人生とアレルギーの話

 化粧は社会人のマナーであるが、私はベースメイクというものをしたことがない。いつも眉をかいて、アイシャドウとアイラインを瞼に乗っけて、それで出勤している。化粧にかかる時間は五分ほどである。

 突然ではあるが、私はアレルギー体質であることをここで告白することにする。正確に言うと、アトピー性皮膚炎と花粉症。月に一度は皮膚科に通い、ステロイド薬(外用薬)と抗アレルギー剤(内服薬)を処方してもらっている。一回の通院で諸々合わせて三千円ほどが飛ぶ。社会人になって自身に関わる出費を自分でまかなうようになったが、中々手痛い出費だ。

 実はこれに関わるお金はこれだけではない。化粧水と保湿剤で、毎月千五百円はかかっている。自分の肌に合うものって割といい値段がするもんだ、でも仕方ない。荒れっぱなしの肌では精神的にしんどいので…。同じように化粧品についても化粧下地とかファンデーションに関しては自分の肌に合うやつに出会っていない。それゆえ、未だにベースメイクはしていない(幸い職場が化粧にうるさくないところだったので良かった)。そういえば成人式の時に美容室でフルメイクをしてもらった時はひどく肌荒れをしたもんだ。美容室なんも悪くないけど。

 ドラッグストアで買い物をしている時に思うのは、「あーあ、もし私が健康体だったらただ安いという理由だけで、またはなんか素敵!って理由だけでいろいろ試せるんだろうなあ」ばかりだ。医療費も掛からないし、そのお金を他の楽しいことに回せるんだろうなあ、とも。

 あとそれなりに気にしているのは食生活。ちなみに、お酒ってアトピー性に良くないらしいですね。思わずそんなんで人生楽しいかバーカ、と中指を立てそうになる。それでもまあ、四日以上連続で飲酒した時は肌が死んだので連酒は極力やめるようにしている。

 多分、この体質がきれいさっぱり無くなることって、ない。だから、ほどよくお金をかけて、ほどよくお酒も飲んで、そのバランスを保っていくことの積み重ねが私の人生なんだろうなって考えている。これから夏が本格化するのでビール飲みたい。同時にまたアトピー性皮膚炎の症状がつらい季節がやってくる。しんど。上手いことやるしかない。

 あまり不幸自慢とか苦労話みたいなことを書くのは好きじゃないけど、エッセイなので、ああこんなやつもいるんだなくらいに思っていただければ。アンテベートとロコイド、保湿剤(ワセリン)、アレグラ錠飲んで生きてます、参考までに。


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