見出し画像

入院といえば「病院食」〜楽しく美味しい病院食アレンジ

入院といえば病院食です。
これを”不味い”とこき下ろすことが入院した人間の、開口一番、お決まりの一言のようになっていて、病院食を美味しいという人はあまり見かけないし、入院報告のブログやSNSなどでも、いかにも不味そうな写真を見かけることが多い。

というわけで、私も御多分に洩れず、「病院食不味い」とぼやいていたわけであります。当初、差し入れは生鮮食品はダメ、乾物のみということで、果物もNG。病院食の献立を見ると、デザートにつく果物は「缶詰」のみ。あとは果物ゼリーだけど、子供の頃に給食で出てきたような砂糖いっぱいの甘いやつ。どうしてもフレッシュな生の果物が食べたくなります。

そこで、担当医師に、貧血がひどくて、鎮痛剤のせいで便秘気味。これは食物繊維をもっととったほうがいいですよね、栄養もいろいろとったほうがいいしと訴え、プチトマトやマスカットなど、皮を剥いたりしなくても簡単に食べられる野菜や果物は許可をもらいました。
「許可」というほどの重々しさもなく、医師は簡単に、「別にいいですよ。貧血だから栄養色々摂って」と一言。病院としては生鮮食品を外から持ち込まれて、腐って、それを食べられたりしては困るということで生ものの持ち込みは禁止としているようで、最初はダメと言ってた看護師さんたちも、医師の許可が出たと言ったら、じゃあいいですよということで、プチトマトやお見舞いのシャインマスカットを食べている次第です。その代わり、冷蔵庫の中で腐ったりしないよう自分の責任で十分気をつけねばなりません。

私の場合、特に制限食ではないから、実は何を食べるかというのは栄養士さん的にも糖尿食のように細かく計算しているわけでもないようで、熱いお汁が飲みたい時はカップ味噌汁などを追加してもらってもいいし、ある程度の持ち込みによる追加は大丈夫ですとのこと。
さらに、入院当初、1、2日目あたりはおかずの量も少なく、貧相って感じだったのですが、私がいつも完食するとわかり、野菜がもっと食べたいとか言っていたからなのか、このところ余ったおかずを小鉢に入れた巡回が私のところにも廻ってくるようになり、私が選択しなかったメニューの中の一品などが追加され、決まりの献立+一品で、これは食べ過ぎと思う時さえ出てくるほどです。

右下のカボチャサラダはオマケの小鉢。1日3食食べてこのメニューも完食って食べ過ぎですよね


そんな食事で、1日3食、ほぼ完食するのですから、私の消化器はかなり活発にうごいてると思われます。1日車椅子に座り、下手するとうとうと眠りこけている1日なのに、なぜこんなに食べられるのか、自分でもよくわかりません。

ただ、病院にいるうちは時間もあるし、時間をかけてよく噛んで食べようと思い、片付けの方が、ゆっくり食べてくださっていいですよと言ってくれるのをいいことに、ほんとにゆっくり食べていて、それで消化を助けているのかと思います。この食習慣は退院後もちゃんと持ち帰り、続けたいですね。

と言うわけで、私が入院している病院の病院食。
ルールや量についてばかり書いてきましたが、その「味」ですよね。

ただ、当初は私が味覚障害でもあったので、本来の味をわかってなかったと思いますが、ここ数日、味覚障害が徐々に治ってきている気がするので、その味覚を頼りに書きますね。

やはり病院食なので、味付けは薄めです。
そして、味噌汁がめちゃヌルい。あと、食器がプラでしょぼい。
ほぼ、この3つが病院食不味いの原因じゃないかと思いますが、どれも病院食だからしょうがないところがあります。
味噌汁がぬるいのは、患者が火傷しないようにとの配慮のようですが、私は右手はしっかり動くし、大丈夫なのでもう少し熱いのをお願いしたら、なんとか聞いてもらえました。本当はもっと熱いほうがいいけど、ここは病院、しょうがありません。そこで、カップ味噌汁を入れたりしています。これは問題ないみたい。

実は、当初2日ほどは私もこの病院食に文句タラタラだったんですが、上記を見てもわかるように、今はそんなでもありません。

「小鉢の追加、今日は来ないのかな」と楽しみにしてみたり、薄味のおかずの中でも、薄味だからこそ美味しいと感じる自分好みのメニューを見つけ、それを美味しいなあと思って食べている。春雨サラダとか、きゅうりの浅漬けとか、酢の物とか、そういうのがお気に入りで、あまり小鉢でやってくるとニヤリとします。

さらに、当初「病院食はまずい」という先入観のもと、友人らに頼んでもってきてもらったふりかけや焼き海苔や梅干しなどが活躍しています。
病院食というと白飯の量が多いのが常。最後ご飯が余って残すか、むりやり味がないのをつっこむか。しかし、これらご飯の供のおかげで、その白飯はまずいどころかうまい飯にアレンジされ、毎日完食されているのです。
このアレンジがとても楽しく、美味しいご飯になった時は嬉しくもあり、まずいはずの病院食の時間は唯一の楽しみとなっています。

というわけで、最後にひとつアレンジした病院食を紹介したいと思います。


これは以下のサワラのメニューの写真じゃないですが、近いので。サワラは撮り忘れておりました


この日のメニューはサワラの塩焼きと付け合わせ、香の物に壺漬けついていて、あとは味噌汁、和えものの小鉢がついてました。
しかし、サワラはなんだか色が冴えないし、美味しそうに見えない。プラスチックのお皿に置いた宿命です。そこで、もう全部ほぐしてご飯に乗せ、壺漬けも乗せ、差し入れの味噌胡麻アーモンドふりかけをかけ、それを混ぜご飯にし、焼き海苔で巻いて食べてみたところ、めちゃくちゃ美味しい。感動もの。その嬉しさで、その日は1日幸せな気分でした。
やはり、美味しいものは命の源、人を救います。

海苔で巻いて食べるとめちゃくちゃ美味しかった!

病院食もまずいまずいというけれど、このアレンジが成功した時は嬉しさもひとしお、おいしさもひとしお、ちょっとやばいです。

冒頭のバナーの写真は入院して最初に出た朝食だったか。笹かまときゅうりもみのみ。この貧相さに打ちのめされ、最初は「やはり病院食は」なんて言って、友人らにも愚痴メールを送ったのですが、多分、これは私が食べられる人か食べられない人かまだ判断できなかったからだと思われ、そういう病院側の配慮にも気づかず、病院食はダメという先入観に囚われていた自分に喝ですね。とはいえ、アツアツで美味しいご飯かと言われると、そんなめちゃ美味しいわけじゃないのも確かなわけで、私のアレンジの日々は続くと思われます。

この病院食アレンジ飯、まだもう少し他にも挑戦してるので、またアップしますね。というわけで、今夜はこの辺で。早く寝ないとやばいです〜

サポートよろしくお願いします!

いいなと思ったら応援しよう!