【3Dプリンター×卒業設計】手伝いなしでここまで作れる建築模型!【知識ゼロから1ヶ月で完成】
こんにちは。24年度にとある大学で修了のための卒業設計を行なったものです。
今年度は理不尽な理由で研究室が18時までしか利用できないという鬼畜仕様になってしまった
&知り合いがいなすぎて手伝いを呼べなかったため、
フル3Dプリンターで
⭕️800×800の敷地模型
⭕️約1000×2000の1/200模型
を、設計をやりながら1ヶ月弱で制作しました。
11月23日にプリンターが届いて、設計ゼロの状態から12月19日に制作物を上記模型と合わせて提出しました。
ちなみに一度もカッターは握っていません。
フルで手作業で作ると毎日2.3人は手伝いを呼ばないと作れない規模だと思います。
今すぐ人手なしで模型を作りたいという人に3dプリンターは本当におすすめです!!!!!
ちなみに、気になる費用は…
これでスプレーや台、印刷紙も含めれば20万程度かかりました!!!!!
内訳:プリンター7万+フィラメント6万+周辺費用
(卒計の時も同じ規模で20万程度かかってたのでまぁトントンかな?)
単色だったら半額以下だったと思いますし、試行錯誤費用も入っているので、これを読んでいる人はわたしを踏み台にぜひ余分なコストをカットして他のことにお金をかけてください💰
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この記事は
そこで得た知見をこの記事にまとめました。
ですので、
⭕️3Dプリンター完全初心者で
⭕️建築模型を
⭕️今すぐ急ぎでつくりたい
の情報をまとめたものになります。(私がそうだったから)
ので、高度な内容はほぼ含まれません!
今すぐ3dプリンターを使いたい、周りに誰も聞ける人や試せる設備がない!という超初心者向けですので、使い慣れている人にとっては特に新しい情報はないかと思います。
❶3dプリンターってどんな感じ?手間とコスト感
⭐️手間
➡模型モデリングが必要になる。印刷の送信はカンタン。
まず、3dプリンターが身の回りにある人は、この記事を読む前に、すぐ試した方が早いです。
大まかな流れはどのプリンターでも
ライノセラスでstl等で出力
→スライサーソフトを開いてドラッグ&ドロップ
→プリンターに送信・プリンターにフィラメントをセット
→数時間後完成
です。フィラメントは線状のプラスチックのかたまり。プリンターのインクに当たるものです。
ただ、例えばこういう歩道の線を作りたい、と思うとそれも全部モデリングする必要あります。
また、結合部の切り欠きを考えて作ったり、
とにかく模型のためのモデリングが必要にはなります。
(→モデリングの仕方は次回の記事に書きます)
⭐️コスト
➡単色なら普通に作るより確実に安く済む。ただ模型台などは別途。
単色の場合
⭕️単色プリンター→3万〜4万
⭕️フィラメント(200×200:約200g)→5〜600円
単色の場合、ある程度手を入れることになって別途スプレー代とかがかかるかもしれませんが、かなり安く作ることができます。
一方、お気づきの方もいると思いますが、わたしは4色まで同時に刷れる多色刷りのものを購入しました。(次の章で紹介)
多色の場合
⭕️多色プリンター(bambulabなど) →5〜10万
⭕️フィラメント→色によって使う量にムラが出るので、単色よりかかります。
わたしはこれら全てを作るためにフィラメントだけで使わなかったものを含めて20箱強買いましたね😭実際に使ったのは13箱程度です。
❷3dプリンターでできないこと・できること
⭐️3dプリンターでできること
・24時間稼働させる。
これが1枚で4.5時間程度でした!1日に4枚作れば、50パーツでも20日程度でできます!
・細い柱を垂直に立てたり、細かい角を出す。
(0.4mmノズルでは直径0.5mmの柱が限界でした)
・ブリッジは意外に作れる(サポートを外せる限り)
・これはもちろんですが、スチボや木など異素材を手作業で貼る
(手間はかかりますがリアリティが出て良いです!)
⭐️3dプリンターでできないこと
・完全に放置する
(やっぱりこまめに不具合が出るので様子見やメンテがマストです)
・フィラメントの色に限りがある
・高さと面積にに制限がある。わたしの使っているbambulab a1は250ほど→1/100以上のスケールは結構大変かも
・継ぎ目なしで作る
(これは選ぶフィラメントで改善はします→次の次の章。)
・後から穴を開ける、切り落として形を変える
(ハマらないピースを作ってしまったら基本はやすり以外の対処法はありません)
・完全に後から色を塗る
(うまくやればいけるかもしれませんが養生+スプレーするとどっかしら白抜けするところは出てきます。逆にうっすら全体にスプレーは〇)
・市販レベルのハイクオリティな添景をつくる
(1/200レベルの添景は曲面などに荒さが出てしまう)
・フィラメント無くなった時に店舗で買う
(実はpolymakerが家電量販店に若干ありますが、それ以外は完全にネット在庫)
❸わたしが購入したプリンター
⭐️わたしが購入したプリンター
まず、第一に、出来を左右するのはプリンター本体よりもスライサーソフトの操作とフィラメントの要素が大きいと感じました。
だから、これじゃないとあれができない!ということはあまりありませんが、機材によってメンテナンスのしやすさや音、値段が異なるというイメージです。
初心者向けだとどちらも3.4万が低価格帯モデルで、
・creality
・bambulab
あたりがメジャーのようです。
私が買ったのは、
ズバリこれですっ!!!!(4色刷りのためのAMSも購入)
bambu Lab A1 Combo(セール時7万程度)
⭕️良かったところ
・公式サイトから1.2日で届いた
・女1人で2時間程度で組み立てから制作までできた
・まあまあ静か
・作りが分かりやすくなっていてメンテナンスが楽だった
・公式のスライサーソフトが使いやすい
・付属品を買わなくてもアプリからカメラで遠隔で様子見ができる←作業場が別の場合めっちゃ大事
・平面が250×250ある(1.2m級のでかい模型をフルプリンターで作るならminiの180だと辛いかもしれない)
⭕️あんまりなところ
・poop(フィラメントのカス)が結構な量でる
⭐️他
Bambu Lab A1mini
小さくても早くてきれい(セール時3.3万でした)
Creality Ender3 V3 KE
大きくてお安め(セール時4万弱になってた)
🌟安く買いたい人は
ブラックフライデーをはじめとするセールを狙ってください!!!!!!
わたしは7万で購入できました。
(11月末のセール・12月末の年末セール価格)
(アマゾンでもセールしてる時ある。でも公式も十分配送早い)
でも、締切の方が迫っている人はなりふり構わず定価で買っても今後も使い続けるなら後悔はしない一品だと思います!!!!
➍フィラメントはこれ使って
⭐️フィラメントのおすすめ
わたしが試した限りでは、
だいたいメーカー(≠価格)ごとにクオリティが異なるんだなという感じでした。
フィラメントによっては継ぎ目が絶望的に目立ちます。
一方いいフィラメントを使うと、石膏で作った?って感じで継ぎ目も表面もかなりなめらかにできます。
ちなみに目的が建築模型でない場合、(ツヤツヤやギラギラなど)私は分かりませんがもっと豊富に選択肢があると思います。
では、おすすめのメーカー発表します!安い&きれい順
Aランク kexcelled・e-sun
Bランク polymaker・bambulab
Cランク overture・crealityなど
(((他におすすめあったら教えてください!!!)))
基本的にマットの方が綺麗に見えます。
建築模型は基本アースカラーだと思うので、
自分が使っていたおすすめフィラメントを以下にまとめます。
今回の記事で出てくるフィラメントはほぼこれらのどれかです。
🌟白 kexcelled
🌟明るめの白 esun マットミルキーホワイト
このラインの
●マットライトカーキ(漆喰っぽい)
●マットダークグレー(アスファルトっぽい)
もなじみやすい色でかなりおすすめです!
🌟芝生 esun マット抹茶グリーン
🌟コンクリート esun 大理石
(致命的なことに、コンクリカラーがわたしの時は見つかりませんでした。ですので大理石カラーで代用しました。ツヤありですが、これがどのフィラメントより精度高く印刷できたフィラメントでした)
🌟茶色っぽい地面 kexcelled wood
(マットよりもさっとします。若干定着力弱め。私は設定いじらずに印刷できました))
🌟薄ピンクベージュ Polymaker アーミーベージュ
(地面など以外に使い勝手があるかも?Polymakerはビックカメラにあるので配送トラブル時にも)
🌟アクセントカラー kexcelled ペールパープル
❺いますぐ始めるためにあると良いもの
ここからはプリンター・フィラメント買いました!っていう人向けの内容です。
届いたら即始めないと間に合わない方向けに一緒に準備しといた方がいいものを集めました。
ちなみに私は届いて即稼動させ、その後全部で約50パーツ、一個5時間ぐらいなので250時間は連続稼働したことになります(戦慄)
フィラメント+本体以外に
🌟準備系
・机の上にプリンターのスペースを作る
(私は床に直置きして振動で下の階から苦情が来ました。ゼッタイ机の上に置いてください!!!)
🌟PC系
・Wi-Fi環境はマストですが、PCスペックはそこまで問いません
🌟もの系
・ピンセット(熱いところを触る・剥がすなど)
・コテ(薄いものをはがす)
あると良い
・ノズルのスペア(1個はあると安心だと思います)
・防振マット(洗濯機用のものがおすすめ)
・コンセントの3ピン変換プラグ(bambulabの場合)
これだけで十分始められます!
組み立ては機材によって異なるので動画を見るなどして頑張ってください。
ちなみに…
どうやら環境によっては3Dプリンターが当たり前に使われているそうですね。
私は2つの環境を経験しましたが、どちらもフルプリンターで模型を作ってる人は見たことありませんでした。
多分環境によって知識レベルが大きく違うので、他校の人などツテをたどってみるのも手だと思います。
🌸ここまで読んでくださってありがとうございました!!!!
分からないことや聞きたいことがあれば私でもよければXのアカウントで承りますのでお気軽に~
→→→【データ制作編につづく】
次回データ制作編ではライノ、プラトーを使った敷地模型の作り方、200分の1模型の時に使っていた、データの作り方のコツ、パラメータ等を紹介します~
【番外編】わたしが経験したエラーとその対処法
一番の敵であるエラーやトラブルについて、私が遭遇したものに関してだけですが、少しでも役に立てばと思い、覚書を載せておきます。
エラーが出はじめると、精神力が試されますよね(´;ω;`)
きっと治るという気持ちで気を強く持って頑張りましょう!
⭐️初心者のためのトラブルシューティング(いったん落ち着こう)
一番の敵はエラーですよね。でも大丈夫。動画や情報がたくさんあるのでひとりでも何とかなります。
そしてそれでも何とかならなかったときは、スケジュールと相談してプリンターを諦める覚悟を持つしかない。
私が頻繁に遭遇したトラブルを紹介します。
⭕️1層目が浮く、もじゃもじゃが出る
→①データの底が微妙に平坦になっていない、突起がある(サポートをオンにしてみればわかるかと)
→②プレートの定着力が弱い
(スティックノリを全面に塗ってみてください。コンビニに売ってる青いやつとかでok)
⭕️モデルは閉じてるのに一部穴が空く
→①ライノの時点でその部分が開いたサーフェスになってるかも。
⭕️データの時点から一部変形してる
→①その部分だけモデルが浮いてるかも‥
⭕️1層目の時点で裂けてる・凹凸あり・しわあり
→①メンテナンス不足を疑ってください。レールに油さしてみて!
→②定着不足。スティックのりかプレート変える
⭕️ノズルに塊が‥(上の画像)
→①見た目がすごいですが、ノズル温度を上げた状態でピンセットで剥がせばなんとかなります!!
⭕️フィラメントが入っていかない
→①先を斜めにカットしてみてください。入りやすいです。
●bambulab編
bambulabは基本QRコードを出しながらなんのトラブルかについて教えてくれるので安心でした。
何らかの理由で解体したい人向けの動画
・押出機トラブル
→①フィラメントを入れ直してみる(←私はほぼこれで解決しました)
→②フィラメントを大幅にカットして入れ直す
→③ノズルを外して詰まってないか確認
・フィラメントを手動で戻したいが動かなくなってる時(動画見て)
→①フィラメントカッターを押す
→②頭の横のボタンを力技で押しながらフィラメントを回す
・カッタートラブル
→ネジ開けてカッターを入れる