同じようで、常に変わり続けているという事
ふと思いついたことをまとめようと思いPCに向かっています。いつもの乱文申し訳ございません。
我々の建築メディア「アーキテクチャーフォト」ですが、この名前に変わった、2007年から今年で16年目になります(その前身のサイトが始まった2003年からだと、もう20年!になります)。
日々多くの方にサイトに訪問して頂いていて、恐らく意識もされていないと思うのですが、過去を振り返ってみると、当時行っていたことと今やっていることは全然違うなあと思う訳です。
サイト名は同じなのですが、やっていることは大きく変わっている。でも、それって変化し続ける社会の中で生き残っていくためには自然なことだと思っていて、これを読んでくださっている皆様も共感してくれるのではないでしょうか?
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2007年のアーキテクチャーフォトを振り返ると、それは自身が訪問した建築の写真を公開するギャラリーサイトの様なものでした(instaに、訪問した建築をいち早くアップするアカウントが沢山ありますが、その先駆けの様なサイトだった)。
その背景には、インターネット普及初期の頃では、今と考えられないほど、ウェブ上に建築のコンテンツが無かったという事があります。手持ちのポジフィルムをスキャンして載せる毎日でした。
その後、写真コンテンツを如何に見て貰うかという事を考えた時に、その時代に様々な分野に存在していたニュースサイトの要素を入れる事を思いつきます。徐々に情報が増えてきたネット上の建築情報を探したりピックアップしたりする部分を作る事で、自身の写真が見られやすくなると思ったのです。
また、当時建築の"コア"な情報を収集するサイトは存在していませんでした。twitterのタイムラインが存在しない時代では、情報は向こうからやってくるものではなく、探して掘り起こす時代だったのです。その情報探しが時代のニーズであり、アーキテクチャーフォトが担った役割でした。
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2010年代は、そのネット上のレアな情報探しと建築家の皆さんが弊サイトを信頼して投稿してくれた作品写真の特集記事を組み合わせる形でサイトは運営されました。
2010年付近では、今では信じられないと思いますが、建築家がウェブ上で作品を発表するという習慣はなかったように思います。それは、インターネットが今よりももっとアンダーグラウンドなものとして認知されていたことが大きいと思います。
何か暗くて、怪しげなものの様に移っていた。その時代の中で、弊サイトの存在を説明して、資料を提供してもらう。これは、なかなか理解されませんでしたが、時代を経るごとに、掲載させていただける作品も増えてきました。
2020年頃に近づいていくと、SNSが急速に普及していき、誰もが意識しなくてもメディアになっていく時代に突入していきます。だれもが自分が面白いと思った記事をピックアップして、ここにこういう情報があるよと、発信できる時代になります。
ユーザーは膨大ですから、一人の人間がレアな情報を掘り起こすスピードと量で勝てるわけの無い時代に突入したのです。
それと共に、今度はネットの上の情報の量の多さが、ネックになり、より情報を厳選した上で、また丁寧に取り上げる必要が出てきました。その状況に対応しているのが、今のアーキテクチャーフォトの状態の様に思います。情報の速さと量を競うのではなく、ひとつひとつの作品に向合い、丁寧に発信していく。その活動の成果は、SNSのフォロワーの総計が、15万を超えた事にも表れているように思います。
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駆け足で、自身の活動を振り返ってみましたが、我々のサイト以外にもそのような事例はいくつもあると思うんです。
ファッション分野に「fashionsnap.com」というサイトがありますが、これは、恐らく、ファッションスナップ投稿サイトが出発点になっているのだと思います。それがニュースサイトに形を変えて、生き残っている。
テレビ番組でも、タイトルは同じでも、企画や中身が大きく変わって続いている番組も色々とあると思います。
そうやって、長く続いている活動は、形を変えながら生き延び続けているのだと僕は思っています。
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以下は、建築設計に当てはめて少し書いています。
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