花束を君に
「神様は乗り越えられる試練しか与えない」とか「子は親を選んで宿る」とか「身に起こる全てのことには意味がある」とか。
未来永劫決して証明できないエゴにも似たそれらは『祈り』なんじゃないか、と時折思う。
「そうではない」という冷ややかな眼差しに瞼を伏せるでも、「そうであって欲しい」という希望や願いに心を預けるのとも、少し違う。
もう少しだけ朧げで、もう少しだけ淡い色を帯びた、真冬の暗がりに吐く息のような、密やかなる熱。
淡雪が舞った今日の空は薄霧のようにぼやけた幻みたいで、高く晴れ渡り続けたここ幾日かの青空より柔らかくまばゆい光をふかふかと包み込むように映った。
降る雪は時に「悲しみ」の象徴として積もり描かれるけれど。
汚れ(けがれ)のない真白なそれは「それ」を拭い清める箒星だよと、音もない声が濡れた頬を優しくかすめていく。
それだって祈りでしかないと途方に暮れながら、それでも、希望や願いやましてや悔ても尽きないこの想いを全部、ぜんぶ。
どんな言葉並べても
君を讃えるには、足りないから
できる限り、できなくても、わずかでも、うんと、やまほどに、抱えきれないほどに、
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