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扉は少しずつ強度を増して

オレは、もうかれこれ16年間はここにいる。
バカでかい扉の前に為す術もなくここにいる。
ふと隣の部屋を見ると大きくなった隣人が、扉を破って勢いよく飛び出して行くのが見える。

オレも時々急に体が大きくなる時がある。
たが、扉に触れた途端、
「でも……まぁ、いいや。」
という声が聞こえたかと思うと、みるみる体が元に戻っていく。
前に外に出たのはいつだっただろう。
確か、ムカつくアイツにくだらない悪口を言われた時だった。
そういえば、あの頃はもう少し扉が小さかった気がする。

ここにいるのは退屈だ。
オレたちの種族は退屈すぎると破裂するらしい。
前に友人から聞いた。
しかも厄介なことに、ひとりでも破裂すると、ここに住んでいる全員が破裂してしまうらしい。
そんなことになったら大変なのは、バカなオレでもわかる。

今日もまた体が大きくなってきた。
今日こそはあの扉を破ってやれるだろうか。
「リセイ」と書かれた、あのバカでかい扉を。


最後まで読んでいただきありがとうございました!

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