
問いとともに走る
📍 午前 10:00|存在の意味を考える
目覚ましが鳴る。
起き上がる理由は、金を稼ぐため。それだけなのか?
配達アプリを開く。
注文リストが表示される。「どこに向かうか」は決まっているのに、
「なぜ向かうのか」は、まだ決まっていない。
ペダルを踏みながら、自分の影を見つめる。
影はいつもそこにある。私が動く限り、そこにいる。
影と私の違いは何だ?
📍 午前 11:30|行動と選択
神楽坂の坂を下る。
コーヒーショップの前で信号を待つ。
スマホの通知が鳴る。配達1件、430円。
私はこの仕事を選んだのか、それとも流されているだけなのか?
「自由意思」って、何だろう。
この道を選んだのは私だけど、
配達先を決めるのはアプリだ。
なら、私は本当に選んでいるのか?
📍 午後 14:00|都市と人間の関係
配達を続けながら、街を見つめる。
人々が同じ歩幅で横断歩道を渡る。
私は彼らとは違う。
信号の色が変わると、人の流れが切り替わる。
都市は、誰かの意志でできているのか?
それとも、流れの積み重ねで出来ているのか?
私は「運ぶ人」でしかないのか?
📍 夕方 17:00|労働の意味
夕暮れの空を見上げる。
配達は、時間を売る仕事だ。
でも、それは全ての仕事に言えることではないか?
スマホの通知が鳴る。
「この仕事は、私の一部になり得るのか?」
📍 夜 21:00|答えは出ないまま
配達を終え、コンビニの前で立ち止まる。
ホットスナックのケースの中、
オレンジのライトに照らされた唐揚げが揺れている。
買うか、帰るか。
私は、いくつの選択をしているのか?
そもそも、「選んでいる」とは何なのか?
「明日も走る。」
鍵を回し、扉を閉める。
💭 ちょっとの応援が、すごく嬉しいです。
💚 gifteeで応援する 💚
https://giftee.com/u/chiikawa03