アフリカ縦断記(12)ど素人、キリマンジャロ登頂へ
ついに、この旅のビッグイベントの一つ。キリマンジャロの登山が始まります。
前回までの記事はこちら、タンザニニアに到着してこの挑戦のために破格を支払った内容です。
登山前日に、ガイドのポールとアシスタントのアシムと顔合わせ。優しそうな顔立ちをしていましたが、それは私が持っている用品を確認するまでの束の間。ありがとう、彼らのおかげで上着2枚を着て、ステックなしで臨もうとしていた私がいかに無知であるか痛感しました。
急いでレンタル店に向かい
アンダーウェア2枚
分厚い手袋
寝袋
ウィンドブレイカーの上にさらに着る服
ヘッドライト
1.5リットルの水筒2本(キリマンジャロにはプラスチックのペットボトルが持ち込めません。)
ステック(杖みたいな山を登るときに使うものです。)
借りることに。合計が80ドルでしたが、こればかりは仕方ないです笑。サイズをあわせ、荷物の準備をしながら翌日に備えます。
キリマンジャロってどんな山?
キリマンジャロは独立峰(単体で存在する山)として世界一の高さを誇ります。高さによって異なる植生を持ち、頂上付近には一年中雪が存在するという特性から、世界遺産にも登録されています。
心配なこと
出発点から頂上までは約4000メートルの高低差があり、目安時間は35時間ほど。私が最も懸念していたのは、高地での酸素不足です。富士山を登った時、3000メートルあたりで強い頭痛があったため、高地に強くないことがわかっています。今回は予防薬を持って来ましたが、うまくいくか心配です、、、、。
高山予防薬とは
たくさんの不安を抱えながら夜を迎え、次の日の朝9時にホテル前に出発しました。
登頂1日目
メンバーは僕と日本人一人、中国人一人の三人とツアーガイド二人、コック一人、ポーターが九人の合計十五人のチームです。全員でバンに乗り込み、若干のきまづさを感じながら、1時間ほどかけてキリマンジャロ国立公園に向かいます。
マチャネゲートに到着しました。標高は1800メートルほど。ついてすぐにランチを食べます。コックの料理の腕はいかがでしょうか。
アフリカの料理の基準に慣れていると、全てが喉を通る食事というのは非常に珍しいです。そんな中、このお弁当の中身は全て完食することができ、先の6日間の食事をコックに安心して託せると感じました。嬉しい!
待機時間で中国人と会話をしました。英語が堪能で3年前までコンサルティング会社で働いてたとのこと。今は仕事を辞めて旅をしているそうで36歳のバイタリティに驚かされました。ただ、この中国人(以降ウィリアムと呼びます)が今回の登山のストレスになることを当時の僕は知る由もありません。
待機を終えいざ出発。手荷物検査を受け、ペットボトルは捨てるように指示を受けます。ポーターの人たちは荷物の重さを測り、後程追いかけて来るそうです。僕の重たいバッグも彼らが持ってくれます。
さぁ登山スタートです。気温は20度前後で非常に涼しく快適に足をすすめていきます。
道も広く、非常に歩きやすい状態で4時間ほど歩き続けました。道中ですれ違うポーターが笑顔でジャンボ(こんにちは)と話しかけてくれるのも嬉しいです。というか頭のバランス感覚どうなっているんでしょうか。幼少期から訓練された賜物なのかもしれません。
さて、初日はあっという間にマチャネキャンプ(標高2800メートル)に到着。
到既に僕たちのポーターがテントをたて終え、寝床を用意してくれました。恐るべき早さです。休む間もなく早速夕飯を食べます。
なかなか贅沢ではありませんか!ポーターの1人がウェイターとしてテントに料理を運んでくるので、まるでコース料理のような気分です。しかし、ここで最初の問題が
「クチャクチャクチャクチャクチャ……」
ウィリアムの食事の咀嚼音が本当にうるさいんです。これは文化の違いなので、音を出すことに対して日本人の私が慣れていないだけなのですが、どうしても不快に感じてしまいます。
ポップコーンを食べるとき、水分が多い果物を食べるとき、どんな時にも咀嚼音は発生し、そのたびに耳を塞ぎたくなります。後5日間も彼と食事を共にできるのか、、、翌日以降にどのように対応をするのかを考えていました。
その後はガイドと体調の相談をし、1日を終えました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回は登頂直前にリタイアを宣告されてしまった僕の話です。