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奇妙、

反戦を謳った番組の後に、遠い国で爆弾が落ちたというニュースを見た。
僕はこうつぶやいた。

「ああ 奇妙だ。」
これなら、雨のように降り注ぐ蛇のほうがまだましだ。

めくれどめくれど、人の不幸を金にしようとする記事ばかりの週刊誌を見た。
僕はこうつぶやいた。

「ああ 奇妙だ。」
これなら、僕の部屋を飛び回っているユニコーンのほうがまだましだ。

傷つくことに怯えながら、仮面を被って罵り合うスマホ画面を見た。
僕はこうつぶやいた。

「ああ 奇妙だ。」
これなら、裸でダンスをしている路地裏の人気者のほうがまだましだ。

昨日、声をかけてきた偉そうな制服の男が僕を見た。
男はこうつぶやいた。

「ああ 奇妙だ。」

どうやら僕は、奇妙らしい。
そんな、僕が、奇妙だ、と言う、この世界は、よっ、ぽど奇、妙だ。
なん、で、こん、なに、奇、妙な、んだ、ろう、

……バタッ

ああ、気分が悪い。
お気に入りの線香でも焚いて少し落ち着くとしよう。

……ピンポーン


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!



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