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プロレス場放浪記~第6回・噂の!TOKYO SQUAREマガジン~


はじめに

2025年2月、東京都板橋区に新たなプロレス会場がオープンした。

その名も、TOKYO SQUARE in Itabashi!

TOKYO SQUARE in Itabashiとは

2025年2月1日、東京都板橋区に誕生したリング常設のプロレスに特化した会場です。
最大キャパシティ250名で、東西に列ごとの段差を設けたスタンディング席(89名)があり、ライブハウス級の防音と音響設備を完備しております。
新しいプロレス会場で大迫力の試合をお楽しみ下さい。

公式ホームページの紹介文より引用


プロレス団体が新たに既存の会場を開拓した訳ではなく、リング常設のプロレス専用会場がオープン。
これは慶事ではないか!


2024年秋頃に公式アカウントから告知が成されて以降、プロレスファンの間で密かに話題を集めていた新会場。

2025.1.29にプレオープン⇒2025.2.1&2.2にプロレスリングFREEDOMSの興行で杮落としと、この記事を出した段階で開業から未だ半月も経っていない状態である。


そんな出来立てホヤホヤの新会場に、私のタイミングが重なったこともあり、先日足を運ぶ機会が訪れた。


SNSで感想を沢山呟きたくなるくらい、TOKYO SQUARE in Itabashiに対して感動を禁じ得なかった私。
そんな思いを、今回noteで吐き出すことにした。


会場に対する個人的感想を一言で表すと、こうなる。

「この会場と場を、皆で大切に護っていきましょう!」


TOKYO SQUARE in Itabashi

TOKYO SQUARE in Itabashi(以下:インイタ)は、東京都板橋区前野町の住宅街に存在している。

公式サイトに掲載されているアクセスは、以下の通り。

<電車でお越しの方>
東武東上線「ときわ台」駅 徒歩12分
東武東上線「上板橋」駅 徒歩12分

<バスでお越しの方>
赤羽駅より【ときわ台駅行き】バス乗車(約20分)
「前野町六丁目」下車 徒歩30秒


公式は推奨していないものの、都営三田線を使って会場に行くことも可能ではある。
ただ、会場から一番近いルートでも、志村坂上駅から片道徒歩24分はかかるため、注意が必要だ。

ちなみに私は訳あって、このルートで帰宅…


今回私がインイタで観戦したのは、2025.2.5に行われたスターダムの若手ブランド興行『NEW BLOOD』。


18:20の一般開場に間に合うよう、私は徒歩で向かった。
板橋本町駅から向かうルートは30分かかるものの、ほぼ直線なので行きづらさはない。

会場に着いて驚いた。
噂には聞いていたけれど、本当に住宅街の一角にあるではないか。


それを示すかのように、会場の近所には居酒屋や焼肉屋があるものの、その他はコンビニ以外見つからず…。
時間を潰せる場所は会場近辺には無いので、これは早く行きすぎない方が良さそうだ。

空腹をコンビニのアンマンで紛らわせる私…


会場に来てスタッフの方に案内されると、中には物販が展開できるスペースが設けられていた。
周辺が住宅街ということもあるのか、開場まで観客が外で待つことなく、会場内に列を作って入場できる設計になっていた。


入場時にはチケット提示と共に600円のドリンク代を支払い、ドリンクコイン代わりのバッジが渡される。
今は現金のみ支払い可能となっていたが、ゆくゆくは新宿FACEのように交通系ICカード等での支払いにも対応するようになるのだろうか…?
(なったら嬉しい!)

バッジは、会場に入って左側にあるドリンクカウンターで交換する。

ちゃんとビールがサーバーで注がれるハコにこそ、ドリンク代を払う喜びがある(私見)


ビールを飲み干して席に向かうと、席に向かうまでの動線が狭いことに驚かされた。


席を通るには、入場口として空けられている南側の通路か、本部席として設けられた長机の横を通る形になる。
(この日は、富山智帆リングアナや岡田太郎社長がいた。錚々たる顔ぶれ)


今回私が座ったのは、西側スタンディング席の2列目2番。

スタンディング席は手前に手摺があり、3列に段差がつく形で並んでいる。

私はそれを見て、Jリーグ・柏レイソルの本拠地である日立柏サッカー場のゴール裏を思い出した。
席の作りと雰囲気が非常に酷似しているのだ。


インイタは屋外にトイレと喫煙所が設けられている。

トイレに向かうには、左側にある喫煙所を通り過ぎるのだけれども、喫煙所はカラーコーンとコーンバーで区分けがなされているため、トイレの列と被る心配はない。

男子トイレは小便器×2、個室×1という構成で、休憩時間のトイレは多少待つことを覚悟する必要があるかもしれない。
(今回行った時は、15分休憩で男子トイレには7~8分並んだ)


インイタに足を踏み入れてみて、私なりに感じたことが幾つかあった。
それを、今回の記事で触れていけたらと考えている。


①プロレスに対する愛のかたまり

私がインイタという会場について語る時、真っ先に感じたことは【プロレスに対する愛】である。

商売云々抜きにして「プロレスが好きな人が作った」ことが全身で感じられるほど、多くの愛が詰まっていた。
団体ファーストであり、観客ファーストでもある。


まずは、臨場感溢れる会場の作り。

客席とリングの距離は人1人分通れるくらいのスペースしか無いため、非常に狭い。
選手が通る時、セコンドが1度身体を躱さないといけないくらいの距離感は、王子BASEMENT MONSTARを彷彿とさせる。


キャパシティの狭い会場だと客席から選手もリングも近い距離で見れるのだけれども、反面そういう会場は往々にして雛壇がなく、後ろの席だとグラウンドの攻防が見えにくい。

しかし、インイタは、リングから距離が遠いスタンディング席でも試合がバッチリ見える。


今回、赤コーナー寄りの座席だった私も、試合自体は見やすかったと感じている。
「構造上見えにくい」というストレスは全く無かった。


名指しすると、個人的にはハードヒットや格闘探偵団みたいなカラーリングの興行と親和性が高そうだと感じた。

反面、ルチャベースの飛び技を多用する選手がいる団体だと、会場の構造上場外に飛ぶのが不向きに映ったけれど、一応、南側場外に飛ぶことも出来る。
(ただ、「東西北の方角は難しいだろうなあ」とも感じた)


また、観客側からすると、写真が非常に撮りやすい。

会場の明るさが確保されながら、明るすぎて撮りにくいということも無し。丁度良い!


素人カメラの私でも、写真撮ってて撮りづらさを感じない会場、非常にありがたい…🥺


②全方角にメリット

インイタで個人的に感動したのが、【全方角に対してメリットがある】点だった。


今のプロレスだと、カメラのある正面側に向かって選手が入場シーンのポーズを取ることが多い関係上、どうしても正面の座席に優位性が強くなる。

しかし、インイタの場合、入場口は正面の南側にある。
その為、向正面にあたる北側席は入場シーンが真正面から見れてしまうメリットがある。
(スタンディングだと、西側の方が死角が無い分入場シーンが見れる。)


また、東側や西側も、前述の通り段差のあるスタンディング席の為、リング上の様子が非常に見やすい。


構造上そうなっただけなのかもしれないけど、全方角に優位性があるインイタは(一部の関係者が提唱してたりする)「見る方角に囚われないプロレス」を実現する理想的舞台ではないかと私は感じたのだ。


実際、大日本プロレスが興行を開催した時には、西側が正面になるようマットとカメラが配置されるなど、北側のスクリーンを使用しないパターンにも対応できるようだ。


方角やステージプランで言うと、個人的には横浜武道館やカルッツかわさきと同じくらい、柔軟性が高い(=自由なステージプランや座席配置が可能)印象を受けた。

ただ、小規模会場で、この柔軟性の高さを実現しているところは私の記憶にない。
この点でも、私はインイタの凄さを実感したのである。


まとめ~素晴らしい会場だからこそ、護りたいこと~

アクセス面であったり、大会途中から来た時に見づらい・入りづらいという部分もあったりするけれど、それらのデメリットをメリットで上回るくらい、インイタは素晴らしい会場だ。

また、蛍光灯デスマッチに対応できる会場が都内だと後楽園ホールや新木場1stRINGに限定されていた中、第3のデスマッチ会場としてインイタが果たしていくであろう役割と期待は非常に大きい。
私の勝手な予想だけど、大日本プロレスやプロレスリングFREEDOMSは、今後一定数はインイタで興行を開催するのではないだろうか?


そんな至れり尽くせりな新会場だからこそ、今後最大の敵となるであろう懸念も感じている。
それは、近隣が住宅街であること。

実際行ってみると感じることだけど、マンションや一軒家がある中にインイタは存在している。


先日、貸スタジオの新木場スタジオフラムを運営しているオーナーが、こんな投稿を残した。


近隣テナントや使用者の違反行為によって、格闘技・プロレスへの貸し出しが禁止となった事例は、インイタにとっても対岸の火事とは言えないような気がしている。


実際、会場内注意事項のアナウンスでは何度となく「近隣で大声で話す行為」、「売店に行かない方は速やかに帰る」よう指示が何度もなされた。

私が見る限り、それを破る人は見かけなかったけれど、仮にもし、そういう騒音問題や苦情が積み重なっていくと、会場側が防音対策を施し運用していても、インイタの運営に支障が出ることは火を見るより明らかだろう。


だから、私が「この会場を皆で護っていきましょう」と感じたのは、主語が大きいかもしれないけれど、決して大袈裟な話ではない。

来場する観客マナー如何では素晴らしい場も失われてしまう。
そういう住宅街に、インイタのような素晴らしい会場がオープンした。これを奇跡として何と呼ばずにいられるか。

私の推測だけど、近隣住民に向けて説明を重ねた上でオープンしていることは想像に難くない。
新木場1stRINGもオープン前はそんな感じだったらしいし、ライブハウスですら近隣のコンビニに客がたむろするだけで苦情がすぐさま飛ぶのだという。


皆の遊び場は、皆がルールを護っていくことで使い続けることが出来る。

どの会場にも言えることだけど、この素敵な会場が仮にもし無くなるとしたら、その原因で一番考えられるのは【近隣の苦情】なのだと私は思う。


開業したばかりということもあり、今後色々なノウハウが蓄積され、日々進化を遂げていくのだろう。

だから、この記事に書いてある内容から変わっていくことも多いと思う。

でも、住宅街にある以上、近隣との関係性はマストだし、行き帰りの騒音で迷惑をかけてはいけない。
だって、こんなに素敵なプロレス会場が令和に誕生したのだから。


インイタは本当に素晴らしい、プロレス愛に溢れる会場でした!

皆で護っていきましょう!

皆も行こう!インイタ!


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