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青の花、器の森、光春窯のレンガ造りの煙突は夢の世界の入り口への目印でした。

小玉ユキさんの漫画。

舞台は、長崎の波佐見町の中尾山という場所にある光春窯さんです。

主人公の職人青子さんの絵付けに舞い降りてくる浮かび上がる絵柄のイメージや、白磁の美しさが漫画から、出ているのです。

白の清らかな美しさ。

その美しさを龍生くんは、本当にこよなく表現したいと心から願っているんです。

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この中尾山は、全体が窯元の集合している場所で、急坂な場所にひしめき合う感じと。

タイムスリップしたかのような、昔のおばあちゃんちに来たような不思議な感覚になるのは、きっと家が昔からの状態で残っているからなのだと思います。

この風景の中に足がガクガクしながら、息切れしながら、休みながら散策する私は中尾山の人からすると笑われてもしょうがない程変な格好になっていたと思います。

陶器の世界の職人さんを描いたこの漫画の町は至る所に、美しい陶器が素晴らしいノスタルジックな世界へと誘う。不思議な世界観のする町。

光春窯さんの煙突2本が、陶芸の歴史や目印になり山全体が職人さんのしのぎを削りながら協力しながら生きてきたであろう世界が垣間見える感じがしました。

昔から、多くの陶芸家がライバルでありながら中尾山で作製された、陶器を一気に焼き上げる釜の跡は稲穂が揺れる棚田を思わせるようなレンガの跡でした。

世界でも上位規模の大きな釜があったようです。

それを聞いた時に、職人さんでありながら調和と協力しながら切磋琢磨されていたであろう世界、そして風景に魅了されてしまいました。

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出会ったギャラリーの人達の長崎弁なまりの優しい言葉と、親切な感じ。

そしてこの場所を大切にされて生きて来られている心の持ち方みたいな雰囲気を、感じて素晴らしい陶器に触れることもまた豊かな時間でした。

長い間、このような工芸品を伝えて来られた方々の言葉はとても私にとっては刺激と豊かさを貰い励みになりました。

私の住む場所が、地震で被災した時に高価な器は要らない。必要ないと思いましたが、丹精込められて魂を吹き込まれた美しいものは日々を豊かな心の持ち方へ変化してくれます。

些細な事かもしれないけれど、そういう日本人の魂みたいな物が宿るものは素晴らしい品物となり自分自身へのギフトのような気がしてなりませんでした。

何百年も続く素晴らしい職人さんの世界

そういう場所の風景や、品物、そして命を吹き込まれた陶器が美しい色合いでひかり輝いて見えました。

何度でもいきたい素敵な場所。

そして、素晴らしい作品を未来に残して欲しいと思いました。

この漫画の青や白、そしてメッセージがたまらなく豊かな日本人の心が感じられます。

繊細さ、描く色合い、カーブの美しさそんな素晴らしい美術館のような夢の世界があるんだと感動でした。

少しでも、多くの人に目に触れてそして後継者の方々が健やかに働けるように町全体で盛り上がって欲しいです。

厳しい状況の中、大変だと思いますが頑張って頂きたいと心より思いました。

読んでくださりありがとうございます💐



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