初心者でも絶対できる!電気工事見積方法(店舗テナント編)
私はこのnoteを電気工事見積方法(店舗テナント工事編)が初心者の方でも理解できるような教科書となるようにまとめようと思います。今回用意した資料を見ながら、実際に手を動かしてみると見積を作成できるようになると思います。実際の見積もりとなると経験などが必要になりますが、基本的なことはこのnoteで網羅していくつもりです。
まず今回なぜ見積方法を公開しようと思った理由はこちらです。
自分自身が見積もりの仕方がわからず、相談できる人や初心者が網羅的に見積もりについて理解できる資料がなくてすご~く困った
職人あがりで工事見積方法があいまいで困っていると相談されることがある
建設業界でIT・SaaS系サービスを提供している方などが見積もりってどうしているのかを知りたいというニーズがある
多くの方に電気設備工事の見積もりはすごく時間や手間という工数がかかっていることを理解してもらいたい
ほんとに困った経験があります。
大きいサブコンさんなどは教育システムなどが充実しているかもしれませんが、多くの会社さんは教育に時間をなかなかさけない部分もあります。
電気工事といっても幅が広すぎて奥が深いのでだれもまとめようとしないのが実情かもしれません。
そして、見積もりを1件つくるのにも多くの工数がかかっているという真実をすこしでも多くの方に伝わってほしいという切なる願いがあります。(これは同業の方はめちゃくちゃ共感してくれるはずです。)
このnoteをぜひ読んでほしい方はこちらです。
これまで工事見積を作る機会が少なかった職人さん
これから電気工事をはじめる(はじめたい)方
電材販売に関わっている人
建設業(特に電気)サービスに関わっている人
内装請負をしている方
電気工事をする人はわかるけど、なんで内装請負している人なの?って思うかもしれません。内装工事は電気との取合なども非常にありますし、最近は内装請負をしている会社さんで照明器具を手配するケースも多いです。設計さんがだした照明器具リストで現場は施工対応できるのか?など少しでも理解が深いほうがいいと思っています。
このnoteは
・見積もりについての概要
・実際に見積もりをしてみる
という大きく2つのパートにわかれています。
なんとなく見積もりについてわかっているので、早く実際に見積もりがしたいという方は目次の見積作成スタートからはじめてください。
***2024年9月***
この記事の内容を最新式に修正し電子書籍と書籍版を出版させていただきました!
その兼ね合いでこの記事を電子書籍と同じ金額の有料記事(250円)に変更させていただきました。(見積もりについての概要説明は無料で見れます!)
また、
Kindleunlimitedの方は無料で読めますので、ぜひそちらでお読みください!
1)見積もりについて概要説明
見積もりについて概要説明
今回は電気設備でも店舗(テナント)工事を中心にお伝えします。
店舗(テナント)工事の場合、以下の画像の⑥~⑩が主な工事区分です。
イメージとしては
店舗内の分電盤設置
照明・コンセント設備工事
弱電設備工事
が主な種目になります。
見積もりの意味
工事をするにあたり、どんな工事であるか?なるべく詳細にエンドユーザー(テナントオーナー様)がわかるように作るべきです。見積もりの金額がなぜこの金額になるのかお客様に伝える必要があります。
例えば、車を買う際に、
〇車両1台300万
〇ハンドルはいくらで、シートはいくらで、エンジンはいくらでと詳細があって本体合計価格は300万
と言われたときには、後者のほうが「納得感」や「不透明感のなさ」を感じませんか?
また、現場の状況で工事内容は大きく変わってしまいます。
見積もりを提出することで
「今、私はこういう内容で工事方法を考えています」
という意志表示にもなりますし、追加変更時にお客様との会話がしやすくなります。
工事範囲について
店舗(テナント)工事をする際によく出てくる話で、A工事、B工事、C工事という言葉がでてきます。
工事区分による違いは、以下のとおりです。
〇A工事
自分のビルが管理しなければならない部分の工事。ビル側の工事となり、費用もビル側が負担
〇B工事
ビル全体の設備に関わる工事。工事はビル側の指定業者が行い、費用はテナント側が負担
〇C工事
テナント内の工事。工事業者、費用ともにテナント側が負担
見積もりの構成
工事見積もりを細分化すると
共通費・・・工事以外の経費(一般管理費・現場管理費、共通仮設費工事など)
直接工事費・・・工事に関わる部分
に分けられます。
まずは、共通費から説明していきます。
〇一般管理費
会社運営に必要な費用のことです。
たとえば
社用車
工具
事務所の家賃
コピー機
などがあります。
工事見積もりするなかで考慮しにくい(表現がむずかしい)のはわかりますが、作成する際は忘れないようにしましょう。
〇現場管理費
現場管理に関わる費用のことです。
現場代理人の給料
現場管理ソフト
など、現場を管理するための経費です。
〇共通仮設費
店舗テナント工事では
工事中の明かりの確保
コンセントの用意
が必要になる場合が多いです。
ここに記載してないですが、「法定福利費」は忘れないようにしましょう。
直接工事費構成
ここからが、工事(施工)に関わる部分です。
施工に関わる直接工事費は、お客様にわかりやすいように
材料費
電工労務費
その他かかる諸経費
と、項目を分けて見積もりを作成することが多いです。
電気工事に関する材料はたくさんあるので、それぞれの材料についての説明は今回割愛します。
店舗(テナント)工事でよく登場する材料・器具は以下のとおりです。
分電盤
ケーブル
照明器具
配線器具
弱電機器(スピーカー、LAN、監視カメラ)
使用する器具によっては、大きく金額が異なってしまうため注意が必要です。
労務費
次は、労務費について説明します。
基本的に電工労務費は、「工事歩掛×労務単価」で表現することが多いです。
工事歩掛とは、作業ごとにかかる作業量を数値化したものです。
1人工で、作業員1人が1日(8時間)にできる作業量を表します。
全日出版社さんが出している「電気設備工事積算実務マニュアル」に参考歩掛が細かくのっています。
工事歩掛の考え方
下記が電気設備積算実務マニュアルの1ページです(写真は2019年度のもの)
VVF1.6×2Cが天井内ころがし配線であれば0.01が歩掛となります。
100m配線するとしたら、
100m×0.01=1(労務工数)
1に対してそれぞれ電気工事会社で労務単価はある程度設定しているので、その労務単価をかけて電工労務費を算出していきます。
そのほか、材料を運搬する経費、塗装したりした場合は塗装費、ビスなど細かい材料を使うことが多いので雑材消耗品を計上することを忘れないようにしましょう。
材料は本当にたくさんありますので、
一例を写真にのせておきます。
見積書作成
工事の詳細がでたら、いよいよ工事見積書の作成です。
これまで説明してきたように、材料費、労務費、共通工事費(諸経費)と項目を分けています。
労務費は種目ごとに合計を算出し、労務単価を掛けましょう。
※下記種目は電灯・コンセント設備工事
見積もり手順
見積もり手順は以下のようになります。
〇図面確認
ここがめちゃくちゃ重要で、自分は1番時間を掛けていると思います。
後程ご紹介する見積チェックリストにある内容を参考にしてもらえればと思いますが、
どんな条件だろうか?
どんな施工になりそうか?
図面など資料でもれている情報はないか?
などすごく考えます。
〇仕入れ先見積もり依頼
仕入れ先の材料屋さんに聞かないとわからない材料費や、弱電工事など自社で施工をせず依頼する部分については見積もりを依頼します。
〇材料拾い
図面から材料など拾い出します
〇見積書作成
拾いだした材料などを種目別に記載していきます
〇最終確認
全体の工事金額の確認をします
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さて、
ここからが本題です!
資料をもとに見積もりを自分でつくっていきます。
2)見積作成スタート
まず、だいたいできるよという人(図面だけで拾いたい)という方は先に資料DLして見積もりチャレンジしてみてください。
今回は自分が実際に請負した案件(内装監理・電気施工管理・空調管理)を参考に、見積もりしやすいように図面を再度作成し直しました。
すべてが情報として記載してないので、不足している情報などあると思います。
想定しながら拾ってみてください。
あ、
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自分も通っていて、すごくオススメです♪
図面はこちらです
実際の店舗の写真になります。
見積もりスタート
「見積もりフロー」をもとに進めていきます。
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