20歳のみんなへ

あ。日本帰国しました。
そして滞在記はまた今度。

去年の1月港区の二十歳の集いでスピーチさせて頂きました。
その内容を期間限定で載せたのですが、今年もそんな季節という事でその時の話した事を再掲載します。
楽しい事ばかりでは無いけれど楽しいを見つけそれを掴むのは自分しかできません。
自分らしい最高と思える人生を掴み取って下さい。

成人式 スピーチ原稿

20歳という節目を迎える皆さん、おめでとうございます。
初めまして、スタイリストをやっておりますREMI TAKENOUCHIと申します。

これから新しい一歩を踏み出す素敵なタイミングにお呼び頂き、ご一緒できることを光栄に思っています。

きっと私自身は勿論、スタイリストという仕事が具体的に何をしているかご存知ない人が多いと思います。

スタイリストという仕事は、ミュージックビデオやライブ、ドラマ、映画、広告、テレビ番組、雑誌などでアーティストやタレント、モデルの方々に洋服のコーディネートを組んだり、衣装のデザインしたり、相手が求める世界観を肉付けするお仕事です。

さて、なぜ私がスタイリストという仕事をするようになったのかと言うと、きっかけは皆さんと同じ20歳の頃です。

今日は私が20歳の時にどんなことを考えていたか、そして皆さんに伝えたいことをお話してみたいと思います。

実は10代の頃、私は人の顔色や周囲の評価をとても気にしてしまい、学校ににあまり通えなくなった時期がありました。
中学、高校では自分の目に見えている常識や価値観がすべてのことのように感じられて、自分がそこからはみ出ないように、変だと思われないように、気を遣いすぎて素直に生きていなかったいたように思います。

“生きているだけで精一杯”と感じてた中
人の常識や価値観なんて、それぞれに違うのでは?
自分が感じている当たり前は、本当に当たり前なのだろうか?

そんな想いが生まれ、どうせなら全てを変えたいと思う気持ちで、高校を卒業した19、20歳の頃、イギリスに1人留学する事にしました。

実際に海外で暮らしてみると、世の中にはいろいろな考え方や価値観、文化、正義や常識があることを知り、個性や多様性を尊重する人々の多さに生きていく自信が生まれました。

差別や偏見も体験したりもしましたが
もっと多様な考え方や価値観に触れてみたいと思い、もう少し海外で暮らすことを決め
長期滞在する理由として、とりあえず元々自分が好きだったファッションを学ぶ事にしました。
そんな思いつきの様な選択が結果として、今私はファッションの仕事をしています。

留学してよかったと思うのは、専門職の専門分野の知識は当たり前だとして、海外から見た視点のファッションの知識は勿論
何より自分の世界を広げる様々な知識、考え方、あらゆる事を柔軟に受け入れ取り込む事
自分は何も知らないという事を知る事を知れた事だと思います。
そして、服を通して沢山の温かい仲間に出会えているのが何より幸せに思います

この仕事で面白いものは、ファッションには正解がないと言う事です。
世の中では骨ストだとか骨格ウェーブだからイエベ、ブルベだからこう言う服が合うなどの情報が溢れていますが、一人一人骨格は違いますし、個性も違うので定義を決めず色々楽しんでほしいなと思います。
そしてどんな定義も超えられるのがコーディネート術だと思っています。

今回服に例えて話しましたが、生きる事においても同じことが言えると思います。
ただ黒、白、赤、青だけではなく、その中にも沢山の色がある様に大きいカテゴリーに分け可能性を狭めるのではなく、目的を重点に沢山の選択肢を見つけて見てください

こんな風に話していますが私は最初からこの仕事をしたくて頑張った人間ではありません
何をしたいのか分からなくて悩んだり、上手く人間関係を築けなかったり、とにかく色々右往左往して
まぁまぁやらかして、ここにたどり着きました。
それでも、今日皆さんにお話したいのは、挑戦してみて、一歩踏み出してみて、本当に良かったなということ。

20歳という時期は、爆発的に「世界が広がる」タイミングです。

今まで出会ったことのない人やもの、知らなかった価値観や考え方にたくさん出会える機会のある時期です。

そんな「世界が広がる」20歳という時期に必要なのは、自分が知っている価値観や常識が正しいのか疑い問いかけ続ける「好奇心」と、恐れず新しいことに出会って知ろうと一歩踏み出す「勇気」自分とは違う人と会った時にまず否定するのではなく知ろうとする「柔軟力」です。

まずは、自分の中にある常識や価値観を疑ってみてください。
自分にはできないのでは?そんな固定観念まで疑ってみて欲しい。出来たら面白いでしょ?
そして、自信がなくても、背伸びでも虚勢でも、一歩踏み出して欲しい。
まわりの目や評価が気になることもたくさんあると思うけれど、自分のことを変えていけるのは自分だけです。
何が成功で正解なのかを決めるのも自分です。

皆さんの「勇気」と「好奇心」と「柔軟力」によって、これからたくさんの素敵な出会いが生まれ、それぞれの世界が大きく広がっていくことを、心から祈っています。

20歳、おめでとうございます。

Remi Takenouchi



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