3. ゴビマーチ 2023/ Day3: From the Mountains to the Dunes (39.8km)
3日目。
もう朝から軽く鬱よ。だって、もうわかってるんだもん、スタートした途端、いきなり登りだって、しかも急登。そうキャンプ地の背後にそびえ立つ岩山がコースに入っているのだ。
今日は砂丘もコースに組み込まれている。
4年前に別の団体主催のレースに出た時に砂丘を走ったが、特に大した砂丘ではなかったと記憶している。なので、大丈夫っしょ、と軽く見ていたが、まさかその後、そんな自分をぶん殴りたくなる気持ちになるとは思いもよらず…。
8時スタート。
初っ端から無駄に心拍数を上げて、疲れたくないので、後方からスタートすることにした。案の定、渋滞となる。急登なんだけど、ちょっと登っては止まり、ちょっと登っては止まりの繰り返しだ。
キャンプ地がだんだん小さくなっていくー。
渋滞が解消され始めた頂上付近から少しずつペースを上げて、次々に前方の選手を捉え、追い抜いていく。
下り切ったところで風光明媚な光景が広がる。
お寺かな?
こういうのとか、とにかく迫力満点の景色に圧倒される。
平坦ではあるが、足場はだんだん砂っぽくなっていく。
CP1についた時に砂丘は見えていたのだが、この段階ではまだ行かない。で、思った通り、砂丘はそんなに大きくないし、あちこちに草ぼうぼう生えてるってことは地面は水気を含んでいる。そんなにサラサラした砂ではないはずだ、と確信する。
CP2につくと、去年ナミブ砂漠と南極で一緒に走り、今回はボランティアで参加しているアメリカ人、D氏が、
「ここから4kmほど砂丘になるわよ。で、砂丘が終わったところに大会車両がいて水を補給できるから。」
とアドバイスをくれた。
「大丈夫(グッ!)」
ってサムアップして答えたけどさ、、、
まさかの地獄を見るとは、、、。
砂丘越え4kmって、サハラマラソンのメルズーガ大砂丘越えに比べたら大したことないって高を括っていたんですけどね。
コースノートに書いてあった「Follow the marking strictly.(マーキングに厳密に従うこと)」ってのが曲者だったんですよ。
このマーキングを辿っていくと、砂丘のアップダウンが激しく、砂もサラッサラ!しかも、ちょうどこの時は雲ひとつないピーカンで、めちゃくちゃ暑い。
サハラマラソンだったら、ざっと砂丘を見渡して、歩きやすいところ、最適なルート取りができるのだが、このレースではそれが封印されてしまった。
バッキバキに心が折れてしまって、前後を歩いている選手たちと励まし合いながら進む始末である。木陰を見つけて休憩し、手首に巻いていたバフを水で湿らせ、顔に当てる。ひんやりと気持ち良い。
このバフをちょうどそばにいた韓国人選手の顔にあててあげたら、
「ハァ〜💗」と生き返ったかのような声をあげ、
「You are my angel👼」という言葉を頂く。
ああ、それな、あちこちで(特に砂漠で)言われますわw
この砂丘越えを完全に甘く見ていた….。
幻か?あれ?知っている人がコース上にいる?
「サンディさん?Pちゃん?」
と思わず声掛けして確認する。
砂丘コースのど真ん中で日本人ボランティアのサンディさんが本当にいた。そしてそのそばの木陰でご飯を食べているのは日本人選手のPちゃんだと思っていたら、現地のラクダ使いの男の子だった….(汗)
「Pちゃんはとっくの昔に通って行ったわよ。」
というサンディさんの返しで勘違いに気がつく。
サンディさんはその後、砂丘途中で倒れた人などの対応で忙しかったようだ。
あの砂丘を登り切ればもう終わるはず、と思いながら登り切る度に絶望という奈落の底に叩き落とされる気持ちを何度味わったことか…。
4kmの砂丘越えがこんなに長く感じるとは、舐めてました、すみません!
大会車両を確認すると、駆け寄り、シューズの中に入った砂を取り除き、水を補給し、下り基調だったのも幸いして、早歩きのスピードを上げた。
その後のこと、CP3を過ぎてからのことをあまり覚えていない。それほどに、この日の砂丘越えは衝撃的だったんだろう。この日にリタイアした人も多かったし。
ただ、ゴールまであと数キロってところで小雨がぱらつき始め、これが何で砂丘越えしている間になかったんだよ!と心の中で悪態つきながら歩いていたことと、ゴールの手前は再び砂丘ですか?っていうのは覚えている。
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●第3ステージ
[開催]2023年6月20日(火)
[距離]39.8km
[スタート] 現地時間 8:00