Yahoo!でググったら100円を35万円にされる詐欺だったというおはなし
先日YouTubeの一部界隈で事件が起きていた。
ことの経緯はこうだ。
一人暮らしの女の子の家の排水溝が詰まった。
焦った彼女はGoogle検索最上位の修理屋に電話で依頼をし、複数人の修理屋が家に来て法外な値段を言われる。
彼女はすぐに推しのバンドのツアーで家を空けなければいけないからと保留にしようとしたが、日が経つとひどくなると脅され35万円を払ってしまった。
後日不審に思った彼女の友人が検索するとその会社は全く検索に引っかからないし、領収書を調べたらきな臭いレンタルオフィスの会社であった。
そして詰まっていたのは小さなカラコンと髪の毛のみだった。
現在、訴訟ができないか検討中だという。
さらに調べるとこの会社、まるでジプシーのように、悪さをしては逃げてを繰り返しているという。
きょうびカラコンと髪の毛なら100均のスッポンで取れるところが35万円、それもよく聞くと親に相談しますと言ったら安くして35万円だったとのこと。
一人暮らしのみなさんは本当に気をつけて。
「検索上位はあてにしない」
これは絶対!
話は少しずれるがAmazonで品物を検索するときに、スポンサーの商品はとりあえず飛ばして他の物を見てから精査していくのにひどく時間がかかるのは気のせいではなかろう。
予算で選びたいときに希望価格の設定すら物によってあやふやになっている始末だ。
そう、これはここ20年も「本当に欲しい物」「(安くて)良い物」と、カネでおし上げられた謂わば「どうでもいいもの」との戦いだったのだ。
これに対してWindows98頃の昔はどうだったかというと、Yahoo!は見た目ばかり「よきもの」を集めて検索エンジンを作り上げていった。
ググるでおなじみのGoogleは当時一部ユーザーの間では重宝がられていたが、まだ少し遅れをとっていた。
いまは無きジオシティーズの私のホームページは、トップページが綺麗めなデザイン、かつマウスストーカー等の細部までこだわりを詰め込んだものであった。
忘れてしまったけれど、リンク先もトップページに戻るのも、いつも直してばっかりで、なんだかぐちゃぐちゃだったような気がする。
そんなぐちゃぐちゃでグダグダな私のホームページが、ある日Yahoo!から——ただ見た目が綺麗だからという理由で——検索エンジン載せたよ、と連絡が来たんだったと記憶している。
おそらくだがYahoo!が検索を牛耳った当時、日本人は視覚が敏感なのを逆手に取った戦術を使っていたのであろう。
外国人は基本的に文字で勉強してから実物を見て感動を得ることが多いが、日本人はまず画から捉えていくという国民性(?)があるのだとか。
つまり我々はインターネットがここまで普及するにあたって「数字とロジック」におどらされてばかりいたのだ。
中身がなくてもトップページが綺麗なら検索エンジンに採用したYahoo!が、Googleに取って代わられる転換期に、ユーザーから注目を受けるのは「視覚的な見た目」から「SEO至上のカネ儲け」に変わっただけなのである。
個人のホームページなんぞ利益にしようとすらしていなかったのに、いつの間にかそこからカネが発生するようになっていた。
かくいう私もそれで商業出版できたんだから、文句言うなよとも思うが…。
SEOの技術は、日本古来の美しい文章からは少々逸脱した小気味の悪い文章になることが、書いていてよくわかった時期があった。
無責任なことを言うが、予め決まった言葉をパズルのように組み立ていく文章など面白味もなにもない。
つまらない文章でカネを稼ぐのも何だかなあという気がして辞めたのだ。
まあ検索して最低限3つのソースくらいは情報精査した方が良いと言われてきた理由はきっとそういうことなんだろう。
ソースが必ずしもというわけでもなさそうだけれども、だいたい同じ情報が重なればそれが正しいということになりそうだ。
一方向から見つめるだけでなく、俯瞰して見るということの大事さをまたひとつ学んだ気がする。
冒頭に話を戻すと、スポンサーがカネを払って自社の商品なり提供する物事を上位に際立たせているだけで中身を伴わないことが往々にしてあるので、焦っているときこそ詐欺に遭わないように気をつけたいものだ。
玉石混淆の世の中、くだんの女の子がどうか大切なお金を取り戻せますように。