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【Vol.52】御恩と奉公が消えた先

今の時代は鎌倉時代末期のように思えます。

鎌倉時代末期は元寇の退治で活躍してくれた御家人に十分な俸禄を与えることができず、御恩と奉公の主従関係も崩れ、徳政令(借金チャラ)などの緊急措置でも収拾はつかず、悪性インフレが発生し、幕府は後醍醐天皇のクーデターであっけなく消滅しました。

御恩と奉公は美しき主従関係のようですが、結局は金の切れ目が縁の切れ目の金銭契約だったのです。

世の中は相当に荒れて、困窮を極めた庶民たちは絶望して鎌倉仏教なる新興宗教にすがるしかありませんでした。

奇妙な宗教もありましたが、人々の発狂を抑える最後の防波堤だったのでしょう。


現代は国際経済戦争に敗戦して、経済・財政は悪化の一途で、国民は増税ばかり強要されて多くの人が貧困状態です。

あまり報道されないようですが(言論統制?)、実質賃金では台湾や韓国にもとうに抜かれ、ポーランドやルーマニアにも抜かれようとしているようです。

もう先進国ではなく中進国に転落しているのではないでしょうか。

国民全体が貧しくなり、格差が拡大すれば、治安も悪くなり、売春に走る人や気が狂ったように変なスピリチュアルにハマる人も増えているようです。


会社に滅私奉公しても税金と社会保険をかなりピンハネされているのに、その恩恵がどんどん改悪されていけば、おとなしい日本人でも、さすがに限界で堪忍袋の緒が切れるのではないでしょうか。

もちろん、クーデターやテロなどの短絡な暴力ではなく知的で平和な解決を希望しますが。


いくら貧しくなったとはいえ、現代は鎌倉時代末期のような困窮とは比べものにならないほど豊かな時代です。

個人でできる方策もまだまだ残されているので、他力本願に逃げず、自力救済で頑張りたいものです。