2.ラップランド 2022 / Day2: The Three Lakes (38.3km)
2日目の朝。
お湯の番をしているナミビアで出会ったドイツ人ボランティアスタッフ、ヤンカが「お湯って日本語でなんていうの?」と藪から棒に聞いてくる。
昨晩、22時過ぎに日本人選手Mさんが晩御飯を食べるからお湯がほしいと言ってきたらしく、お湯は22時までしか提供していないと伝えることに難儀したらしい。ということで、シンプルに「お湯はありません。」「お湯、ない。」でいいんじゃない?ってことに。
「オユ、オユ、オユ」と口に出して反芻するヤンカが可愛らしい。
レース前のブリーフィングでは前日のレース結果とともに、現時点での男女総合1位の人には黄色いリーダーズゼッケンが手渡される。
そのゼッケンは日本人選手の手に渡った。何だか、感慨深いなあ。
8時レーススタート。
前を陣取った選手たちは一気に林道を駆け抜ける。
なるべくペースを崩さずに、密かに(?)ペーサーとしている日本在住のウェールズ人選手、クリスおじさまの後をついていく。キロ10分くらいのペースを淡々と刻んでいるのでちょうど良いのだ。ジョージアの時と同様になるべく彼についていく、できれば追い越したい。
クリスおじさんは世界中のステージレースに出まくっているだけあり、500mlのペットボトル片手に、ちょっとそこまで(早歩きで)散歩してくるみたいな余裕な感じがすごく良い。
スタートして6kmくらいでブツブツ撮影する。
CP1を抜けてすぐに川渡りだ。
ずっと変わり映えしない林道でちょっと飽きてきたところで、このようなコースを挟み込んでくる。
急に目の前を歩いていた人が(何もないのに)転倒したので、えええーっ!とめちゃくちゃ動揺したが、転倒した本人は何事もなかったかのように立ち上がり、淡々と歩み始める。
と、再び、林道に戻ってくる。
残り7kmってところでブツブツ撮影開始する。
ここからはゴールに向けての楽しい下り基調の林道となる。
面白い看板だな。
Demanding Slopeってどういうことよ?試される坂なのか?
うわー、スーパーマリオに出てきそうなキノコあったよ。
こういう思わず手に取ってしまいそうなカラフルなキノコが毒キノコだったりするんだよねえ。(後から友人よりベニキノコダケという毒キノコで、ヨーロッパでは幸福を呼ぶキノコと呼ばれていると教えてもらう。)
本日のゴールは湖畔にある古い釣り小屋、かつては漁村だった場所らしい。
テントが張ってあるキャンプ地までは、湖畔をあと4-500mほど歩いていく。
キャンプ地に着くと、とっくにゴールしていた若様がニコニコ笑顔で迎えてくれた。そこに、朝に話題となった日本人選手Mさんの姿があり、ちょいと脳がバグる。あれ?私、コース上でMさん全然見かけてなかったし?
Mさんは足を痛めて、無念のリタイアとのこと。
4デサーツレースの常連でご高齢のMさんは、実は2013年にサハラマラソンでご一緒している。それから世界各地のステージレースに出まくっていらっしゃる。せっかく、ヤンカがお湯って日本語覚えたのに、残念だ。
その前の日は4Deserts Grand Slam+獲得を一緒に目指しているアメリカ人選手、ジョンも足の痛みでリタイアした。レース前に足の不調で完走できるかわからない、ギリギリまで出場するか悩んだと言っていた彼、いつもなら彼に追いつくことはないのにこの日コース上で追いついた。その時に少し話したのだが、もうやることはやったので悔いはないとリタイアを決断していた。
そうこうしているうちに、他の日本人選手が続々と戻ってきた。
ステージレースで1番好きなのはゴールした後に、みんなでワイワイと他愛のない話をして過ごすこの時間だ。楽しい。
夜8時頃になっても、まだまだ明るいラップランド。
大会主催者が地元のシャーマンを呼んでお話を聞く機会を設けてくれた。
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●第2ステージ
[開催]2022年8月15日(月)
[距離]38.3km
[スタート] 現地時間 8:00