を超えた位置付けによって、あらたな可能性を示せるのではないかという仮説がぼんやりと浮かびました。
デジタルを原理的にとらえれば、0,1に変換された状態を指す。アナログは0,1の間に無限の階調がある。ただ、デジタルもデータ量を増大すれば極めて無限的になっていく。
そう考えれば、デジタルとアナログの対置そのものがあまり意味を持たなくなるのかもしれない。今回のカンファレンスに参加された方々の多様から、ぼんやりとそのようなことを考えていました。
デジタルと何を対置すべきなのか、その問いを立てられたことが今回の個人的な収穫だったように感じます。
映像制作はプロダクションを前後に、プリプロダクションとポストプロダクションに分けられます。映像制作におけるデジタル化の系譜は、撮影以後のプロセスを中心に紡がれました。
例えばフィルムからデジタルカメラへの変遷や、編集機器のデジタル化、録音からカラーグレーディングまで、映像制作におけるデジタル化とは、ポストプロダクション以降の工程をさすことは言うまでもないことだと思います
翻って、現在の状況を鑑みれば、プリプロダクションにデジタル化の波が押し寄せているとも言えるかもしれません。それは非デジタルの最後の領土でもあります。
生成系AIの映像制作におけるインパクトは、このプリプロダクションへの影響こそが本体なのではないか。この記事からはかなり飛躍した主張ですが、その飛躍にたしかなものを与えるためのよい機会になりました。
全方位的感謝。