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【2024年】年間ベストアルバム10選

2024年のベストアルバム10選です。

XやBlueskyのほうではランキングをつけて発表しましたが、振り返りながらなんとなく自分のなかでストーリーができたので、ここではそんな順番に並び替えて紹介します。


2024年も新しい音楽に出会えましたが、それ以上にファン目線で「やっぱり好きだな☺️」と思えるアルバムのほうが多かった印象です。なのでとてもハッピーな気持ちで、めちゃくちゃファン目線な感想文になっています笑

各ストリーミングサービスのリンクも貼ってるので、気になるのがあったら聴いてみてね。


The Hallway 『Pitfalls of Modern Intimacy』

Team Meのメンバー、Simen SchikulskiによるバンドThe Hallwayの1stフルアルバム。

夢見心地なキラキラサウンドはTeam Meの血筋だけど、よりダイナミックでどんどん気持ちが昇っていく!自分、こんな音楽が好きです!ってくらいもうドンピシャに好み…

昨年リリースされたTeam Meのアルバムより初期Team Meに近いかも。2016年にEPが出たときはもう少し話題になってた気がするけど、全然知られてないのでTeam Meが好きな方はぜひ聴いてください。


Tapir! 『The Pilgrim, Their God and The King Of My Decrepit Mountain』

サウルロンドンの6人組インディーフォークバンド、Tapir!のデビューアルバム。

青い空、緑の丘、ぼてぼて歩くトンガリ鼻の赤い妖精(?)。仲間を集め、海を渡り、巡礼の旅に出る… この空想的な世界観に一目惚れ。バクっていうバンド名も夢うつつな音像にぴったりで。

Radioheadやエリック・サティを引用してたり(下に貼ってる曲とかめっちゃレディへ)、サウスロンドン界隈だとBlack Country,New RoadやCarolineが好きな方にもオススメです。


Kelly Jones 『Inevitable Incredible』

Stereophonics、ケリー・ジョーンズのソロアルバム。
ピアノとストリングスが主体となったバラード作品集です。

ケリーの歌声、めちゃくちゃカッコいいですよね… UKロックシンガーで言うと、リアム・ギャラガーに並ぶくらい好きな歌声。
でも今回はいつもバンドで聴かせてくれる力強さとは違って。自身の内面に向き合い、丁寧に物語を紡いでいく。柔らかくて繊細な一面を見せてくれます。

夜眠る前や、雨の日にしっとり聴きたい1枚です。


Billie Eilish 『Hit Me Hard and Soft』

勝手に邦題『深海』と名付けてる、ビリー・アイリッシュの3rdアルバム。(筆者、ミスチルが好きなもので…)

底知れない海、波にたゆたう体。
でも自分という存在は確かにそこにある。
自分の居場所が定まらなくて不安だったけど、近くに聴こえるビリーの歌声に「ここに居てもいいんだ」って思わせてくれる。

1曲の中でも違う展開を見せたり、1枚を通せば随所で同じフレーズが聴こえてきたり。頭からお尻まで、アルバムだからこそ作れる世界観が美しいです。


Fontaines D.C. 『Romance』

未来のヘッドライナー候補、Fontaines D.C.の4thアルバム。

グランジ、シューゲイザー、ヒップホップ… 音楽的な要素が増えたし、ビジュアルにもガラリと変わった。普通ここまでやっちゃうと「迷走してるな〜」って思っちゃいそうなもんだけど、やりすぎな感じはないし、路線変更!って感じでもなくて。

アイルランド人としてのアイデンティティを歌ってた彼らが、自分たちの世代、自分たち自身のアイデンティティを解放した。芯がブレないというか、より一層太くなった。そんな印象を受けました。

何も考えずに生きてペラペラなまま大人になってしまった人間なんですが(お恥ずかしいことに…)
このアルバムを聴きながら、「自分って何者なんだろう?」って考えるようになって。自分が住んでる町のこと、自分自身のことに今一度向き合ってみよう。そんな時間を作るきっかけとなった1枚です。


The Snuts 『Millennials』

未来のヘッドライナー候補、The Snutsの3rdアルバム。

これまではArctic MonkeysっぽいとかUKロック直系っていう表現をしがちだったけど、今作ではすっかりThe Snutsらしい色が咲いたなぁと!

The Snutsに出会ったのはパンデミックの最中。海外の音楽が少し遠いものに感じてたなか、彼らの音楽は衝動的でいて身近に聴こえて。いつか日本でも壮観な光景を見せてくれるはず!そんな確信を抱きながら彼らの来日を夢見てて…
念願叶ったのが2023年のサマーソニック。初来日でありながら熱心なUKロックファンが集まって、想像以上の盛り上がりにめちゃくちゃ感激…!
興奮が冷めやらないまま、また日本に来て〜🥺って思ってたら、1年も経たないうちにアルバム作って再来日までしてくれて!(も、もう来てくれるの〜!?🥺)

みんなともっと楽しい時間をシェアしたい!ファンと同じくらいの熱量をバンド側からも感じて。30分という短さに溢れんばかりの喜びが詰まってる。The Snutsがもっと親しみやすく、もっと好きになれたアルバムです。

そしてまたrockin'on sonicで会えるのヤバすぎる…!もう日本のファンと相思相愛だよね!?☺️


Shed Seven 『A Matter of Time』

(私的)rockin'on sonicに呼んでほしいバンドランキング第1位、Shed Sevenの6thアルバム。

今年はKula Shaker、Liam Gallagher&John Squire、Beth Gibbonsなど… 90年代組が意欲作を出しててどれも良かったんですが、ダントツにブチ抜かれたのがまさかのShed Seven!

Shed Sevenってoasisと同時期にデビューした王道系ロックバンドだけど、oasisのバケモノ級人気に食われてイマイチ存在が地味になってしまった…ていうイメージがあるんですが(ち、違ってたらスミマセン…)
デビュー30年にして初の全英チャート1位を獲ったというニュースを見て、彼らの堅実さにファンがちゃんとついてきてくれたからこそ掴み取れた栄冠なのかなぁと。実はブリットポップを縁の下で支えていたのはShed Sevenだったのでは…!?(?)

間髪入れずに“Let's go!"で始まる1曲目からもう最高!泣メロもオーケストラロックもフェスアンセムも、いつだって聴きたい、みんなの大好きな王道UKロックが全部揃ってる。

結局、今年の最大トピックはoasisの再結成に持っていかれたけど、2024年度ブリットポップ最優秀栄誉賞はShed Sevenに贈ってあげるべき(そんな賞はない)。


ストレイテナー 『The Ordinary Road』

あなたがいつか聴いていたストレイテナー、新しいストレイテナーがきっと見つかる。俺たちのストレイテナー、12枚目のアルバム。

昨年、結成25周年/メジャーデビュー20周年/ギターにOJこと大山純さんが加入して15周年を迎えた彼ら。周年を迎えてから一発目の今作では、あの頃のような荒々しい衝動だけでなく、今っぽいオシャレ感やちょいダサな外し感もあって。懐かしくもありつつ新鮮なアルバムとなってます。

テナーファンに「このアルバムで好きな曲はどれ?」って質問したら、それぞれ違う答えが出てくると思う。それくらい個性の違う曲が集まってるんだけど、どれも「テナーといえばこうだよね!」ていう彼らの持ち味がちゃんと出てる。

一番のお気に入りはラストの『Uncertain』。アルバムタイトルにもなってる「なんの変哲もない道」はこの曲の歌詞に登場。ファンタジーを歌ってたストレイテナーが、日常の景色を歌うようになったんですね。でもファンタジーと日常の狭間みたいな絶妙な表現がテナーらしくて、大人になってもふと10代の頃の心を思い出させてくれる。

そしてなによりも、ファンに向けたラブソングかな?って思っちゃうくらいにストレート!こんなに嬉しい言葉を乗せてくれるなんて、いつの間にストレイテナーって私たちの日常に寄り添ってくれてたんだろう。
これからも新しい一面を見つけていきたいな。もっと一緒に同じ景色を見ていきたいな。バンド名が表すように、彼らの真っ直ぐな人柄が伝わってくる、そんな曲。そんなアルバム。

ストレイテナーって久しく聴いてないなっていう方。聴いてみたいけどどれから聴いたらいいの?っていう方にもオススメの1枚です。


Coldplay 『MOON MUSiC』

前作『Music of the Spheres』で宇宙に飛び立ったColdplayが、今度は月から私たち一人一人に向けてメッセージを発信してるかのよう。

宇宙のような壮大なサウンドスケープと、初期を思わせる素朴なメロディが聴き心地いい。世界中を旅していろんな人たちに出会った彼らだからこそ見えてる世界。このキラキラした世界が本当に美しくて、心をギュッと掴んで離さないアルバムです。

本作で彼らのアルバムも10枚目。クリスは「2025年に最後のレコーディングを行うか、もしくは12枚目のアルバムを出したらそこでColdplayのカタログは終了。その後ツアーやコラボレーションは行うかもしれないけど、バンドのストーリーはそこで終わらせたい」と考えてるそう。

この考え方、私はすんなり受け入れられました。

CO2を削減したワールドツアーを実現させたり、リサイクルプラでCDやレコードを作ったり。環境に配慮し持続可能な音楽体験を模索してきた彼らだけど、私たち一人一人の時間は有限で、いつかは終わりが来る。そんなことを見据えてるのかなぁと感じました。

繰り返し「LOVE」を発信してる彼ら。正直、これ以上に伝えたいメッセージってもう無いんじゃないかなぁと思ったり…笑  だって歌を“lalala”に委ねてる曲が多すぎじゃね?!
でも私はこの“lalala”こそにColdplayの優しさと強さを感じていて。言語を超えて誰もが歌えるフレーズであること、「LOVE」の意味を限定せず、それぞれが想い想いの「LOVE」を乗せて歌うことができること。この自由さが優しくて、そこに救われる部分がある。

彼らって美しい曲は書くけど、カリスマ性があるとか飛び抜けてセンスが良いとかってのは他のアーティストに比べると正直そこまで感じなくて笑
でも彼らの強さって、自分たちだけでは実現できないと理解してるからこその謙虚さ、恐れずに敬意を持って受け入れることができる姿勢にあるなって思ってて。だから私たちのことを信じて、歌を委ねられるのかなぁって気がしています。

環境に配慮したツアーだって、音楽を作るチームだけじゃなく企業やファンにも協力を呼びかけて実現できたことで。そうやって周囲をどんどん巻き込んでいく力が、夢見たいなプロジェクトでも有言実行に移せたり、ここまで広く聴かれるポップスに進化していったのかなって思います。

Coldplayから「LOVE」を受け取った私たちが、今度は誰かに「LOVE」を伝えていく。そういうフェーズに来ていると感じたアルバムでした。


Wicked Movie Cast 『Wicked: The Soundtrack』

ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』が遂に映画化!シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデを中心としたキャストによる映画版サウンドトラックです。

私、映画は好きだけど舞台はあんまり関心がなくて。でも海外ドラマ『glee』を観てた時に『ウィキッド』に興味を持ち劇団四季を観に行ったことがありまして。そこで歌の強さや物語のメッセージ性にすごく感動したんですよね。
また観に行きたいと思ってもなかなかチャンスがないから、代わりにブロードウェイのオリジナルキャスト版のCDを買ってよく聴いていました。

で、映画化の話が決まってから長い年月が経ち、遂に映画化!日本での劇場公開が4ヶ月後ってことにムキー‼︎ってなってますが、サウンドトラックを早速聴いてみるともう頭の中にエメラルドシティがぶわーーっと見えてきて…!
シンシアとアリアナのエネルギーに満ちた歌。もう彼女たちの歌を聴いてるだけで涙が出てきてしまって。さらには(ネタバレになりそうだから詳細は書きませんが)とある曲のビッグサプライズにもう鳥肌MAXの大号泣ですよ!まだ映画観てないのに!!

そう、まだ肝心な映画を見てないし、内容としては1幕目の曲しか収録されてないので年間ベストに選ぶのもな〜て気がしますが…

2024年は自分を知ったり、気持ちがハッピーになれる音楽に出会えた年。そんな年の締めくくりにリリースされたこのサントラ。
この喜びが来年に向かって羽ばたいていきますように。そんな気持ちも込めて、今年の年間ベストアルバムに選びました。

(そして洋画市場を応援したいという気持ちもこめて!映画楽しみです!)


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