勝手にふるえてろ
見たものシリーズ。
というか、見てほしいもの?そういや書いてなかったなと。
「勝手にふるえてろ」
松岡茉優の映画初主演。
そしてこれも自分にとっての入口は「ニ」役の黒猫チェルシー渡辺大知。
さらに言えば「イチ」役は北村匠海。
自分にとってはあっちこっちが色々と繋がる作品。
これもAmazon Primeで見れるのね。みんな見て。
原作は綿谷りさの同名小説。
いやもう勝手にふるえてろには、心を揺さぶられ、掴まれ、えぐられた。
いや、勝手にふるえてた。
まず、脚本が凄い。演出が凄い。大九監督が凄い。
小説では出てこない人物がたくさん出てくるんだけど、これがもう半端ない。もうあの役この役無しでは考えられないくらいに。
小説と映画だともちろん表現方法が異なるから、映画では小説とは違う見せ方をすることはよくあって。ただし、それが良い場合も悪い場合もあって。
ただ、勝手にふるえてろの場合、これがピカイチ。登場人物を増やすことで、テンポの良さを出したり、オンオフの差を表現したり、後にものすごく需要になったり。
「映画だからこそ出来ること」によって、映画としてめっちゃ面白くなっている。すごく心地よい。
でも原作のプロットが変わってるわけではないのよ。ちゃんと小説を読み解いて、それを映画にするために組み立ててるのが分かる。これが凄い。
そして、松岡茉優よ。なんという女優だと。
どう言えばいいんだろう。「ヨシカがそこにいる」。
決して簡単な役じゃないのに。ヨシカという痛くもあり愛おしくもある役を見事に演じてしまっている。というかヨシカになってる。
ハロオタの松岡茉優だからこそ、オタク気質のあるヨシカ役にハマったというのもあるんだろうけど。
とにかく好演、怪演だなと。
心をえぐられた理由。
ヨシカは色々とこじらせていて。脳内で恋愛してて、絶滅した動物が好きで。
自分の中だけの世界があって、その中で生きていて。
映画で見るとそれは面白いんだけど、でもそういうのって誰にでもあって。
他の人にはなかなか伝わらない、自分だけが好きなこと。自分だけの世界。
言い方を変えれば「個性」とも言う。
他の人とは違う、自分。
だから、映画を見進めていると「ヨシカは、自分だ」と思う瞬間がある。
誰しも「ヨシカ」なんですよ。
だからふるえる。自分事のように。
面白くて、切なくて。
そうして心をえぐられてた。いい意味で。
いやー、また見よう。
やっぱり大好きな作品です。