買えない状況をデザインする

今日は、久々に、他分野のビジネスを眺める中で気づいたことを書き綴ってみたいと思います。何か皆様のヒントになる部分があれば幸いです。

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まず、僕がいつも言及するファッションブランド「コムデギャルソン」の商品の販売の仕方を説明したいと思っています。

スタンスとして最も大きいのは、(基本的には)いつも買える「定番商品」というものを存在させていないという事があります(厳密には一部そういう商品があるので、もうちょっと複雑です)。

ファッションの世界には、コレクションという概念があり、春夏、秋冬と、フランスのパリで、テーマ性を持った新作が公開され、半年ずれてお店に並ぶというサイクルを繰り返しています。

(このシステム自体も、ものをより新しく見せて、購買意欲をそそるためのシステムだと僕は思っているのですが、これはまた別の機会に書きたいと思っています。)

そして、このコレクション商品が販売のメインであり、また販売される期間も限られています。春夏の商品は、2月~7月まで。秋冬の商品は、8月~1月の期間販売されます。年に2回、切り替えのタイミングがあり、そのタイミングをまたぐと、以前の商品は基本的には買う事が出来ません。

言いたいことを簡潔にまとめると、今お店で手に取っている商品が買う事が出来る期間が限られていて、それを逃すともはや新品で買う事が出来ない。という状況をお店側が仕組みとして作っている、という事です。

例えば、7月に気になっていた商品があり、どうしようか迷っていて8月になってしまったらもう買えないという事です。

更に踏み込んで書いていくと、これによって消費者心理にどのような影響があるのかと考えると、人々の中に「欲しかったけど、買えなかった!」という経験が蓄積されているという事なのです。

僕は、この「買えなかった!」という感情を、消費者の中に植え付けることは、ものを売ると同じくらい大事だと感じていて、この「買えなかった!」という経験や感情が、そのブランドの商品の価値をより高く感じさせるのだと思っています。

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