なんかベタベタする時

誰もが見落とした
白いユニフォームの
山からひっぱられる。

ホームルームから
十二時間経たないと
わからない。

教壇はやさしい
猫の匂い。

ピアノは、青い。
ブルータスは
肉。

ホルマリンの
においにだけは
近寄らない。

用務員室のスーさんには
見られてもいい。
こんな私たちに
梅昆布茶を淹れてくれる。

おこたはいつも
草原。

私が切らしたとは
誰も知らない
ボディソープに
ちょっと良いのを
補充する。

そうとも知らずに
体育の山田は今日
買い出しをまぬがれる。

バスケットゴールは
老人。

誰も聞いたことの
ないチャイム。

野球かサッカーの少年たちの
影が門を通り過ぎる。

見られていることも
いつか死ぬことも
知らずに。

だから永遠の
においを残して
教室を出る。


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