パパだけ大好き
わたしがインフルエンザで寝込んで4日目のこと。
だいぶ回復してきたので、ちょっとずつ娘と触れあおうと思って話しかけるものの、
「パパはどこ行ったの?」
「ぐーちゃんつくったおべんと、パパにあげるの」と、やたら夫にまとわりつく娘。
パパにすっかりなついちゃったねー、なんてのんきに話していました。運よく3連休だったので夫が娘の世話をぜんぶしてくれていたんですね。
ところが。
お昼寝から目覚めた娘の様子がおかしい。
ずーっと泣きわめいているんです。
「パパだけ大好き。パパだけ大好き。」って繰り返しながら。
わたしがあやすと、なんと「ママきらい」だって...
夫があやしても全然泣き止みません。こんなに泣きわめいておさまらないことなんてめったにないのに。
わたしも夫もわけがわからず、なんとかなだめようと必死。大好きなお風呂にさそってもダメ。それならご飯にしようか?と聞くと、ちょっとおさまりかけたので、急いでご飯のしたくをすることに。
いったいどうしちゃったんだろうと食事のしたくをしながら考えをめぐらせていると、もしかして...と思い当たることがありました。
インフルエンザをうつしたくない一心で娘を遠ざけようとしていたことを、ママに嫌われていると思ってしまったんじゃないか。
思えば、娘が近づいてくるたびに「うつっちゃうからパパの方に行ってて。こっちに来ちゃダメ」って言っていたなあ。
何度も何度も「向こうに行ってて」って言っちゃったな。
少し落ち着いた娘に近づいて、
「ママがあっちに行っててって言ったから、ママがぐーちゃんのこと嫌いになったと思ったの?」
「ママはぐーちゃんのこと大好きだよ。ママの病気をぐーちゃんにうつしたくなかったから、あっちに行っててって言っちゃったの。」
「ぐーちゃん、さみしかったんだよね。がまんしてたんだよね。ごめんね。よくがんばってくれたね。」
って声をかけてみました。
すると。
泣きながらわたしにしがみついてきて、「ママのこと好きー」って言ってくれたんです。
おもわずじーんときました。
さみしい思いをさせてしまったことや、自分が拒否されていると傷つけてしまったことが申し訳なくて。情けなくて。
「ママぐあい悪いから。」って娘も言っていたからわかってくれていると思っていたけど、まだ2歳だもんね。
ときには大人顔負けにしゃべれるようになってきた娘。
会話ができるようになるとついつい伝わっていると思ってしまうけれど、相手はまだ子どもだということは忘れちゃいけないなと気づかされた一件でした。
家族だからわかってくれている。は危険な思いこみですよね。子どもに限らず。
家族だから、一番大事な存在だからこそ、ことばを尽くすことは大事なこと。
無事に娘に受け入れてもらった後は、しばらく「ママ抱っこ~」でしたが、ありがたく抱っこさせてもらいました。
ぐーちゃん。がんばってくれてどうもありがとう。
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