仁和寺にある法師、習わぬ経を読む
仁和寺にある法師、ありをりはべりいまそかり。
こんな文書く私め、天下に名だたるヘソマガリ。
そんなワタクシめでも、人生に一つ、何か名言を残してやろう、と心に念じ、何かひねり出してやろうと思えば思うほどに、厭味ったらしい作為が見え隠れする今日この頃、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
黒タマネギ頭ですw
今日は、そんなワタクシの馬鹿な人生経験の中で、唯一これだけは間違いないなと思ったお話を、落語のような話し方で一つ。
えっ。
最強バンドを作る秘訣ですか?
そりゃ、簡単ですよ。
一度なりとも、人をまとめるバンマスをやって、自らがバンド率いて、責任を全て負う形で何かやった(成否問わず)事がある人だけで、バンドを固めるのが、一番うまく行くに決まってるじゃないですか。
まあ、これで一番難しいのは、ドラマーでバンマス経験持った事のある人は、まずめったにいないって事だったりしますけどね。
とはいえ、この鉄則、ほぼほぼ間違いないと思いますよ。
人をまとめ上げる苦労を一度した上で、バンドでの関わりを学んだ人の言葉は、的確なものなんですよ。言葉聞いてるだけで分かるんです。
人にこうしたほうがいいと指摘する時にも、言い方一つに、相手への気遣いとかあるんですわな。或いは、相手のプライドとか、何をその人が大切にしてるのかを見極めようとする心映えがあったり。
一言何かを叱る時も、文句言う時も、言い方一つ、苦労した人なりの心配りがあるんですよ。
まあ、当然。
人を頭ごなしに、顎で使ってただけのバンマスってのも、話聞いてりゃ分かりますけどね。或いは、こいつバンドで何かやるってのをまともに経験してねぇな、というのも。
まあ、そういう人は、絶対、バンドに入れると、大概はこじれます。
頭2つになるので。
そういう人は、そういう自分が中心となる形でバンド運営しないとできない人なんだから、そういうのに付き合える人だけが集まればいいだけです。
そういう時は、その人に、よほどの人徳だの才能がないと無理ですけど。
自分が、何でもかんでもワガママ放題言って、許してもらえるような人など、そうそういやしない。そこまで心の広いマゾみたいな人も、またいやしない。
『キングダム型』のバンドってそういうことです。
最初に私が言ってるのは『民主制議会政治』型のバンドの話です。
どっちにもメリットとデメリットがあります。
『キングダム型』のバンドは、良くも悪くも統率力の強いリーダーの美意識が徹底的に反映されるのです。 だから、コンセプトが統一されていて、スパルタのバンド練習とか、金出してでもいいから腕前の凄い奴を集めたのなら、良くも悪くも、早くに結果が見えるってだけの事。
その代わり。
ダメだったら、そりゃ、そのバンドのバンマスがセンスねぇとか、曲書く才能がねぇとか、プロデュース能力がねぇ、とか、ダサい、とかなだけであって、あれができなかったのはメンバーの責任とか、時代が俺のやってる事を理解できなかったとか、そういう他人のせいにしちゃいけませんね。
あと、そのワガママに付き合うメンバーやスタッフの労苦がしのばれます。・・・が、それほどまでにして、その人を押し上げたい、というのであれば、それはまた、バンマスの人徳なのであって、誰も文句を言う筋ではない。
私は、まっぴらごめんですけど。
それに対して『民主主義議会政治型』は、とにかく、まとまるのに時間かかる。一つ一つ丁寧に、全員のコンセンサスを取る必要があって。でも、まとまった時は、一致団結の結束力と、そのメンバーの良さも悪さも持ち味にしたような、いいバンドになる可能性を秘めている・・・のだが。
まとめるの失敗するとこうなります。
世界はお前たちを待ってない。ギャア!ギャア!ギャア!
『民主主義議会政治型』の問題は、『美意識とか方向性が取っ散らかって、何やりたいのか分かんないです』ってことに陥りやすいって事。
だから、バンド内のコンセンサスで、最初からキッチリ、何を目的にするんだって決めとかないと、方向がブレだすんですよ。
まあ、このコントは、ヘタクソに思わせといて、個々人は絶妙に上手いのと、分かる人が聞くと分かる小ネタをフリカケにして、よく、この演奏の上で、絶妙なコントにまとめ上げたな、というのと、この頃の”バンドあるある”を風刺した絶妙な作品になっているのが笑えるんだが。
で、喧嘩になる原因なんて分かり切ってるんですよ。
『美意識強すぎて、お前が全部思い通りにしたいバンドを作った方がいいじゃん』ってレベルのこだわり持ったプレイヤーが、バンドを引っ掻き回した段階で、バンドが崩壊するってだけ。
初心者プレイヤーの底抜けな勘違いに多い感じですね。
『ここにいないで、お前が自分でバンドやったらいいじゃん』ってレベルで、周りにあれこれ指図するような奴が入った段階で。
そのバンドは、喧嘩別れは目に見えてますね。
メン募で当たらなきゃいけないような段階だと、まず、無理な話かもしんないですね。
どんな人来るか分かんないし。
大体、自分より優秀な人間が、そうそう、自分の下になんか来るわけがない、って事は思っといた方が良くて。 入ったとしても、自分がその人の言う事を素直に聞けるわけがない。
そういう『自分より優秀な人』が、君を見込んだって言わせるほどの、何かその人をアッと言わせるほどのとりえでも無いと、その人は文句も言わずに、君の言う事を聞く事なんて無いのだ。
『・・・とりあえず一緒にやってみましょうか。』
なんて段階で、その先の決別は既定路線に入ってしまう。
よほど、そいつの書いた曲が『ゲッ!こんな曲書ける奴がいるのか!』レベルで衝撃で『やべ、これ、プレイヤー心をくすぐるじゃねぇの!』でもない限り。
そのメンバーで集まって何となく曲作ろうなんて言った段階で、お客からはその力量差がムラになって、やたらチグハグに見えるものなのだ。
で、これって最初の話に戻った時も有効で。
『下手すりゃ、自分で曲書いて、自分より達者なことできるバンマスだった人』を、『こいつは!』と思わせて自分の指揮下に入れられる人って、一枚上手の何かを持ってないといかんつーこと。
関羽だの諸葛亮が指揮下に加わるって、そういうことなんです。
だって、そいつらにタコ殴りにされる劉備なんかおらんべ。心服させるってのはそういう人徳か、天賦の才能あっての事であって。
逆に言うと、そういうのも分かり切った上で、お前のバンドの時はお前がリーダーだって、役割分担とシェアをはっきりさせて遊ぶ、ってこともできますけどね。
それ、初来日公演でやらかしてたのが、このバンドでした。お前らはゲッターロボか!
冗談抜きで、ライブの最中に、
チェンジ・ゲッター1、スイッチオン! とばかりに
ルー=ギタボ、エリック=ベース、ジェイソン=ドラム
ちょっと曲やると
チェンジ・ゲッター2、スイッチオン! とばかりに
エリック=ギタボ、ジェイソン=ベース、ルー=ドラム
何、楽器まで持ち変えるのお前らwwwwwwwww(腹筋死)
ステージの上で、メンバーが入れ代わり立ち代わり、ベースだのギターだの持ち変えてる光景は初めて見たwwwww
自分の楽器じゃなくて楽器までシェアかよ!w
また、ちょっと曲やると
チェンジ・ゲッター3、スイッチオン! とばかりに
ジェイソン=ギタボ、ルー=ベース、エリック=ドラム
あかん、こんな面白いバンド、日本で見た事ねぇわw
ゲッターロボだ!ゲッターロボだ!
生き神様を見た!こんな面白いバンドあるか!w
しかもw
ドラムやってた奴がギタボ取ってる時が、一番、豪快なロックで、しかも異様に歌が上手いって言う謎の現象で、再度、大爆笑w
お前ら、初来日公演、見逃がしたのは残念だったぞーw
生ゲッターロボ見れるとは思わなかったぞーw
全員均等にヘタウマだからやれる荒業を見たw
それができないってんでしたら、諦めて、自分の曲全部楽譜に書いて、セッションメンバーにきちんとギャラ渡して、よろしくお願いします、って、全部自分の思い通りに弾いてもらった方がいいんじゃないですか。
まあ、それで駄目だとしたら。
お前の曲か、お前のパートに、何か問題があるってだけの話w
或いは、最初から、全責任背負って、打ち込みでやれ!
しかし、Sebadohについては申し上げときますとw
ルーの曲はギターが繊細でメロウな小品が多い。ジェイソンの曲はドラマー目線の豪快なロックで、とそれぞれの個性が生きた曲を的確に演奏してる感じがしたのと。
だから、あんなアホみたいな曲数、アルバムに詰め込んでるんだなと、妙に納得w
こんなバンドの表現もあるんだなという意味で、日本のどのバンドもやって無いようなパフォーマンスを見てしまったというのが一生の宝であり。
何か、あれに、バンドというものの本質を教えてもらったような気がしている。
人に薦めると、何で、あんな演奏が○○なバンド みたいな、こいつ、こんな○○なバンド好きなんて、センス無いのかって顔されるんだけどさ。
いや、それ、音源聞いたって、そこまで面白さ伝わんないでしょ。
音聞いただけで全てわかるって、音源聞いたって分かんないでしょw
大体、自分も音源聞いた時は、そんなバンドだとも思わなくて、ただ、好きな曲があったから行ってみようと思っただけだったけど。生で見たら、ここまで凄まじいライブする人たちだとは思わなくて、すっかり虜になっちゃった。
でも、その魅力や、醍醐味は、音源の中には閉じ込められない、ってことを、君は音だけ聞いただけじゃ、悟れないだろ?
君は、その音を聞いて、かばかりと心得て帰りにけり。
名のある仁和寺にある法師だろうと、習わぬ経を読むことなど、そうそうできんのよ。先達はあらまほしきものかな。