「抽出効率」でコーヒーを考える 現代浅煎り抽出概論vol.01
コーヒー業界ってよく分からない言葉で溢れていますよね。「抽出効率」とか「テロワール」とか「カーボニックマセレーション」とか。この三つのワードをしっかり知っている方がいたら、その方は一人前のコーヒーオタクです。この記事を読む必要がないくらいに。
*他サイトで似た記事を見た方がいるかもしれませんが、同著者の加筆を加えて、有料化したのがこの記事になります。
今回のテーマは「抽出効率」です。
このワードを理解すると、「プロのバリスタ達がどうやってレシピを決めているのか」「どうやって抽出の調整しているのか」を理解する一助になるでしょう。
軽い解説は無料で読んでいただき、もう少し踏み込んだ部分は有料で書かせて頂こうかと思います。
有料版はコーヒーセミナーに行っても中々教えてくれないようなマニアックな内容になっています。勉強したい人は買ってみてもいいかと。
「抽出効率」とは
抽出効率とは端的に言って「成分をお湯に取り出す効率」のことです。
そもそも抽出とは成分をお湯に引っ張ってくる手法のことです。
よって抽出効率を上げればお湯に溶ける成分量は上昇します。逆に抽出効率を下げればお湯に溶ける成分は減少します。言葉の意味は本当にこれだけです。
では、この考え方を実際の抽出に応用する場合を考えていきます。ここからは若干厄介。
コーヒーの成分
応用する前に、一つ覚えておかねばならないことがあります。
「コーヒーの成分」のお話です。コーヒーの成分はとても多様で、「世界一複雑な香気成分を持つ食材」なんて言われたりします。ですが、成分ごとに、お湯への溶け出しやすさが決まっている様です。
まず、これを覚えていただきます。
酸味>甘味>苦味>雑味
という感じです。これが「抽出効率」と相まって重要になってきます。
応用
浅煎りを想定しましょう。
浅煎りでは、苦味や雑味をネガティブとして捉えることが多くあります。その場合、抽出は甘さの成分でストップしたいわけですよね。
なのに苦味が出てしまうと「成分を抽出しすぎ」になってしまいます。これを過抽出と呼びます。逆に甘さが足りない場合もあるでしょう。その場合は「成分をさらに抽出する必要がある」状態にあります。これを未抽出と呼びます。
ここで「抽出効率」という言葉で言い換えてみましょう。
抽出効率が足りていない状態を「未抽出」。抽出効率が高すぎる状態を「過抽出」ですね。
ここまでついてこれているでしょうか。
ここまで理解できていれば、抽出が失敗したときにどのような方向性の対処をするべきか理解できてきましたね。
さて次は実際に一つのケースを見ながら復習しましょう。
ここで一つのケースを考えてみましょう。
ケース問題です。皆さんも考えてみてください。
問題A
『初心者のAさんは豆屋さんで「甘さと酸味のバランスが良い豆をください」と言ってスペシャルティの浅煎りの豆を買ってきました。その後Aさんはお店で抽出されたものを飲んで、その豆がバランスが良いことを確認しています。
しかし、実際に家でコーヒーをドリップしてみたところ、酸味ばかり際立ってしまいお店の様な味を再現することができませんでした。そんなわけでAさんは困ってしまいました。』
これは、割とよく聞くパターンです。豆が同じであるのでお店で飲んだ時と家で抽出した時で成分は同じであるはずです。豆の中では。しかしコーヒーという液体では同じになっていないわけです。
さて、無料版はここまでです。読んでいただいてありがとうございます。
有料版では、問題の解説や抽出効率の決定要素に始まり、ドリッパーの特徴にも踏み込みます。また、次の段階である収率やTDSの導入も入った大容量でお送りします。
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