8月13日(火) 藤田祐一郎さん 視線誘導によるキャラクターデザイン講座
8月13日(火)、藤田祐一郎さん 視線誘導によるキャラクターデザイン講座に参加してきました。
アニメーションやレイアウトの勉強で視線誘導についてより深く学びたいと思い、参加しました。理論と実践を相互的に学べ、とても分かりやすい講座でした。
講師:藤田 祐一郎さん
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導入①:セミナーには2種類ある。
・理論・・・考え方や思考を学ぶ、なるべく早い段階で受けると◎
・実践・・・テクニック、具体的な実践方法を学ぶ
導入②:作品を作るモチベーション
・作る:自己承認欲求
・見せる:他者承認欲求
理論:視線誘導の分類
視線誘導は4つに分類できる
・動的視線誘導
・形状的視線誘導
・色彩的視線誘導
・意味的視線誘導
理論:動的視線誘導
人間は狩猟本能によって、「動くモノ」に目がいく。
→バラバラに光る電飾看板、スイングポップ
動きの瞬間を切り取ったようなポーズにすることで、観客の視線を誘導する
動きのあるポーズ↓
理論:形状的視線誘導
①視線は線を追う
・透視図法
・光芒
・点を繋ぐ
★直線は目線をストップさせることも……⇒なるべく曲線で
②大から小へ
・大きさにコントラストを付ける
③ディテール
・ディテールを足す(コントラストをつける)
・ディテールを引く(ネガティブスペース)
④T字路を意識する
・意図しないところに線が集中しているような部分を作らない
・前後関係・・・視線は手前→奥へ
・モチーフとフレームのT字路も意識する
⑤構図
・フレームインフレーム(視線は手前→奥へ)
→ルプソワールには形、色のコントラストをつけない、ピントをぼかす、影に入れてシルエットをまとめる
・三分割法
・三角構図
・三角構図(モチーフのシルエットを三角に)
理論:色彩的視線誘導
コントラストで視線を動かす
・明度:Value is value.、遠近法
・色相:補色、ティール&オレンジ、遠近法
・彩度:遠近法
①明度
明度が一番大切
Value is value=明度は価値
人間は明度に敏感。
・桿体(明度を感じる):95%
・錐体(色相):5%
→JPEGの圧縮方法でこの人間の性質が利用されている
https://www.marguerite.jp/Nihongo/Labo/Image/JPEG.html
②色相
・補色
・必殺の配色:ティール(青)&オレンジ
→ハリウッド映画のポスターの配色でよく使われている
ティール&オレンジの色幅(Adobe Color CC便利)
・人間の肌色がベース
・肌の色(黄)→青っぽい
・肌の色(赤)→緑っぽい
・オレンジ:肌、爆発、夕焼け(影が青くなる)、焚火
・ティール:水、空、青空の映す影、雪
③空気遠近法(明度、色相、彩度)
・明度:黒や白に近くなるほど近く、灰色になるほど遠い
・色相:空の色が混じって、遠くにいくほど青みがかる
・彩度:遠くなるほど褪せ、近くなるほど鮮やかに
理論:意味的視線誘導
意味を脳が理解した上で人間の性分や趣味趣向によって観てしまう
・人間の性分:人間の顔や手、性的アピールポイント
・趣味趣向:猫好きが猫を観る、写真家が風景を観る(職業病)
性差
・男・・・顔、唇、胸
・女・・・顔、目、アクセサリー、髪型、ファッション
★ライティングは関係なし、暗くても顔に目がいく
理論:4つの視線誘導の関係
動的:パッと目がいく(先天的)
↓
形状:視線を動かす
↓
色彩:視線を動かす
↓
意味的:じっくり見て楽しむ(後点的)
目線の「おもてなし」をする
実践:動的視線誘導
動きのある画にする
・ポージング
・風を当てる
・モーションブラー
ポージング
・体全体で流れをつくる
⇒背骨を曲げる!
①左右:女性らしさ、くびれ
②後:堂々としたポーズ、骨盤前
③前:自信のなさ、ファイティングポーズ
+ひねり、立体的
・要素のシルエットをかぶらせない
①顔
②手足(四分の三)
③武器
実践:形状的視線誘導
曲線や流れを意識したデザイン
⇒曲線をずらす:力の伝導、機能的
大と小+ディテールでコントラスト
①シルエットで大中小
→ポイントカードや顔に小さなモチーフを置く
②パーツのなかに大中小
→大×大:ネガティブスペース
被写界深度→背景ぼかす
(スケール感がある作品では使わない)
実践:色彩的視線誘導
スプリットコンプリメンタリ
・補色は2~3割
・補色はキャラの見せたいところ付近に
明度だけを確認する方法
→無彩色に
→なお、注意が必要
色にはそれぞれ明るさがあるので、その分を調節する
・Photoshopの「白黒フィルター」:イエロー60→80、マゼンタ80→60
・PureRefのグレースケール:Ctrl+Alt+G
→いいなと思った作品をPureRefにぶち込んで作品分析
色相だけを確認する方法
→彩度をマックスに
空気遠近法は奥行きをつくる
実践:意味的視線誘導
趣味趣向:キャラの特徴となる部分
⇒リファレンス集めが大切、集めたリファレンス以上は出せない
人間の性分:顔、手、性的アピールポイント
⇒とにかく何回もつくるしかない!
手:ボーンを配置すべき場所に注意
・第三関節は「指の付け根」と「手の皺」の中間
・指の断面の上からのところに骨を通す
・指を曲げた時の角度:第一<第二関節
腕と武器は垂直にしない!
フェチ筋、フェチ骨、フェチ脂肪
⇒人体は些細な不自然さもクオリティに繋がる
⇒どんな細かい拘りもクオリティに繋がる
フェチ骨⇒女らしさ
・キャリーアングル⇒女性は男性(8度くらい)よりも大きく15度
・過伸展(逆関節)
※曲線的になるので形状的視線誘導にもつながる
理論:キャラクターメイキング
・モデリング:形状
・テクスチャ:色彩
・ポーズ:形状、動的
・ライティング:色彩
実践:メイキングⒶクリーチャー編
https://www.artstation.com/artwork/JGaxa
オリジナルは初めて観る人の目を惹きつける必要がある
⇒顔にコントラストをつける
⇒形状的視線誘導
ドラゴン:形状で性格を伝える
・目が前=残虐、狂暴(肉食系イメージ)
・目が後ろ=神聖、温厚(草食系イメージ)
・角や鱗で視線誘導
・ポーズ:背骨を曲げる
・キーライトは斜め45度
実践:メイキングⒷ女性ポートレート編
https://www.artstation.com/artwork/DXZzo
・顔にコントラストをつけない
・三角構図(顔、ピアス、ネックレス)
・ポージング:背骨曲げる、髪の毛の流れ
・ネックレスを目立たせすぎないようにレース調に
・逆光をキーライト
・玉ボケ
実践:メイキングⒸあえて顔に影編
https://www.artstation.com/artwork/lVanO5
・あえて顔に影⇒意味的視線誘導で顔に目が行く
⇒より見たくなる
・顔の付近に強いアクセントを入れる
実践:メイキングⒹ全身立ち絵編
・下半身にコントラストをつけない
・背骨は曲げる
実践:メイキングⒺホラー編
・あえて顔を分かりにくくさせ、コントラストを足元に置くことで不気味感を演出
実践:ブラシアップデモ
・明度のコントラストを確認
・空気遠近法で明度を調節
・露光量とガンマで彩度変わらないように明度だけ調節
・Photoshopのショートカット:Ctrlクリックで選択、Ctrl+Altクリックで選択反転(はずし)、Ctrl+Hで選択範囲の点線非表示、Ctrl+Hでマスク反転
・全てのレイヤーのコピーを統合、それにハイパスフィルター(4、5pixel/2000~3000pixel)をかけてリニアライト30~40%
⇒全体にはかけず、見せたいところだけ
★観てほしい順序を考える
実践:視線誘導理論を発展させるヒント
ガーディアンズオブギャラクシーの冒頭
「ショッカーシークエンス」→爆発や文字でコントラストをつけて視線誘導
映像ならではの誘導
・視覚:動的⇒被写体の動き、カメラの動き(カメラの動く方向へ視線誘導)
★カメラワークの体系化をしてみる
・聴覚:音感的視線誘導
実践:作品分析
・顔には否応なしに目がいく
・足元のコントラストを落とす
・グラブルイラスト:空気遠近法、アクセサリーで視線誘導、丸くできるところは丸く
オススメクリエイターさん
・GUWEIZさん
・wlopさん
しまとめ
事例をとにかくたくさん集める→分類する
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