道楽が評価される風潮、なんなの?

 平日の職場で、特に誰に言われたわけでもなく「自立した女の物真似」に勤しんでいる。結婚、めんどくさいですと苦笑いをしてみている。欲しいものは彼氏に買ってもらうんじゃなくて自分で買います、社会人だから、とおどけてみせる。ただ、こんな話を振られること自体がめんどうだから、いっそのことフェイクの結婚指輪でも買ったらいいんじゃない?とか最近思う。そもそも結婚や彼氏の予定も計画も無い。不毛な物真似である。

 SDGsを謳う弊職場では、至るところに環境が云々とかひとりひとりの心掛けが云々とか、そういう内容の掲示物が増えた。それから、管理職はジャケットに虹色の輪っかのピンバッジを付けている。ところで、換気がどうとかで部署の扉は開けっぱなしが普通だが、冷房が淡々と稼働している。使わなくなったパーテーション、そういえばプラスチック製だったなあ。

 春先に話を遡ってみよう。期待の新入社員が数人入社した(自分の時は、新卒は自分しかいなかった)。留学、ボランティア、部活やサークル、学生時代にいろいろな経験と努力をしました、趣味は旅行です、一人暮らしで精神的に成長できました、親の背中をみて同じ職業を目指しました、わたし人のために力を尽くしたいんです-。自己紹介を聞いていると、目が回りそうになった。

 職場の人がnoteをやっている。本名で、職場の名前をさらして、知らないビジネスカタカナ用語(適切な表現がわかりませんでした)をたくさん使って。仕事を通して給料しか見えない自分と、やりがいを見据えている他人、私立の学校に通っていたらしい。

 経験って、道楽。環境保全って、道楽。自己肯定感って、結局経済的なゆとりでしか作れない気がする。飲み会1回、樋口一葉。2軒目行く人、福沢諭吉。
 冷静になってみたら、それは満点よ。そりゃ評価だってされるよね。

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