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同世代の傑物 塩塚萌夏 の20歳時点での視座について

羊文学 Vo.Gt. 塩塚モエカ @moekashiotsuka の高い視座

Q21:今後の目標や挑戦したいことを教えてください!
1つの時代というか、振り返ったら羊文学がこの時代にいたってことを、残せるようにしたいです。そういうちょっとの時代を変えるようなものを作りたいですね。
『【21Questions】「振り返ったら羊文学がこの時代にいた」羊文学 塩塚モエカに聞いた21の質問。』
将来の夢は「プロのミュージシャンになること」と話す。「日常に突きささる音楽を届けたい」。
『【CAMPUS IDOL】文学部美学美術史学専攻2年 塩塚萌夏さん』
https://www.jukushin.com/archives/27326

大学で声を掛けなかったことを後悔している。大学2年時点で塩塚萌夏の存在を知ったときに当時つくっていたサークルに声を掛けたいなとTwitterで呟いた。たしか「春」のMVを見た記憶がある。その時はレッドマーキーに出演していて「大学にこんなロックで可愛い人いるんだな」と思った記憶がある。まさかここまで売れるとは思ってもいなかった。時は流れて3年後にはリキッドルームでのライブを気付いたら行っていた。大学1年の終わりの春休みに下北沢での路上で元カレに向けた曲を披露していた塩塚萌夏が、気付いたらSuchmosがつくったレーベルからメジャーデビュー。塾生会館で中指立てていた塩塚萌夏が、今やサブカル界隈の男なら誰しもが好きと挙げるまでになった。同世代の本物がロックスターの階段を登っていく姿を見ている。

彼女の穏やかながら伝わる闘志(特に目つきに現れている)は見習いたい。彼女には大きな刺激をもらっているし、ぜひお会いしたい。たぶん会えると思う。会いたいと思う人は、会える。間違いない。

この文章を書いた2020年9月から1年後に偶然、渋谷駅で邂逅した。友人と別れてほんの数秒、コロナがまだ収まっていない中でマスクをつけていてもすぐに塩塚萌夏だと分かった。気さくで丁寧にファン対応してくださり、さらにファンになった。目標を宣言させていただいたのでそれを達成する。タイミングもタイミングだったから何かしら神が自分に伝えようとしているんだなと思った出来事だった。イエス言霊❤️‍🔥

塩塚モエカの楽曲制作におけるテーマや表現

彼女がテーマにしている”ありのままの自分に対する許し”や"幸せの祈り"は心に響く。彼女と十代の境遇において共感する部分があるからだろうか。The xxのAngelsに影響を受けたリヴァーヴや2010年代のシューゲイザー、1990年代から2010年代のオルタナ・ロックの系譜を受け継いだサウンドは聴きやすい。Circa WavesのT-shirt Weatherを「私たちの夏の楽曲」とまで言っていたのは共感した。高校時代、Circa Wavesのライブで初めてモッシュをやったから好きなアーティストと共鳴する原体験が重なり嬉しかった。加えて"化粧水の蓋をよく閉め忘れる"を唯一色っぽく歌える方と言っても過言では無い(SoundCloudにある「具体的な愛情」より)。夕凪の"愛する人の名前の船も帆をうなだれて"なんかもう堪らない。作詞センス・言葉選びの巧みさが心に刺さる。

また詩には彼女の日常私小説・アイデンティティがよく反映されている。例えば、代表曲ロマンスにおいて(以下出典: ロマンス/作詞:塩塚モエカ 作曲:塩塚モエカ)

この街の真ん中で
叫んだら誰か見つけて
くれるんじゃないかって思う

いやほんとは誰かじゃなくて
きみのこと探している、
でもそれは秘密のことよ!

放漫にも欲に任せて街を彷徨っているように側から見えても、目的はハッキリとして探索している。それを他人に知られることは憚れるし、気恥ずかしさもある。そんな繊細な感受性の持ち主でありながら、叫ぼうとする大胆さも持ち合わせている。

これで最後?構わない!
銃口は狙いを定め
スタートの合図で撃ち抜け!

拳銃を使い、非力な腕力を補い、増幅させ、撃ち抜く(狙いを定める用意周到さもあるし、タイミングを逃さず焦る気持ちを抑えられる)。そんな塩塚モエカのアイデンティティが投影された作品だと僕は解釈した。

元カレから受けた影響も面白い。これからも加筆修正していく。


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