ヨガの歴史
よくクラスで受ける質問のひとつ。
「ヨガって何?ストレッチと何が違うの?」
YOGAという言葉は
サンスクリット語のyuj(ユジュ)=牛や馬などを車に繋ぐ軛(くびき)
が語源で、「つなぐ」「結びつける」という意味があります。
紀元前2500〜1800年にかけて繁栄した
「モヘンジョ・ダロ」というインダス文明最大級の都市遺跡に
ヨガの坐法で瞑想している人の姿のようなものが刻まれた
出土品が発掘されていることから、当時すでに
ヨガの元になる修行法や儀式があったのではないかと考えられています。
今から約5000年も前です!
また、もともとは発祥の地である
インド人の男性、
しかもヒンドゥー教の身分制度であるカーストにおいて
クシャトリア(王族・武士)の男性だけが学べるものでした。
また、現代ではヨガを練習している人は
9割が女性のイメージですが
実は女性がヨガを始めてからまだ100年も経っていません!!
1927年にインドラ・デヴィというロシア人の女性がインドに渡り、
「近代ヨガの父」と呼ばれる
クリシュナ・マチャリア先生の女性で初めての弟子となり、
西洋人で初の女性講師として、
1947年にアメリカ ハリウッドにスタジオを開設したことから
一気に女性のヨガの練習生が増えました。
さらには、
1970年代にアメリカのヒッピー文化とヨガ哲学思想が結びつき、
1990年代以降、アメリカの健康志向から
パワーヨガを筆頭にヨガ(主にアーサナ)ブームが勢いを増し、
日本含め世界的なヨガブームが始まりました。
では、ヨガとはなんでしょうか?
最も古いヨガの経典で具体的なヨガの実践方法が記されいる
「ヨガ・スートラ」には
第1章2節
Yoga chitta vritti nirodha ヨガ チッタ ヴィリティ ニローダハー
訳:
ヨガとは心の揺れ(動き)を止滅させること、考えを浄化すること
心の動きをコントロールするさまざまな鍛練(たんれん)により、
苦しみから解放されることをその目的としています。
ヨガの練習は自分の呼吸や体に意識を集中します。
その時、忙しく飛び回る心の動きが止まる。
ヨガでなくても、何かに集中した後に
意識がスッキリする、という体験はしたことがあると思います。
最初は体を動かすアーサナの練習を繰り返し、
今に心を集中し、自分がやるべきことをしっかり認識していく。
徐々に、マットを離れた時にも実践できるようになってきます。
2021.09.10
写真は2017年ヨガの聖地リシケシにて。