『犬の期待』動物実験 〈ドラえもん効果〉
コッカー・スパニエルのトラくんとサクラちゃん。
トラくんは11歳、オス(男の子)。サクラちゃんは9歳、メス(女の子)。
家の中では自由奔放。ケージに入れられることはない。お散歩は、朝と夕、それぞれ1時間程度。
車が通る車道を歩くときはリードをつけますが、畦道に入るとリードを放します。ただ他の犬とか人とかが来れば繋ぎます。
相当ストレス・フリーの犬たちです。
無駄吠えは一切しません。
宅配の人が来ても、吠えずにそっと玄関まで出てきます。宅配の人は、しばらくしてから驚いているケースも。
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ある日のこと。
夕方のお散歩から帰って、食事の用意で台所に立ちます。時々、カウンターでアペリティフ(食前酒)・・・とやっていますと、いつも通り二匹がやってきます。
夕方のおやつです。ささみ巻きガムか? ビスケットか? チーズ入りドギーマンか?
そんな待っている二匹の前で、お散歩の途中で拾った10円玉をポケットから取り出そうとしたところ・・・
二匹は、お座り!・・・・え? なんで?
多分、ビスケットか何かが出てくると思ったのでしょう。でも、おやつ無し!
ワン! ワン!
何を怒っているのか、おやつが出てくると思ったけど、裏切られた、という所でしょう。
そこで次の日、実験です。
私のズボンの左のポケットにビスケットを二匹分。
二匹がやってくると、おもむろに右手をポケットに入れます。
ポケットに視線が集まり、また、何も言わなくても座ります。
で、右手を出して、手のひらをパーで示すと、
ワン! ワン!
怒っているのです!!!
すぐに、左手を左のポケットに入れると、またお座り!
今度は、両手(犬の前足)で床をカチカチと叩きながら、ポケットを見つめます。
左手が出てくると、ビスケットが!
普段、何気に食べているビスケットを、飛びついて咥え、持ち去ったのです。
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心理学によると、ポケットには何か隠れている。手を入れることで何かを取り出そうとしている、出てくる、自分に都合よく期待してしまうのが、「ドラえもん効果」。
空の右手を見せて一度裏切り、左から期待のものを出すことで、出てくるものの価値が高めるのです。
アジテーションの一つですが、ドラえもんという番組が長続きするのも、ドラえもんが毎回ポケットから出すものに期待してしまうのでしょう。
学校の子供達に試してみると、こちらの話に注目してきます。人間にも役立つ効果ですね。