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NHK エマージェンシーコール ~緊急通報指令室~


はじめて放送を見た。緊迫している。画面はやけに話者に寄っていて、しかもテキパキと聞き取りやすく皆が話すので、これはドラマか、ノンフィクションかよくわからず。画面から目が離せなかった。

ノンフィクションだった。こんなところ放送していいんだ。意外に思ったのが、重傷者をまえに状況を素早く通報できている人が多い。人はそこまで、いい意味でドライになれるんだと驚く。意識もあるかわからないのに、パニックにならず、冷静にオペレーターと受け答えできている。いや、そういう電話だけを放送しているだけかもしれない。現場はもっと混乱しているのかもしれない。

血を見れば人は冷静にはいられない、とおもう。特に男性は。痛みがありショックもあり、逼迫し、混乱し、喋れずに、ただただ助けを求める電話も少なくないのではないのだろうか。オペレーターはそこから病状と居場所とを聞き取らなければいけない。逡巡すれば人が死ぬかもしれない。胃が痛くなりそうな仕事。

救急車が足りません。それは本当に必要な通報ですか?と切実なポスターを普段よくいくスーパーには張ってある。放送では、意識があり元気そうな小学生に救急車を向けてくれという通報や、フィリピンパブで知り合った人と結婚しますという謎の報告をする酔っぱらった通報もあった。怒鳴りたいときもあると思う。冷静に受け流していた。日常的にそういった電話が多いのだろう。

119番のオペレーターさんは思っているよりずっと少なかった。シフト制とはいえ百万都市で十人もいないように見える。今回、NHKが放送できたのは、現場がカメラを入れるのを許したのは、疲弊した現場からのマスコミ(NHK)を通してのSOSだったのかもしれない。

もっと人員を増やしてくれ。もっと救急車を配備してくれ。平時はさばき切れているが、地震や台風があればすぐに機能不全になるぞ。有事を考えて119番のシステムは設計されているのか?日本の行政はたぶん、そこまで優秀じゃない。



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