自分で切り拓く
人生の選択を辿っていく My Choice-私の選択-
これまで、高校、大学と学生時代にターニングポイントとなった出来事をあげてきました。
第4弾は、プロ契約を勝ち獲ったプロ1年目について。
自分で切り拓く
念願のプロ契約をした2015年2月。
怪我の影響で開幕には間に合わなかったものの、徐々に出場機会を得るとコンスタントに試合に出場するようになっていった。
しかしチームは開幕から10試合勝ちがなく、移籍ウィンドウが開く期間が迫ってくると、選手の入れ替えの話を耳にするようになっていた。
リーグ中断前最後の試合。ホームで今季初勝利をあげる。個人としてもセンターバックとして無失点に抑え、チームに貢献できた手応えを感じ始めていた。
しかし、それは時すでに遅し。GMに呼びだされるとそこで契約解除を告げられた。その場では強気に違約金の話などをしたが、家に帰ると悔しさと先が見えない不安とで放心状態になっていた。
さあこれからどうするか。プロ契約をして数ヶ月。大学を卒業して数ヶ月。社会に出ていきなりガツンと強烈な先制パンチを喰らった。それでも朝起きればトレーニングに行き、誰もいない公園で1人ボールを蹴り、走り込み、何も決まっていない先の未来のために準備をしている自分がいた。
まだやれる
書類上の契約が切れる1ヶ月後までは少なくともここにいる。失うものは何もなく、できることを全部して、次の自分の居場所を自分で見つけてやる、と。
そう思った日から、1日の価値が変わっていった。練習と並行して、プレービデオや履歴書をありとあらゆるチームに送り、エージェントを紹介してもらってはビデオを送り、売り込む日々。
結果的にそうした中で掴んだチャンスをものにし、ラオスのチームと契約することができた。
契約解除から次の契約が決まるまでの約1ヶ月。
いままではチームがあって当たり前、練習仲間がいて、練習メニューがあって、その中で自分が上手くなるために時間を使っていた。
でもこの期間は自分で24時間全てをコントロールしないといけない。朝起きてから寝るまで、その全てを自分で考え行動する日々。誰も助けてはくれない中で行動した日々は、自分に足りていない大切なものを教えてくれた。
こんなところでは終われない。
覚悟を決めてプロサッカー選手という道に進んだけれど、恥ずかしながら本当に覚悟が決まったのはこの時になってからであった。
今日が最後。そう思って1日を過ごしていたか。サッカーに取り組んでいたか。強い覚悟を持って闘っているか。
その覚悟こそが海外で外国人枠としてプレーする中で1番大事なんだと僕はその時に知った。
そしてこの気持ちがあったからこそ、ここまで走ってこれたのだと思う。
契約解除された時には、その後ラオスリーグで優勝し、国際大会に出て、リーグのベストイレブンに選ばれて、タイへとステップアップする未来なんて考えられなかった。
人生は続いていく。自分の覚悟さえ決まれば、未来は自分で切り拓いていけると僕は身をもって知った。
ではまた。
“ It’s up to you “
Renshi