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後楽園ホールで久し振りにレモンサワーを飲んだ。

はじめに

プロレス会場で酒を飲むことは楽しい。

節度は当然必要になるけれど、後楽園ホールや新宿FACEなどでレモンサワーを飲める選択も取れる中、プロレス観戦できる自由は、私にとって何にも得難く代え難い至福だった。


そんな細やかな楽しみが奪われたのは、2020年春の事だった。

新型コロナウイルス禍に突入したことにより、感染防止対策の一環として、『会場内では、最低限の水分補給を除き、飲食禁止』というルールが確立。

場内でアルコールや食事を販売できなくなったことで、いつしか後楽園ホールの飲食売店は、シャッターが下りるのが常となっていた。
テキパキとオーダーを裁いていたお姉さんや、飲食売店の活況溢れる光景も観られなくなってしまった。


外で万世のカツサンドとレモンサワーを味わうことはできても、やはりこれは、後楽園ホールでなければ収まりがつかない感覚もあった。


その後、新宿FACEや上野公園野外音楽堂でアルコール解禁の流れは出来たものの、後楽園ホールでは実現が遠い日々…。


後楽園ホールでの飲酒に対する憧憬が強い故、このようなツイートを投稿した時期もある(笑)。


2022年6月末になって、ようやく事態が動き出した。
遂に後楽園ホールでも、飲食売店再開のアナウンスがなされたのである。


しかし、まだまだ飲食売店を開かない団体も多く、私が実際に遭遇する機会は先の事になるかと思われた…。


突然の再会

再会は、あまりにも突然の事だった。

2022.8.10、私はドラゴンゲートを観戦するため、後楽園ホールを訪れていた。

1Fから5Fに上がるエレベーターを降り、展示場を経由して座席に向かおうとした時、私の視界に飛び込んできた光景があった。

なんと、飲食売店が復活しているではないか!!!


ビニールカーテンや店員さんのマスクなど、コロナ禍を経て変わった事はあるけれど、コロナ前のような活気溢れる売店の姿がそこにはあった。

思わず、涙腺と財布の紐が緩んでしまった私。


約2年半ぶりに後楽園ホールで摂取するレモンサワーは、550円という金額以上のプライスレスを与えてくれた。
そうでなければ、この内容だけで今回の記事を書かなかったように思う(笑)。


恐らく、私の人生で飲んできたレモンサワーの中でも、最も神経を研ぎ澄ましながら飲んだ気がする。
それくらい、唐突な再会に対する感慨深さがあったのだ。


まとめ

「後楽園ホールでアルコールを摂取できる機会なんて、果たして訪れるのであろうか?」

2021年4月、コンビニで買ったレモンティーを後楽園ホールで眺めながら、私はそのような事に思いを巡らせた。


あれから約1年半近くが経ち、売店が再開されるなんて、私は夢にも思わなかった。


コロナ禍を経て変わった事の方が多いからこそ、コロナ前に存在していた事が取り戻されていく、この感覚が愛おしい。

コロナ前の習慣が、全部戻るとは思わないけれど、時間を重ねながら戻ってきたものに対して、有り難みを感じずにはいられない。

後楽園ホールのレモンサワーを飲みながら、私はそのような事を考えたのであった…。


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