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【2024年ベストトラック】in the pocket / Mr.Children
2024年マイベストアルバムのnoteを書きながら振り返ってみると、2024年は新しい出会いがあったというよりも、“私の好き”に立ち返ることができた作品が多かったように思います。
好きなアーティストの好きな部分を再発見できたり、音楽を通して自分自身を再確認することができたり。
音楽に気持ちが引っ張られるのか、自分がそういう音楽を求めていたのかは分からないけど、2023年秋にリリースされたMr.Childrenのアルバム『miss you』から、自分のなかでそんなムードになっていったような気がします。
そしてそんなムードに共鳴し、“私の好き”の本質に迫ったのが、今年リリースされたMr.Childrenの新曲『in the pocket』でした。
※2024年年間マイベストのnoteと、『miss you』について書いてるnoteはこちら。
◆
祈りのような、目覚めのような鐘の音。
何かが始まりそうだと予感させる。
足を踏み出してみようか。
どこかワクワクする場所へと連れていってくれるかも。
ドラムマーチに導かれて歩いてみると、人懐こいメロディとキラキラした音の世界が広がる。
Mr.Childrenに出会うよりも、音楽を好きになるよりももっと前。
本当に好きな色がまだ定まってなくて、青色でも桃色でも黄色でも、とにかくいろんな色を使いたくてよく虹の絵を描いてた子どもの頃。
そんなフワフワした幼心に再会したかのような、陽だまりのようなあたたかさ。
ミスチルをきっかけに様々な音楽に興味を持つようになった私にとって、アルバム『miss you』は「ミスチルに出会ってから現在までの」リスニング体験を包括するような内容でした。
そして今年配信リリースされた新曲『in the pocket』。
『miss you』の先の景色を聴かせてくれるのかな…と思いきや、驚いたことにそこで鳴っていたのは「ミスチルに出会う以前」の、遠い昔の景色や小さい頃の感情を呼び起こしてくれるような、忘れかけていたピュアな景色でした。
どうして私はミスチルを好きになったんだろう。
音楽を聴くことの何がそんなに楽しいんだろう。
言葉ではうまく表現できない感覚的なものだけど、その”私の好き”の本質に彼らの音楽が手招きしてくれた、そんな気がしました。
自由でいる方法なんて
いくつだってあるって
昨夜(ゆうべ)かき鳴らした
六弦の音は教えてくれた
例えば稲妻に打たれたり、岩が転がってくるような衝撃とは違うんだけど…
何か嬉しいことがあったり、楽しいことがあったり。ふとした出来事で胸のなかで何度も何度もリフレインする。
少し控えめだけど、私の感情に寄り添い、ふわっと持ち上げてくれる。
そういえば初めて出会ったエレキの音って、こんなふうに感情を優しく増幅させてくれるような音だったなぁ。
またMr.Childrenに出会えた。
このサプライズが嬉しくって、宝物のような一曲になりました。
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これを書いてる12月、SNS(というかX)に少し距離を置いています。もしかしたら一時的なもので、すぐにまたしょうもないことを呟くようになるかもしれないけど。
気持ちが濁りそうになった時、この曲を聴いて”私の好き”を思い出そうと思いました。