幻獣機ってなんなん?
まえがき
どうもれんこんです。
よくよく考えたら、幻獣機ってどういうテーマなのか全く知られてないですよね。
テーマの名前は知ってるけど、実情は全くわからん!みたいなよくあるイメージですね。
せっかく幻獣機かんたん解説みたいなこともやってるんですし、今一度原点に立ち返り、幻獣機とは何なのかを説明していきたいと思います。
こちらは個人の見解でありますので、いやいやこうだろって同志の意見もお待ちしております。
幻獣機って何?~超・基礎編~
Q:幻獣機ってどんなテーマ?
A:トークンを軸とする能力で戦線を維持しつつ、多彩な展開を行う機械族・風属性テーマです。
一部を除き全てのモンスターが、トークンがいる限り破壊できず、幻獣機トークンのレベル分だけ自身のレベルが上がる効果を保持しています。
条件下で破壊不能になる効果は単純かつ強力であり、複数の幻獣機とトークンの生成手段が並んだ暁には非常に堅牢な盤面となります。
そして場にいる幻獣機トークンのレベル分だけ自身のレベルを上昇させる効果は、ランク3、4に限らないエクシーズ召喚を可能とし、正にそれが幻獣機の大きな魅力にもなっています。
トークンのレベルが3の為、上がり幅はかなり大きく高ランクのエクシーズ召喚も狙いやすいですが、反面細かい調整は苦手。
選択肢となるランクは
3、4、6、7、9、10
が主です。だからといって全部入れるとキャパオーバーは免れないので、必要な分だけ入れるようにすればデッキとしてもまとまりが良くなりやすいです。
チューナーの登場以後は更に幅が広がり、一概に【幻獣機】と言っても内容や構築論は人によって大きく異なる要因となっています。幻獣機ユーザーの数だけ幻獣機の形があります。
幻獣機って何?~テーマの事情編~
さて、幻獣機というテーマは多彩な展開を行えると説明しましたが、こちらは『展開先を幻獣機に留まらせるつもりがあまりない』とも言い換えられます。
EXデッキの幻獣機はテーマ登場から11年経った現在でも4種類しか存在しないことから、選択肢を多くとる事ができるテーマのポテンシャルをある程度理解して作っていたのだと思われます。
《幻獣機アウローラドン》のデザインはその性質があまりにも顕著に出ていますね。
《発条機雷ゼンマイン》、《ギアギガントX》や《恐牙狼 ダイヤウルフ》、更には《No.11 ビッグ・アイ》等、ランクと条件が合いさえすれば時代をときめくエクシーズは当時から全て採用圏内でした。
前弾の強力な風属性エクシーズ《電光千鳥》も当時は必須枠として扱われておりましたね
EXデッキに入る新規をコンスタントに出して終点の可能性を狭めるよりも、敢えて数を少なくすることで時代と共に進む道を選んだような形ですね。
未だにこのような「テーマのコンセプトから他の、ひいては未来のカードにも目を向けた」テーマデザインは非常に珍しいです。最近では爬虫類族での【溟界】が近いかなと思います。
あちらは爬虫類族全般、こちらはレベル、ランクの合うシンクロ、及びエクシーズ全般という感じでしょうか。
幻獣機って何?~認識の擦り合わせ編~
「認識の擦り合わせ」というよく分からない項目にはなりますが、まず幻獣機というテーマは所謂マイナーテーマに位置する都合、幻獣機を常用している筆者とそうではない読者の方では前提として持っている情報が全く違います。
アッもし貴方が幻獣機ユーザーの方であれば、後方で腕を組みながらご覧下さいね。
少し逸れましたが、先程幻獣機には決まった展開先は特にないと述べました。中でも(体感)特に採用率の高いカードを、簡単な解説とともに紹介致します。
いくら外部に頼ることが前提とはいえ、理由がわからないともんやりするかと思いますし。
それを解消するための「認識の擦り合わせ」ですね
では早速早速→→→
※この項目は更新される可能性が非常に高いです。
更新があれば逐一ログを残します。
①フルール・ド・バロネス
除去に妨害に蘇生に、ユーティリティ性もさることながらこれでいて縛りもなく素材も2体で出せる新時代のシンクロモンスターです。
ため息をつかれる筆頭ではあるのですが、妨害効果だけを目当てに出す幻獣機ユーザーは恐らくいません。
いたら偽物かも(過激派)
【幻獣機】における真価は③の効果。EXデッキの枠がカッツカツになりがちな問題を解決しながら、再利用のしにくい幻獣機モンスター等を臨機応変に蘇生できるのがとにかく強いのです。
例えば《幻獣機オライオン》を蘇生して再度の展開を狙うのもよし、幻獣機モンスターがいるのであれば《幻獣機コルトウィング》で大展開するのも良し。
使い切りになりがちな他外部のモンスター群を再利用することも多く、デッキの形の数だけ役割があります。自身が再度展開先になれるのもとっても嬉しい。
相手ターンに動ける幻獣機が少ない都合、できれば次の自分のターンまで生き延びてほしくはあるのですが、中々そうはいかないのがネックではありますね。
②PSYフレームロード・Ω
除外されている《幻獣機オライオン》や、幻獣機と抜群に相性の良い《黒魔女ディアベルスター》のサポートカードである《『罪宝狩りの悪魔』》等、墓地に戻したいカードはごまんとあります。
墓地の自身を任意のカードと共にデッキに戻せる効果も、上の《フルール・ド・バロネス》同様嬉しい。
デッキに戻す相方は《幻獣機アウローラドン》をはじめ、その時に欲しいものなら何でもいいので、純粋に使い勝手が良すぎます。
場持ちが良いモンスターなので、サルベージ効果をそこまで使うのか?という疑問はありそうですが、各種素材に使いやすいと思えば全く問題になりません。
幻獣機での出し方は、《幻獣機オライオン》+☆3幻獣機(トークン1体存在時)が主。なので先程説明した墓地に戻すカードに困ることも殆どありません。
総じて必須と言える程噛み合いが良いです。最強。
③転生炎獣アルミラージ
《幻獣機オライオン》+《幻獣機テザーウルフ》初動の要です。
無いと都合が悪いのでとりあえず入れましょう。
幻獣機のEX枠はこれの存在から14枠と言っても過言ではありません。
EDHの《太陽の指輪》みたいなものです。
とりあえず入れましょう。
もし不要であればその時に抜けばいいのです。
でもすぐに必要性に気づくことになります。
入れましょう。
幻獣機って何?~よくある指摘編~
こちら今回の本題と言って差し支えはありません。
前項を踏まえて、よく聞く、もといよく指摘されることについて説明していきます。
指摘①
《幻獣機アウローラドン》って幻獣機でも強いの?
→強いどころではない
理由:幻獣機に必要なものを用意してくれる存在が弱い訳がない
無論構築段階である程度ラドンの出力方法の方針を固めることは必須ですが、そこさえクリアできれば割と自由自在です。
手札や墓地の状況から適材を選んで場に用意できる時点で弱い筈はありません。
幻獣機は「トークンと舞台さえ用意できれば強い」みたいな子ばっかりなので、ある程度その舞台を独力で整えられるラドンは紛れもなく幻獣機の主力ですよ。
指摘②
展開先に幻獣機縛りをつけたらこんなことに(ry
→気持ちは分かるけど本末転倒。
理由:前の項で述べた通り。
幻獣機のカードプールを見ていただければ理解しやすいかと思います。
なお、今後制圧効果やフィジカルおばけな新規が出る時には、「素材に」幻獣機を指定する可能性は大いにあります。《幻獣機ヤクルスラーン》みたいに。
指摘③ ※長いです
ラドンとオライオンいる分マシじゃない?
→前提としてラドンは幻獣機で出すのに苦労しがちなので、思われている程強くはないです。
理由:《幻獣機アウローラドン》は、元より《水晶機巧-ハリファイバー》を利用して出すことを前提としてデザインされているカードだからです。
《水晶機巧-ハリファイバー》から繋げる展開の強さは、幻獣機の視点では「強いから」とか「出しやすいから」に留まりません。
例えば相性抜群の《ブンボーグ001》や、墓地効果で幻獣機の召喚を行える《幻獣機オライオン》等のチューナーを、《幻獣機アウローラドン》を出すまでの布石として墓地に用意できることがあまりにも大きなプラスだったのです。
これができるだけで全く世界が違います。
無論今は手軽にはできません。結構な手札を要求されます。
尚、幻獣機での展開も無くはないのですが、基本的にはバリューの低い展開になりがちですし、《警衛バリケイドベルグ》を噛ませた展開も、私がよく使う「機械族×3」での展開も《幻獣機アウローラドン》を出すための構築にすることをある程度要求されます。
あくまでもラドンは目的へと向かう手段のカードであり、目的となっては本末転倒なのです。
加えて、よく「ラドンとオライオン使えばなんでもできる」と言われがち(間違いなく強い)ですが、裏を返せば「ラドンから出すモンスターの選択肢が少ない」ということでもあります。
無論《幻獣機ハムストラット》を利用した展開や、《幻獣機メガラプター》を使う展開も魅力的ではありますが、如何せん出力が安定しにくい問題を抱えております。(前者は《トランザクション・ロールバック》※や《エクシーズ・アーマー・トルピード》等の登場以降かなり安定するようになりましたが……)
※2024/10/9追記
《永遠の淑女ベアトリーチェ》が禁止カード指定されたことにより、こちらの戦術をとることができなくなりました。
リクルート効果が2体リリース(盤面を-1)する効果であることが、基本的にひとつのマイナスでひとつのプラスを得る幻獣機の大きな枷になっています。
純粋に盤面や選択肢を増やせる幻獣機が少なすぎる為、現状どこかで手詰まりを起こします。
手札に都合のいい子がいるなら話は別ですが、単体だとアクの強い幻獣機を多く採用する構築は大変な危険が伴います。そもそもラドンに辿り着かなくなってしまうからですね。
《幻獣機アウローラドン》は間違いなく【幻獣機】のポテンシャルを大きく引き上げた立役者ではありますが、その実テーマ単体のカードとして見ると、出しづらい上に幻獣機の全体のカードパワーの低さから出力先は絞られやすく、インフラとして用意されていた《水晶機巧-ハリファイバー》を失って以降は更に問題が顕著になっている形です。
元から自力で《ハリファイバー》を出すのにも苦労するテーマですから、さもありなんと言った具合。
こんな言い方はしていますが、これ以上ない程の凄まじい新規であったことに疑う余地はありませんよ。
指摘④※これも長いです
ラドンがいるから新規来ないのでは?(ラドンが禁止にならない限り新規は出ない)
→事実かもだけど、そんなの知ったこっちゃない
理由:恐らく事実ではあれど、元凶はKONAMIなんだからカードに責任を押し付けないでほしい
これ言われると顔がギュッとなります。
とはいえ、全くのちぐはぐだった【幻獣機】を独力である程度形にするまでに至った《幻獣機アウローラドン》のパワーは計り知れず、カードプールの増加と共に可能性を広げる幻獣機のコンセプトにも寄り添っている都合、このカードのパワーが下がる時=制限施行時と言っても過言でないことは事実。
実際問題、ラドンの暴走を防ぎながら新規を出すことが非常に難しいことは幻獣機ユーザーであれば全員が理解していることであり、本項の指摘はある意味正鵠を射ています。
しかし、
・元よりテーマの独力では容易に出せない
・前提の存在でありながら、当時から禁止になる可能性が高かった《ハリファイバー》の禁止後も全く音沙汰がない
この2点が問題です。
トークンをリンク素材にできる都合、下手なリンク値では暴れる可能性があり、かと言って幻獣機トークンを素材から外すのは幻獣機カードとしては歪。
それを解決する手立てが「機械族モンスター2体以上」という執筆時点でも唯一無二かつ特有の縛りであり、当時は活躍していた《ハリファイバー》を前提とする事でお茶を濁したのだと思いますが、その前提を崩されてしまった時に残るのは案外厳しい素材指定とテーマとして力不足である現状です。
そもそも幻獣機というテーマは登場時から一度も時代に追いつけた試しが全くなく、当初から数世代前の遊戯王をしているような有様です。
《アウローラドン》のおかげで非常に楽にはなりましたが、未だに幻獣機モンスターのみで《ドラゴサック》や《エンタープラズニル》を出すだけでも「初めて見た」という人が絶えません。偉業扱いです。
そんな《アウローラドン》が今禁止になれば…?
結果は明白です。
まずもって「ラドンがいる限り新規は出せない」なんて言葉は幻獣機ユーザーだから言える自虐に近い言葉だと私は思っていますし、私としてはこれを言われると苦い顔を隠せる自信がありません。
一般プレイヤーからすれば、ラドンをもう見たくもない方もいるでしょう。
見るだけで溜息が出る方もいると思います。
それでも、《幻獣機アウローラドン》というカードは幻獣機の希望の星であり、幻獣機を愛する人間からは沢山の意味で重要なカードであることを、せめてこの記事を読んでいる貴方には知って頂きたいのです。
誰しも思い入れのあるカードが散々な物言いをされていたら嫌なのは同じだと思いますから。
幻獣機って何?~プレゼント編~
辛気臭い話を挟んでしまいましたが、ここまでくれば御託は野暮というものでしょう。
ここまで読んでくださった貴方への感謝を込め、今日からはじめる幻獣機スターターレシピをご紹介
【モルガナイト型幻獣機】と呼ばれるデッキです。
できる限りデッキの動線を簡略化した上で、【幻獣機】としても様々な動きを試せるようになっております。
EXの枠が5つ空いていますが、ここはもしも実際に皆様が組んだ際に、お好きなカードを入れていただければと思います。
EX枠の吟味は、幻獣機の構築における醍醐味とも呼べる過程です。ぜひ楽しんでみてくださいね。
ただ、動線を簡略化したとはいえ、少々独特なムーヴがあることは事実なので、少しそちらの説明も。
《亜空間物質回送装置》
「セットモンスターを一度除外して戻すと反転召喚が可能になる」性質が少し前に話題になりましたね。
このデッキでは、リバース時効果で幻獣機トークンを2体特殊召喚する《幻獣機ハムストラット》の起動役として大きな役割があります。
通常召喚権ひとつでモンスターを3体用意できるため、《幻獣機アウローラドン》は勿論のこと、中盤以降であれば墓地の任意の幻獣機を蘇生するも良し。非常に強力なコンビです。
②の効果も地味ながら便利であり、幻獣機の効果を無効にしてレベル変動や破壊耐性を突破しようとする不埒な相手に対して有効に働きます。
《フルール・ド・バロネス》の無効効果をリセットするのもいい感じですが、如何せん相手依存なので過信は禁物です。
《反逆の罪宝-スネークアイ》
幻獣機トークンを永続魔法扱いで置くだけ。
これで幻獣機が破壊できなくなり、戦線維持に大きく貢献できます。
こちらを持ってくることのできる《黒魔女ディアベルスター》は容易に特殊召喚が可能であり、《幻獣機ドラゴサック》の素材としても優秀な為、案外頻繁に完成します。
何故か破壊できない幻獣機に相手は困惑すること間違いなし。
そもそもトークンを永続魔法扱いにする時点で困惑されますが。
《ムーンダンスの儀式》
多分馴染みのないカードではあると思いますが、効果を見ていただければ一目瞭然ですね。
内容は時限式の全体無効であり、妨害効果としてはかの《スキルドレイン》に匹敵します。
条件として素材のない風属性エクシーズモンスターが必要にはなりますが、《ハムストラット》で蘇生した《ドラゴサック》が筆頭候補となります。
対象とした《ドラゴサック》ごと無効にしてしまうため破壊耐性は一度無くなりますが、除去や展開をモンスター効果に頼ることの多い昨今では影響を防ぎ切る事は困難であり、幻獣機の大きな欠点である「相手ターンの防ぐ力」の解消に大きく貢献します。
更にエンドフェイズ時に対象としたモンスターのエクシーズ素材になる効果まで備える為、切り返し時には効果無効を解除しながら、《ドラゴサック》のトークン生成効果に繋げられます。
ただ、カタログスペック上は至れり尽くせりのミラクルカードではありますが、《ドラゴサック》自体のステータスは高くても2600と、案外戦闘では心許ない数字であることは注意点。《厄災の星ティ・フォン》なんかは超が付くほどの天敵です。
……恐らくこれ位かなとは思います。
ですが最後にもうひとつだけ。
説明を省きました《時を裂く魔瞳》は、強烈なデメリットこそありますが、それに該当するカードは不採用の為、引いたらすぐ使えるカードになっています。思う存分幻獣機を使った展開を考えてみてくださいね。
あとがき
長かったですね。お疲れ様でした。
これを読めば、とりあえず幻獣機というテーマが一体どういうテーマなのかはある程度分かるかなあとは思います。 ……どうでしょう、分かりましたか?
一部カードだけが一人歩きしている都合、少々過大評価気味になっていたり、言葉を選ばずに言えば的外れな指摘を受けることも多く、それを毎度テーマの為にはならないとか、特色を殺すようなものだとかを毎度説明するのも限界がありますので、こういうテーマもあるんだということが伝わったのであれば幸いです。
まえがきでも話した通り、こちらは私の見解が非常に色濃くでている記事になります。別の意見を持つ有志の方は、気兼ねなくDMに凸したりコメントを残していただければと思います。
幻獣機を知らない方の読者様には、知らないテーマについて知ろうとしてくださったそのお心に
同志の読者様には、厳しい目で見てくださったお心に
それぞれ、多大な感謝を送ります。
では。