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好評開催中‼️ 美術史の観点から新しい魅力を探る🔎✨️│ 生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った (東京ステーションギャラリー)

今回は、2025年1月25日から東京ステーションギャラリーにて開催されている「生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った」についてご紹介します。


宮脇綾子

宮脇綾子 ポートレイト

自身の身の回りにある布や紙などのあらゆる素材を用いて、美しく親しみやすい作品を生み出したアプリケ作家 宮脇綾子。
野菜や魚など、彼女が主婦として毎日目にしていたものをモティーフに作品制作を行いました。それらを徹底的に観察し、時には割って断面をさらし、さらに分解して構造を確かめたり… 強い探求心で対象と向き合い、楽しみながら作品制作を行いました。

展覧会について

《ひなげし》1969年、豊田市美術館

アプリケ作家として知られている宮脇綾子ですが、その他にもコラージュ、手芸など…
彼女の作品は一つのカテゴリには収まりきらない豊かな世界をつくり上げています 。
今回の展覧会では、宮脇綾子の作品を美術史の観点から、造形的特徴ごとに8章に分類・構成しました。美術史のことばで改めて分析することで、彼女の新たな魅力を発見することが出来るかもしれません…

POINT1 ー 作品を作る前にまず観察する

《ひの菜》1978年、豊田市美術館
「はりえ日記」第9巻より 1974年、豊田市美術館

宮脇綾子の制作は、まずモノを徹底的に観察するところから始まります 。特に、果実や野菜などの断面は彼女のお気に入りで、トマトや白菜など、断面を表現した沢山の作品が展示されています 。
また、動植物の色やかたちの絶妙な個体差も彼女の眼は見逃しません!布を縫い付けるという、描くよりも難しい方法でありながら、優れた写実性を有している彼女の作品を細部までじっくりご覧ください!

POINT2 ー 素材や模様を活かして遊ぶ

《白菜》1975年、豐田市美術館
《鰈の干もの》1986年、個人蔵

宮脇は素材にこだわり、様々な場所に出向いて素材の収集を行いました。
どんな素材も大切にし、使用済みの布製のコーヒーフィルターや古くなった柔道着、石油ストーブの芯など… あらゆる素材に目を向けそれらを美しい作品に生まれ変わらせてきました。
また、作品に用いた布の模様にも彼女の意図が込められています 。
伝統的な模様や様々な文様を活かして写実的な作品の仕上がりにしたり… 逆に模様の面白さを活かして自由に模様で遊ぶような作品も生み出されました。

POINT3 ー 作品に込められた”あ”

《芽の出たさつまいも》1987年、豊田市美術館

宮脇の作品にしばしば見られる”あ”の文字。
これは、綾子の”あ”であり、「あっ」と驚いた時の”あ”
”あ”という発音は、奥歯を嚙み締めない、緊張から自分を解き放つ口の形になります 。彼女自身が、楽しみながら自然体で作品制作を行ってきたように、鑑賞する皆さんにも、肩の力を抜きリラックスした状態で見て欲しいという彼女の願いが込められているのではないでしょうか…

Writer’s Message

彼女にとって生活の一部となっていた作品制作ですが、特徴ごとに分類された数々の作品を見て様々な工夫や遊び心を感じられ、彼女の制作に対する想いを感じることのできる展示でした(峯岸真彩)

詳細 / アクセス

【 展覧会名 】
生誕120年 宮脇綾子の芸術 見た、切った、貼った
【 美術館名 】
東京ステーションギャラリー
【 開催期間 】
2025年1月25日(土)~2025年3月16日(日)
【 開館時間 】
10:00~18:00
金曜日 10:00~20:00
※入館は閉館の30分前まで
【 休館日 】
毎週月曜日  (ただし2月24日、3月10日は開館)、2月25日(火)
【 アクセス 】
JR 【東京駅】 丸の内北口 改札前
東京メトロ丸の内線 【東京駅】 徒歩 約3分
東京メトロ東西線 【大手町駅】 徒歩 約5分
東京メトロ千代田線 【二重橋前駅】 徒歩 約7分

画像提供:東京ステーションギャラリー

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