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40.ゆのはな

まっさらな心
何色の絵の具をおとして、ひとつの作品になるだろう。

無色透明の透き通ったハートになんでもかんでも吸収したら
最後は漆黒になるだろう

ひとつの人生をこの手で描くのだから
使う色は自分で吟味して選ばなくては個性が失われる。

大人になるにつれて難しくなるような気がする、人間関係。
よく1人で、人との関わり方について悩む
分からなきゃいけないことなんて本当は無いのに。

ものすごくシンプルに、「すき」か「きらい」か
それだけでいいのに、なかなかそう簡単にはいかない。
苦手な人間がいたとしても、
生きていく上で関わらなければならない場面もある。

厄介なのは、事故のようなもので
勝手に欲しくもない色をこぼしてくる人が現れたりすること。

上に色を重ねたって、
一度染み付いてしまえばそれはもう不溶せずに沈殿するのだ。
だがこれが事実、生きていくということ。

いい色を持っている誰かと手をつなぎ、
素晴らしい時間を共有した時、自分のパレットに新たな色が生まれる。
それはきっと美しくみえるだろう。

不思議なのは、美しいと思うものだけで形成された絵に
魅力があるか考えると、静かな違和感があるということ。
おそらくパーフェクトなものには憧れを抱くかもしれないが、
それしか知らないものには濁りや深みが感じられないのではないだろうか。

誰もが成長していく過程で出会った人や出来事に、
グロみのある色が内情でパレットに混ざったことがあると思う。
筆にとってキャンバスに広げるかは自分次第。
過ぎてきた過去に起きた出来事や出会いは、
忘れたいような結果であっても、いつか必ず
深みを与えてくれる。

そうして人生の酸いも甘いも知って
歳を重ねるごとに、深みや奥行きのある色を重ねていく
明日はどんな色を手にするだろう。

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