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珍竹林にて

はてさて、お花の実家の横に、お花が『変な竹藪』と呼ぶ、竹林がありました。

何が変て、まあ、いろんな動物が通るのです。
猫とか犬とかだけではない、あまり見かけない動物とかです。

お花がまだ小学生の頃の話しですが、ある夏の、チョ〜大雨に降られた日。
本当だったら遊びにいくはずなのに、それが流れてしまい、お花は大きなガラス戸からお外を眺めていました。
たまに、昼間とは思えない、どんより重たい灰色の空を縫うように、眩しい稲光りが走ったり消えたり、その美しさに見惚れたりして…

竹林の上は白く霞んでいました。
すると竹林の根元で何か動く気配が。

ド、びっくり😳

「岩が、動いている⁉︎」

え、なに❓なに❓なに❓

お花は慌てて靴をはき、玄関戸を開け、どしゃ降りの雨に飛び込みました。
隣りの竹林に入り、動いていた岩のあるところを見回すと…

なんと、デカい亀🐢さんが‼️

歩いていましたとさ ジャン♪

全長30センチくらいはある、甲羅も顔も手足も黒っぽい、大きな亀🐢さんでした。

そしてお花は即座に亀🐢さん確保。
そそくさと、家に連れ帰りました。

しかし、確保したのはいいけど、この後どうしよ〜〜〜っオロオロ💦

お花「亀🐢さん、亀🐢さん、どこ行くの❓」

亀🐢さん「ワタシ ハ ナマズ ノ ヒゲカリ ニ」

〜なんて会話があるワケなく、お花と亀🐢さんは、玄関の土間で睨めっこ。
すると、家の奥からお花のお父さんが出てきました。

お父さんは、たまたまお仕事がお休みだったのです。
お花は
「お父さん、亀🐢さんが竹藪にいたの」
お父さんは、しばらく考えてから
「どこかの家で飼われていたのかもしれない。」
そう言いました。
そして雨が少し収まった頃を見計らってから、
お花とお父さんは、亀🐢さんを抱えてご近所を周りましたが、どのお宅も亀🐢さんは飼っていないと言います。

結局、亀🐢さんを我が家に再び連れ帰ると、お父さんが空の一升瓶と、開封前のONEカップを台所から持ってきました。
そして、土間に空の酒瓶を立て、酒瓶の先端に亀🐢さんのお腹を置き、亀🐢さんの顔を上に持ち上げ、ONEカップの蓋を開けて、亀🐢さんの口にお酒を注ぐという、びっくり仰天の行動にでたのです。

さすがお花の父。

だけどね。
亀🐢さんときたら、ゴクゴク飲むワケですよ❗️
そして亀🐢さん、何事もなかったようにポーカーフェイスで、酒瓶の先端に鎮座しているという。
やがて、父が手を叩きながら、なんか不思議な歌を歌い出すと、亀🐢さん目覚めたように、手足をスイスイと、宙を掻いて踊り始めました‼️
で、父がお囃子を止めると、亀🐢さんも停止。
また、お囃子を始めると、亀🐢さんも踊り出す‼️

お花は、「お父さん、なんで亀🐢さんにお酒飲ますの❓なんで亀🐢さんは踊るの❓」
と、父に訊ねました。
父は、「亀さんは神様のお使いだから、大好きなお酒で歓迎するんだよ。亀🐢さんは、酔っ払って踊るのが好きなんだ」と言って、また亀🐢さんにお酒を飲ませて、お囃子をしました。

その日の夕方、お花と父は、一番近い川まで亀🐢さんを連れて行き、亀🐢さんを川に放しました。

それから月日は流れ…

最近、亀🐢さんを放した川に行きましたが、
岩の上で甲羅干ししている亀🐢さんの一団を見つけて、あの時の酔っ払い亀🐢さんの一族かもしれない。
奥さんも見つかって、幸せになったんだなぁ、と、思いこむことにしました。

と、いうか、お花の父も変ちくりん‼️

*無料画像いただきました。ありがとうございます ペコリ

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