理不尽に耐えることが大人なのか
こんな理不尽なことがあるのだろうか。
会社とは、社会人とは、大人とは…
理不尽に耐え、我慢することをこれほどまでに求められるものなのだろうか。
1年前の社内会議で経営陣を交えて今期の経営方針や課としての目標値を設定した。
私たちの課は今期は地固めとして、これまで放置されていた書類関係の整備や仕組み作りなど、売り上げに直接は影響しないが間接的には貢献する、社内が円滑に回るような保守の部分の構築を目標値として定めた。
会議の時に社長、副社長その他関係各位の承認を得、合意の上で今期は保守を目標にスタートした。
目標値も明確で〇〇の整備、〇〇の仕組み化といった成果(達成度)を表せる要素は十分だった。
上期の報告の際はそれらの達成度や進度を資料をもとに説明し、成果報告に対しての感触は良好で副社長もとても良い活動をしていると褒めてくれていた。
私たちは誇らしかった。
しかし下期に入り会社の方向性が少しずつ変わっていった。
営業部の今期目標未達が濃厚で、その穴埋めとして今後の増収のための新たな取り組み案を経営陣と営業とで立て始めたのだ。
売り上げ未達の影響で私たちの課にも厳しい目が向くことになる。
目標値には届いていたが売り上げに貢献せよ、とそのための動きを求められた。
急な方向転換はよくある事だがあまりにも急だった。
私もその影響を受けた。
保守関係の仕事中だったが泣く泣く別の仕事に移ることになった。
これまでたくさんの人の力を借りて保守関係の仕事をしていて、ようやく整備できそうだった分野からいきなり離れることになり、その人達に何の成果も残してあげることが出来なかったのが申し訳なくて仕方なかった。
会社の方針が変わったとはいえ職務を全う出来なかったことがとても残念だった。
そこから私はこれまで誰もやったことのない分野の仕事への挑戦が始まった。
やり始めて数ヶ月経ち徐々に成果を出しつつあるが相変わらず会社の経営方針の影響は受け、方向性が二転三転することも茶飯事となっていた。
そんな中事件は起きた。
私たちの課の課長が降格扱いとなったのだ。
なぜ?
目標値とした部分については上期から届いていたし、会社としての方針が変わってからは当初の目標値にプラスしてそちらも意向に沿ってやってきたはずでそんな評価を受けること自体があり得なかった。
理由は全く別のところにあった。
コミュニケーション不足。
経営陣はそう判断したというのだ。
そんな話があるのか。
確かに少しだけ報連相に不足はあったかもしれないがそれが降格の理由となるのか。
課長がショックだったことは言うまでもなく私もショックだった。
仕事ができる人で課内でも尊敬され慕われていたからだ。
課としての成果も未達だったとのことだった。
これにもかなり憤りを感じた。
目標値は達成しているし、方針転換にも沿った対応をしてきた。
みなそれぞれ影響を受けたが仕方がないと割り切ってやってきた。
それらをまとめて成果報告もしていたはずだ。
課長をただ自分たちの意にもっと沿わせたかっただけではないか。
それから追い討ちをかけるように意に沿わなかった部分について降格免除のためにも謝罪をもとめられたようだが、そもそもどうして謝罪をしなければならないのか。
当初の目標値には達しているし、会社として売り上げ未達であったのに。
本当に今の社会では上は謝罪を求めたがるし、謝罪されることが大好きだ。
直接関係しなくともそれを誰かのせいにしてお前のせいだから謝れという。
本当に理不尽だ。
会社とは、社会人とは、大人とは…
理不尽に耐え、我慢することをこれほどまでに求められるものなのだろうか。
私自身が理不尽に対して何もできないのが本当に歯がゆい。
反省会で責めることではなく、今後の前向きな目標に変換して前進していけるようなそういった取り組みをしてもらいたいと切に願う。