祝福

どこか外人の研究員が

行っている実験は

本当です

正式に終わらせたと

いう話は

でたらめですが

今も続く

ランダムな発電

とその強弱

自動スケジュールで

制御される

遠くにあって

どこにあるのか

確かめることのできない

一つの何かに

無線で刺さっている

電極は

本当です

ランダムな発電と

同じタイミングで

その強弱と

同じ分量で

一つの何かから

最近でも

送られつづけている

結果に対し

何時に来るか

何をしたら来るか

それで止むなら

そのためなら何でもする

というような

理由がもしあるとしたら

何にするか

といった仮定を

何も決めないまま

太陽光発電の

実験室を後にした

研究員は

妻と子供たちのもとへ

帰りにケーキでも買って

ふとソファの上などで

一つの何かから

最近でも

送られつづけている

結果が

役に立たないことは

薄々感じながらも

どこにあるのか

確かめることのできない

一つの何かが

むしろ

二、三日も無事だと

申し訳なくなっている

申し訳なくなっている

申し訳なくなっている

申し訳なくなっている

申し訳なくなっている

申し訳なくなっている

と気づくことは

全然なく

翌日、駐車場に

倒れていた

好みの体型をした女に

好意をもたれて

そのまま二人遠い街へ

大きな川の橋の上で

開いた車の窓から

遠くにあって

どこにあるのか

確かめることのできない

一つの何かと

電極が

繋がったままの

太陽光発電の

実験室の

鍵は光りながら

飛んでいった

ようです

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