見出し画像

葬儀師・第八話「京都戦役編(その二)」

葬儀師・第八話『京都戦役編(その二)』・脚本
                  岡本蓮


備考
 葬儀師の戦い方を決定する重要な話であるため細かに描写する。
 異類と交わった者「異類婚姻者」は榮術という魔法を扱え、また死穢にも耐性がある。過去に異類婚姻者を人工的に増やす政策が採られたが、異類の血を継承するには愛し合った夫婦のあいだに生まれた子でなければならず、最終的にその政策は失敗に終わった。
(追記)
 榮術の設定自体を白紙にするかも知れない。理由はこの物語がアクション寄りでなくサスペンス寄りであること、共鳴器官を使った斬り合いを演出したいから。


   (オープニング)
◯  京都市内・川澄班(夜)
   姿を現す辰砂。辰砂、川澄班に歩み寄る。臨戦態勢に入る川澄班。川澄班、共鳴器官を抜く。辰砂、川澄班の胸の刺繍を見る。
M(辰砂)「芍薬の刺繍はいち、にい、さん、しい、四人か……。おぉ……菊の刺繍……(不気味な笑み)特類葬儀師か」
   辰砂、刀を抜く。緊張する川澄班。川澄班、目配せし合う。
M(三瓶)「分かってるな」
M(荒木)「あの個体は辰砂」
M(馬場)「気を抜けばやられる」
M(橘)「使役妖怪は特類の文車妖妃」
M(川澄)「出すとしたらいつだ? 使役妖怪の召喚には限度がある」
   辰砂、ニヤリと笑うと、辰砂の背後に門が開く。目を剥く川澄班。
M(川澄)「これは……」
   辰砂の使役妖怪、文車妖妃が姿を現す。
M(馬場)「奴め! 初っ端から使役妖怪を!」
   文車妖妃、馬場に突進する。馬場、焦り、回避行動をとれない。
川澄「馬場ぁ!」
   文車妖妃、馬場の首筋に噛み付く。目を見開く川澄班。文車妖妃、ややあって口を離す。馬場の首の傷口から鮮血がほとばしる。
馬場「(叫び)」
   川澄、文車妖妃に斬りかかる。文車妖妃、川澄の攻撃を避け、辰砂のもとに帰る。その場に倒れる馬場。三瓶、馬場を介抱する。
三瓶「馬場! おい! しっかりしろ!」
馬場「(言葉にならない虫の声)」
川澄「三瓶!。戦いに集中しろ!」
三瓶「(悔しがる)」
   三瓶、忌々しげに辰砂を見る。辰砂、川澄班を睨む(辰砂からすれば川澄ら葬儀師は故郷を焼いた仇敵であるから、異邦人は人間に対して強い憎しみと怒りがある)。三瓶、立ち上がり共鳴器官を握りしめる。川澄、周囲を観察する。
M(川澄)「未熟とはいえ甲級葬儀師をいとも簡単に再起不能にするとは……。あの個体は辰砂。五帝に数えられる歴戦の猛者。その見た目は若いが内に秘めた暴力性は他の五帝と比肩にならないほど凶暴……」
   川澄、仲間の川澄班の皆を見る。
M(川澄)「三瓶は機動力に劣るが経験がある。荒木と橘は比較的若く体力がある。……くそっ……勝ち筋が見えない。こちらも切り札を切るべきか……」
   川澄のためらいを見た三瓶が、
三瓶「班長」
   川澄、目だけを三瓶にやる。
三瓶「まだ切り札は残しましょう。班長はこの後も任務がありますでしょう?」
川澄「……ああ。分かった」
M(川澄)「ありがとう。三瓶。おかげで迷いがなくなった。……よし!」
   川澄、決意の表情。
川澄「よく聞け!」
   一同、川澄を見る。
川澄「機動力のある橘と荒木が前衛、年寄りの私と三瓶は後衛で援護に回る。榮術は惜しみなく使え! 手を抜いて勝てる相手ではないぞ! 心してかかれ!」
一同『了解!』
   辰砂を睨む川澄班。辰砂、不気味に笑う。

◯  同・大根田班
   妖怪を殺す大根田班。異類婚姻者で構成された大根田班、死穢を恐れずに戦う。的場のもとに無線が入る。
無線「こちら司令部、現在の状況は」
的場「複数の妖怪、おそらく丁級程度と接敵し、各個を撃破した」
無線「了解した。川澄班が辰砂と交戦状態に入った。さらに新波班が銅(あかがね)と交戦し全滅した模様」
   的場、目を見開く。大根田、的場に目配せする。的場、大根田に耳打ち。
的場「新波班があかがねと交戦し、全滅したとのことです」
   大根田、眉を上げる。川端、芳輝、驚きを露わにする。
芳輝「あの新波班が」
川端「ベテランだけで構成された猛者たちですよ」
大根田「その通りだ。この戦いは総力戦になるかもしれん。そして、新波班の後衛はわれわれ大根田班だということもまた確かだ」
   大根田、闇にひそむあかがねを睨む。一同、臨戦態勢。
あかがね「(声は中尾隆聖を参考にした)さすが特類葬儀師。闇に乗じて奇襲を仕掛けようと思っていたが、見破られるとは」
   一同に緊張が走る。
大根田「怖がらずに出て来ることだ。こう暗くてはお互いやりにくかろうて」
あかがね「(笑い)」
   あかがね、徐々に姿を現す。
あかがね「肝が据わっているようだ。ただいいのかな? 使役妖怪を何体も飼うわたしと戦うには戦力がやや心細いようだが?」
   あかがね、完全に姿を現す。あかがねは小太りで出目。あかがね、血のついた刀を振り回す。
M(大根田)「やはり何体も使役妖怪を使っているという報告は確かか。問題は数よりその等級……。まさか特類を何体も使役しているわけではあるまい。最低でも乙級……それを複数体使役するとなるとやはり厄介な敵だ……」
   大根田、微笑む。大根田、あかがねに歩み寄る。
大根田「的場、川端、芳輝」
   三人、名を呼ばれ大根田をちらと見る。
大根田「下がっていろ。ここは私が」
的場「しかし!」
   大根田、手を挙げて的場を制する。
大根田「使役妖怪には、使役妖怪で戦う」
的場「まさか……、今ここであれを⁉︎」
   大根田、使役妖怪を召喚する。あかがね、感心したように笑う。
あかがね「おお! これは!」
   大根田の使役妖怪、酒呑童子、召喚される。大根田、あかがねを睨む。
大根田「お前を地獄に送ってやる!」

◯  同・多々良・籾木班
   深雪、妖怪を斬り捨てて血振るいする。
深雪「チッ。雑魚しかいない」
西「楠班? が全部やっちまってるんじゃねぇの?」
鈴木「迷惑な奴らだ」
籾木「お前ら! これは仕事だ! 口を慎め!」
鈴木「(苛立ち)はいはい」
   多々良班の四人、籾木班を見てため息。
猪俣「デザインされた子たちに手を焼いているようですね」
多々良「まったくだ。先が思いやられる」
   多々良のもとに無線が入る。
無線「こちら楠班。甲級以上の異邦人の痕跡を見つけた。早急に合流したい。どうぞ」
   多々良、眉を上げる。
多々良「了解した。ただちに合流する」
   多々良、皆を見る。
多々良「よくない知らせだ。早急に楠班に合流する」
猪俣「分かりました」
薬師「了解」
小林「了解」
   多々良、頷く。
多々良「籾木班!」
籾木「はい!」
多々良「お前たちはここに待機していろ! 我々は前衛の楠班に合流する!」
籾木「なにかあったのですか?」
多々良「ああ。緊急事態だ」
籾木「了解しました。待機します」
   多々良、籾木に頷きかける。
多々良「行くぞ」
猪俣「了解」
   多々良班、籾木班を離れ、楠班のもとへ向かう。取り残される籾木班。
深雪「私も前衛に合流して戦果を」
籾木「バカなこと言うな! 俺たちはここで待機だ!」
深雪「手をこまねいて待っていろと⁉︎」
籾木「ああ、その通り」
   深雪、呆れて、塀を背もたれに地面に座る。
西「籾木よぉ」
籾木「どうした?」
西「あんたはいいかもしれねぇけど、私らはいい生活を手に入れるために戦果を上げる必要があるんだよ。それをわかって……」
籾木「(言下に)ああ。理解しようと努めている」
   西、呆れて笑う。
M(西)「このぉカタブツぅ!」
鈴木、西の肩に腕を回す。
西「あっ?」
鈴木「上級国民に俺たち下級市民の気持ちは理解できねぇよ。さぁ、同じ弱者同士、手を取り合って」
   西、鈴木の腕をはがす。鈴木、不貞腐れる。
鈴木「なんだよ」
   西、深雪の隣に座る。
西「(ため息)面倒な奴ら」
   西、タバコを吸う。
深雪「彼氏に嫌われるよ。タバコ」
西「顔に入れ墨のある男がたかがヤニくらいで幻滅するかね」
   笑い合う二人。
深雪「私たちって、寂しいよね」
西「寂しい? どっちかっていうと不運だろ? 違うか?」
深雪「(西の言葉を咀嚼する)んー。確かに不運だけど、寂しいって言葉が一番合ってるような気がする。ほら……寂しいじゃん、今」
西「(咥えタバコしたまま笑う)寂しいねぇ……。寂しいか……。うん。寂しい」
深雪「だから私たちは人肌を求めるんじゃないかな」
   (フラッシュ)
   益子の満面の笑み。
   (フラッシュ終わり)
西「人肌ね」
   西、煙を吐き出す。

◯  同・川澄班
   橘、荒木、辰砂に斬りかかる。辰砂、橘の攻撃を避け、荒木の攻撃を刀で受ける。三瓶、荒木の背後から辰砂に斬りかかる。辰砂、三瓶の攻撃を避ける。辰砂、そのまま三瓶に斬りかかる。三瓶、共鳴器官で辰砂の攻撃を受ける。三瓶と辰砂、鍔迫り合い。川澄、辰砂の死角から斬りかかる。文車妖妃、川澄の斬撃を受け止める。文車妖妃、川澄班に攻撃する。川澄班、一時退却。
M(川澄)「くそっ。辰砂一体でも手に余るというのに、文車妖妃までいるとなると……やはり厄介だ。文車妖妃から送るべきか……」
   辰砂を睨む川澄班。川澄、倒れる馬場に目をやる。
M(川澄)「はやく止血しなければ馬場の命が危ない。くそっ! 召喚するしかないのか! 俺の使役妖怪を! ……」
   (フラッシュ)
   川澄の使役妖怪、大嶽丸の不敵な笑み。
   (フラッシュ終わり)
M(川澄)「ダメだ! あれは最後の切り札として取っておくべきだ! それに言うことを聞かない使役妖怪を召喚したところで、却って我々の身が危なくなるだけだ」
   川澄、辰砂を睨む。辰砂、不気味に微笑む。
辰砂「文車妖妃」
辰砂、文車妖妃を川澄に目掛けて突進させる。
三瓶「班長!」
   三瓶、荒木、橘、文車妖妃を斬る。
文車妖妃「(叫び)」
   川澄、文車妖妃に斬りかかろうとする。辰砂、三瓶らの間を駆けて川澄に斬りかかる。橘、はっとする。
橘「(気づく)」
   しばし川澄と辰砂の斬り合い。川澄、辰砂に腕や足を斬られる。三瓶、荒木、辰砂の背後から斬りかかる。辰砂、攻撃を避け、一時撤退。息を整える川澄班。
三瓶「班長」
川澄「大丈夫。傷は浅い」
   川澄班、辰砂を見る。
三瓶「甲級葬儀師十人分の戦力か……。特類の名は伊達じゃないな」
橘「ええ。激しい動きをした後だというのに、涼しい顔を」
荒木「それに彼の使役妖怪が厄介です。おそらくまだ真価を見せていない」
   辰砂と文車妖妃の立ち姿。
文車妖妃「次はどの男の喉笛に噛みついてやろうかしら」
   目を見開く川澄班。
辰砂「こらこら。怖いことを言っちゃいけない。人間が怯えてしまうだろう」
文車妖妃「あの一番強い男を食べちゃいましょうかぁ?」
   文車妖妃、川澄を凝視する。
橘「ご指名ですよ。班長」
川澄「(苦笑)嬉しいねぇ。あんな美人とダンスを踊れるなんて」
   文車妖妃の不細工な顔。共鳴器官を構える川澄班。
辰砂「いいや。弱い奴から殺すべきだ。特にあの女とか」
   文車妖妃、橘を見る。文車妖妃、気色悪く笑い、橘に突進する。
三瓶「橘!」
   橘に突進する文車妖妃。突然文車妖妃、顎からアスファルトに倒れる。目を見張る川澄班。
M(三瓶)「なんだ⁉︎」
   塩野目左京、文車妖妃の脳天に刀を突き刺す。左京、刀を抜くと、文車妖妃の傷口から血が吹き出す。
文車妖妃「あああぁぁ‼︎」
   辰砂、冷たい眼差しで左京を見る。橘、左京の袴の家紋を見て驚く。
M(橘)「あれは塩野目家の家紋⁉︎  玉藻前の家系がここで何を?」
   左京、刀を担ぐ。
左京「女狐の家系がここで何をしてるかって? ……そんなの、人助けに決まっているだろう?」
   左京、辰砂を嘲るような眼差しで見る。辰砂、怒りを露わにする。左京の鋭利な眼差し。
左京「ここでお前は、死ぬんだよ!」

◯  同・大根田班
   大根田の使役妖怪、酒呑童子、あかがねの使役妖怪、浅茅が原と戦う。酒呑童子、金棒を振るい、浅茅が原、それを避ける。大根田、仁王立ち。
M(芳輝)「うわぁ……。まるで妖怪大戦争だ……。特類同士の戦いはここまで派手なのか……」
   酒呑童子の棍棒が浅茅が原の顔面を捉える。浅茅が原、あかがねの足元まで吹っ飛ばされる。川端、芳輝、喜ぶ。
M(川端・芳輝)「よしっ!」
   あかがね、再起不能の浅茅が原を見下ろす。
M(的場)「あのダメージなら五分は再起不能のはず……。問題はあかがねがあと何体使役妖怪を持っているか……」
あかがね「ふーん。まあ、このくらいかぁ」
   あかがね、刀を抜く。大根田班、共鳴器官を構える。
あかがね「私があと何体、使役妖怪と契約を交わしたか、見定めているのだろう?」
   あかがね、にやりと笑う。
あかがね「あと四体だ」
   目を見開く大根田班。あかがね、川端に斬りかかる。川端、共鳴器官を構える。あかがね、笑う。あかがね、タテクリカエシを召喚して川端を転ばせる。尻餅をつく川端。
M(的場)「今、なにか⁉︎」
   あかがね、川端に斬りかかるが、寸前のところで大根田に斬撃を受け止められる。大根田、共鳴器官を薙ぐ。あかがね、それを避け、しばし大根田とあかがねの斬り合い。
M(芳輝)「激しすぎて何が何だか分からない! ……」
   あかがね、一時退却。大根田、転ぶ川端に手を差し伸べる。川端、大根田の手を取って立ち上がる。
川端「すみません。気を抜いていました」
大根田「いいや。あれは使役妖怪のせいだ」
   川端、的場、芳輝、目を剥く。
芳輝「なにも見えませんでしたが……」
大根田「すぐにしまったのだろう」
的場「しかし、使役妖怪の召喚には限度が……」
大根田「うむ。その限界をかえりみずに召喚しているのか、そもそも制限を受け付けないのか……」
川端「さすが特類能力者といったところですね」
大根田「ああ。戦いはまだ始まったばかりだ」
   あかがね、両腕を広げる。
あかがね「さぁ! ゲームの始まりだ!」

◯  同・籾木班
   籾木、直立したまま、苛立たしげに貧乏ゆすりする。デザイナー・ベイビーの西、鈴木、深雪、塀にもたれて座り込む。鈴木、西、タバコを吸う。
鈴木「あーあ。面倒な事件に巻き込まれちまったな」
西「まったくだ。珍しく意見が合う」
   深雪、西にタバコをねだる。西、深雪の手を払う。
深雪「吸わせてよ。もう大人だから」
西「未成年だろ、お前」
深雪「いいじゃん」
西「放送できなくなる」
深雪「放送って何⁉︎」
西「放送は放送だ!」
   籾木、ついにタバコを吸い始める。タバコに火をつける籾木。
鈴木「おお。籾木くんも喫煙倶楽部に参加かい?」
   籾木、煙を吐き出す。
西「禁煙したんじゃなかったのか?」
籾木「あれは署内の禁煙運動に同調するためだ」
鈴木「健康に気を使わない自分、カッケェ」
   西、鈴木、爆笑。
籾木「空き樽は音が高い」
   籾木、咥えタバコ。深雪、籾木を見つめる。
   間。
西「それでそのサル、興奮してウンコ投げつけてきやがって」
鈴木「(軽薄な笑い)」
   物思いにふける深雪。しばし深雪の顔を映す。
   (フラッシュ)
益子「全部は知らないけど、全部を知りたいと思ってる」
   別のカット。
   第四話の深雪と益子のキスシーン。
   (フラッシュ終わり)
   深雪の物憂げな表情。
M(深雪)「益子のばか。終わったら謝ろ……」
   深雪、視界の端に何かを視認する。多々良の頭部を持つ瑪瑙、道路にたたずむ。深雪、唖然とする。
M(深雪)「えっ……」
   瑪瑙、籾木班に歩み寄る。深雪以外の一同、瑪瑙に気が付かない。
M(深雪)「なに? ……」
   瑪瑙と、多々良の首。
M(深雪)「どうして……」
   籾木、瑪瑙を二度見。籾木、目を見開く。籾木、共鳴器官を抜く。それを見た鈴木と西、瑪瑙に気がついて驚く。瑪瑙、腕を広げて籾木班を制する。
瑪瑙「ああ。そのままでいい」
   籾木班、呆然とする。
瑪瑙「そのままの方が、苦しみが少ない」
   震える籾木班。瑪瑙、籾木班に歩み寄る。瑪瑙、静かにのジェスチャー。
瑪瑙「しぃー」
   瑪瑙、刀を抜く。
瑪瑙「怖いのは、一瞬だから……」
   瑪瑙、刀を振り上げ、深雪に狙いを定める。深雪、瑪瑙を見上げる。
深雪「えっ……」
   瑪瑙の冷たい眼差し。全身が恐怖で弛緩する深雪。瑪瑙、刀を振り下ろす。
籾木「柊ぃ‼︎」
   (フラッシュ)
   深雪の走馬灯。
   (フラッシュ終わり)
   瑪瑙、由香の使役妖怪の大猫に十メートルほど飛ばされる。アスファルトに激突する瑪瑙。籾木班、一斉に由香と大猫を見る。
籾木「誰だ⁉︎」
   由香、籾木班に歩み寄る。
由香「あぁ、よかった。間に合いました」
   警戒する籾木班。
由香「私のことですか? ……私は……その、訳あって私的に葬儀師の活動をしている者なのですがぁ……」
   大猫、野太い声で鳴く。
由香「まあ、協力しましょう。その方が勝率が上がりますから……。それともぉ、私抜きであれと、戦います?」
   由香、立ち上がろうとする瑪瑙を見る。籾木班、瑪瑙を振り返る。由香、屈託のない笑顔。
   (エンディング)

いいなと思ったら応援しよう!