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2024年の個人的プロレス大賞について


はじめに

遅くなりましたが、新年明けましておめでとうございます。
本年も宜しくお願いいたします。

2025年も半月が過ぎたところですが、今回は2024年の個人的プロレス大賞について書きたいと思います。

2024年の私のプロレス生観戦数は155大会でした。
(2023年は184大会)

30大会近くも前年より減ったにもかかわらず、プロレスリング・ノアの観戦数は49大会と約1/3を占める1年になりました。
それ故、「色んな団体が好きです」と言っても例年以上にNOAH色の強い結果になったという自覚があります。

でも、自分が見てないもの・追えていないものは印象や偏見でしか評価出来ない…。
それを改めて実感しました。


そんな私の2024年の振り返りとして書いた個人的プロレス大賞を、今回は紹介していきたいと思います!

※2023年まで行われていた『ネットプロレス大賞』のフォーマットに基づいて選出しました。


MVP

①清宮海斗
②上谷沙弥
③小峠篤司

2024年の私は、清宮海斗の存在に楽しませてもらった1年だったと実感してます。


1月の有明メイン後にジェイク・リーからマイクの拙さを指摘されたり、春先に拳王から容姿弄りされたりしながらも、前を向いて立ち上がる姿で観衆を味方につけた点は、ドラマを見ているようで自然と注目してしまいました。


彼に対して「お前じゃ無理なんだよ」とか「真面目にやれよ」とか「武藤のパクリ」と言うヤジとか指摘はありましたが、武藤の技を発展させながら使ってきたのも2024年から。
(この事実は知られてほしい)

シャイニング・ウィザードで、コーナーから三角蹴りに近い体勢や相手の背後を打つパターンを披露したり、足4の字固めにしても、マサ北宮の監獄固めを切り返して極めるパターンを披露するなど、清宮の試行錯誤や工夫が窺えたのですから。
これをパクリで斬ってしまうのは惜しすぎる…。


2024年は清宮の試合について書くことも多かったので、そういう意味でも私の中で思い入れは強かったのかなあと実感してます。


2位は、スターダムの上谷沙弥。


『Queens Quest』リーダー就任から間もなくして、『大江戸隊』との【敗者以外ユニット強制離脱マッチ】に敗れて1人ユニット状態に…。
物販で「お前を泣かせにきた」と暴言を浴びせられる失意の中、プロレスリングWAVEの『CATCH THE WAVE』で優勝。


僅か半月後にヒールターンを果たすと、真夏のシングルリーグ戦『5 STAR GP』では準優勝。
秋にはプロレスリングWAVEのRedina di WAVE王座、年末にはワールド・オブ・スターダム王座を戴冠するなど、ベビーでもヒールでもファンを魅了し続けました。


2024年始めのロッシー小川の契約解除を機に、他団体との全方位外交を打ち出したスターダムにおいて、他団体の関係者やファンを惹き付ける闘いを見せたことも素晴らしく、長年スターダムとは冷えた関係性にあったWAVEのGAMI会長から「女子プロレス大賞獲ってほしい」と言われたことは、ある意味上谷が歴史を変えたことの証左ではないかと思いました。


3位は非常に迷ったのですけれど、『TEAM NOAH』で階級関係なくREAL ZERO1やDDTとの対抗戦に馳せ参じ、「リンクマンとして活躍した実績は評価されてほしい」という気持ちで小峠篤司をランクイン。

彼の存在なくして、TEAM NOAHの勢いも、LIMIT BREAKの成功も有り得なかった…。


最優秀試合

①安齊勇馬&ライジングHAYATOvs宮原健斗&井上凌
(12.31全日本プロレス国立代々木競技場第2体育館)
②マサ北宮vs石井智宏
(5.22NOAH後楽園ホール)
③シュン・スカイウォーカー&箕浦康太&ISHINvsドラゴン・ダイヤ&菊田円&田中良弥vsストロングマシーン・J&Kzy&U-T
(12.17DRAGON GATE後楽園ホール)


大晦日の全日本プロレスで行われたアジアタッグ王座戦が私の年間ベストバウトでした。

(階級が異なるとはいえ、)先輩の井上凌が後輩の安齊勇馬にジェラシーを燃やす構図を、試合前煽りVTRを持ち出さずとも感じさせるバチバチの内容!


井上のパートナーである宮原健斗も、持ち前の存在感を示しつつも井上と安齊の軸を立てる後方支援っぷりに加え、立ち位置的に挑戦者をスカすと思われた安齊とHAYATOの強い負けん気も流石。

試合を見終えて、「大晦日に年間ベストバウトを更新する試合があるかよ!」と思ってしまうくらい、クライマックスまでヒリヒリする展開と会場のボルテージの高まりに感動しました。


2位は『マサ北宮vs石井智宏』。

1月のNOAH有明、5月のNOAH後楽園、6月のALL TOGETHER札幌と半年間に3度組まれた一騎討ちでしたが、いずれも爆発的な盛り上がりに。
その中で今回は、5月の2戦目をチョイスしました。

理由としては、有明アリーナで展開されたバチバチのぶつかり合いが強く刻まれていた中で、2戦目も同様或いはそれ以上に面白かったという点!
普通、1年に複数回もやると最初の衝撃から薄れてしまいがちな印象ですが、そんなことは全く無かった訳でして。

個人的に、2017年の『宮原健斗vs石川修司』、『竹田誠志vs高橋匡哉』(どちらも1年間に3回組まれたシングル)に匹敵する鉄板カードになったと感じました。


3位は、年末のDRAGON GATEで実現した多人数タッグマッチを選びました。。
【THIS IS DRAGON GATE】と銘打たれた3人×3チーム形式の一戦は、トライアングルゲート王座がかかっていてもおかしくない激闘!


これを若手生え抜きだけでやってのける、DRAGON GATEの育成力に震えが止まりませんでした…。


その他にも挙げたい試合はあるのですけれど、『清宮海斗vsマサ北宮』、『清宮海斗vs大岩陵平』、『マサ北宮vs石井智宏』と、1年に複数回組まれた試合が全部しっかり面白かったことも印象的な2024年でした。

ただ、個人的には「周囲も納得するベストバウト」というよりは、「自分の記憶に残る試合」が多かった気がしてます。

多分これは、マッチレビューを個人的に書いていたせいだと思う…。
(読んでいただけると喜びます!何卒…!🥺🙇)



最優秀タッグチーム

①サイトーブラザーズ
②TEAM NOAH
③H.A.T.E.


1位はもう、この先タッグ解消等が無い限り、現代プロレス界の永世最優秀タッグチーム賞で良いでしょう。
それくらい、他の追随を許さぬ存在感。2024年のタッグチームはサイトーブラザーズしか考えられなかったです。


シングルプレイヤーとしても、ジュンが『チャンピオンカーニバル』優勝決定戦進出&大晦日に三冠戴冠、レイが『王道トーナメント』準決勝進出と、個人でも成績を収めた1年になりました。
まだまだ荒削りな面はあれど、ここから成長していく伸び代があるというのは大変恐ろしいしスゴいです。


タッグチームやユニットが断トツの1位で決まった2024年で、私なりに挙げる2位と3位は以下の通り。

2位に選んだ『TEAM NOAH』は、年始の発足当初から積み重ねを経て『LIMIT BREAK』がノアのブランドとして確立された点や、NOAH本隊で燻っていた選手達が輝ける場となった事を加味して選出しました。
2025年はどうなるでしょうか…?


3位の『H.A.T.E.』は、スターダムで長らくヒールとして君臨した『大江戸隊』の系譜を継ぎつつも、コミカルさや愛嬌を排し、ユニットカラーも黒一色に統一したことでスタイリッシュな印象に。


驚いたのは、ロッシー小川離脱後の春以降にスターダムが展開した全方位外交に、『H.A.T.E.』も先頭に立ったことでしょうか。

ゴリゴリのヒールユニットとして行くのかと思いきや、他団体参戦では相手の土俵に乗り切る懐の深さも見せるなど、今後の発展が楽しみなユニットです。


新人賞

①佐々木憂流迦(プロレスリング・ノア)
②八神蘭奈(スターダム)
③小田嶋大樹(プロレスリング・ノア)


個人的に上位3人を並べてみましたが、2024年は新人賞候補の豊作年だったと思います。


佐々木憂流迦に関しては、正直スポット参戦だと思っていたところから、まさかのフル参戦→NOAH入団。

今や、MMA出身という肩書きは不要な所まで存在感を示してきました。

個人的に、2024年1月に行われたラジアントホール大会のタッグマッチが印象に残っています。

プロレスデビュー10戦前後にもかかわらず、征矢学の強烈なラリアット(弾道)を受けきった上、しっかりカウント2でキックアウト。
このシーンだけで、新人離れした芯の強さを感じずにはいられませんでした。


2位に選んだ八神蘭奈は、キックや関節技もさることながら、タッグマッチで試合権利の無い相手選手を制止するタイミングが絶妙すぎて、初めて試合を見た時に新人とは思えなかった記憶が色濃く残っています。

プロレスリングWAVE参戦時も、エルボーや蹴りの強さに加え、「WAVEこんなもんかよ!」と煽れる強さまで見せてきたので、2025年も引き続き注目したい選手です。


3位は色々迷ったのですが、9月にデビューしたNOAHの小田嶋大樹にしました。


『拳王チャンネル』の新人オーディションから入門⇒デビューした小田嶋は、師匠である本田多聞の回転地獄固めだけでなくルチャムーヴやバック宙も披露し、藤田和之には積極的に食らいつくなど、デビュー僅か3ヶ月の時点で残したインパクトは大!

「若手が育たない」という課題があったNOAHで、新人を積極登用していく姿勢や、今までの慣習を良い意味で壊していく点でも、旗頭は小田嶋になっていくんじゃないかと私は感じました。


最優秀興行

①12.31大日本プロレス後楽園ホール
②8.24『FUCKED UP FEST』
③3.31プロレスリング・ノア後楽園ホール
    12.17DRAGON GATE後楽園ホール


大晦日にワンデーデスマッチトーナメントを開催した、大日本プロレス後楽園ホール大会が2024年の個人的ベスト興行でした。


全10選手参加のトーナメントに加え、FREEDOMSのシングル王座戦『菊田一美vs杉浦透』も組むなど、全15試合・約6時間という長丁場ではあったものの、4試合おきに休憩を入れることでダレずに最後まで楽しめた印象です。
(またやってほしい!)


2位は、チケットが毎回SOLD OUTするbakagaijin主催の音楽+プロレスのフェスをチョイス。
音楽とプロレスの融合を謳ったイベントは過去にも色々ありましたが、演者と関係性の近いバンドを呼んでライブを行い、2ステージ制の音楽フェスのような形でプロレスと両立させた点は革命的だった気がします。

個人的には、プロレス好きな店長や、MAOの地元・宮城県で音楽の先輩だったという店員さんが勤務する中野MOONSTEPでプロレスを開催した事実がエモーショナルでした。



3位は『イホ・デ・ドクトル・ワグナーJr vs ジェイク・リー』のGHCヘビー級王座戦が組まれた3.31NOAH後楽園ホールと、このまま市川引退試合が行われた12.17DRAGONGATE後楽園ホールで迷った結果、同率3位に…。

前者は、3試合目に組まれた『稲葉大樹vsアンソニー・グリーン』が序盤の勢いと後半のボルテージを繋ぐ役割を担った事で、結果として神興行に結び付く要因になったと記憶しています。


後者は、福岡ビッグマッチから僅か2日後にもかかわらず、所属選手の地力と凄みを感じずにはいられない内容のオンパレード。
このまま市川引退試合に棚橋弘至参戦と言うトピックもありましたが、それを抜きにしても会場の盛り上がりが爆発してました。


この他にも沢山いい興行があったんですよ…。

主催者の歩んできた歴史を試合ごとに並べていくコンセプトが素晴らしかった、4.20バンビ20周年興行。


選手離脱等もありながら、やはり業界最大手女子団体の底力は伊達じゃないと思わせた、6.22スターダム国立代々木競技場第二体育館大会。


男女含めて生観戦した中でも、全体的にエルボーの重低音と破裂音が抜きん出て凄まじかった、7.3プロレスリングWAVE新宿FACE大会。


深夜2時開始のテンションもあいまって非常に楽しかった、12.13佐藤光留自主興行。


神興行候補が非常に多かった2024年でした!


最優秀団体

①プロレスリング・ノア
②スターダム
③DDTプロレスリング、全日本プロレス


1位のプロレスリング・ノアは「私が多く行った団体」というのもありますが、9.14後楽園ホール大会から解禁された動画撮影、12月大会からのチケット代値下げなど、ファン向けに恩恵の強い施策を行ってきた所は大変有難かったです。

また、これまで団体が抱えていた若手の育成・登用に関しても、2024年下半期には積極的に上げていこうとする機運を感じ取れたので、この姿勢は継続してほしいところです。


2位に選んだスターダムは、初頭にロッシー小川の契約解除⇒林下詩美やジュリアら5選手の退団がありながらも、岡田太郎社長の下で離脱を最小限に留めたのは流石。

抜けた主力の穴は既存戦力の底上げで対応しつつ、スターダムの老舗ユニットである『大江戸隊』と『Queens Quest』を大胆に解散。

新風を取り入れつつ春先のピンチを乗り越えた結果、年末恒例の両国国技館ビッグマッチで団体の両国大会過去最多動員を記録したことは評価されてしかるべきではないかと思います。


3位は、DDTプロレスリングと全日本プロレス。

前者は、武知海青プロレスデビューから新規プロレスファンを創出した点や、都電プロレスで話題性を上げた点が印象的でした。
(プロレス知らない人でも、都電プロレスは知ってる人が多かった)


後者は、後楽園ホールの満員札止めも複数回記録するほどの盛況っぷり。
若手主体で荒削りな面もありますが、2025年以降も飛躍する伸び代バツグンなのが凄いです。
(安齊勇馬の成長曲線はヤバい、スゴい)


最優秀プロレスを伝えたで賞

①サイトーブラザーズ
②武知海青
③お笑い芸人の皆様、ジェーン・スー

1位はタッグ部門に続いてサイトーブラザーズを選出。

私が今でも忘れられないのが、2024年2月のこと。
NOAH仙台ビッグマッチに行く為、前乗りで仙台を訪れた際に立ち寄ったミュージックバーで「仙台でプロレスを観に来たんです」という話を店主にしたところ、他のお客さんから「ところで、斉藤兄弟って何処の団体の人なの?」と訊かれたんですよね。

仙台での認知度は予てより聞いていたとはいえ、ここまで拡がっていたとは…。


2位はDDTでもプロレスデビューを果たした武知海青をチョイス。

身体能力も凄かったけど、プロレスを知らない方をプロレスに引っ張ってきた功績はデカい。
彼をキッカケにプロレス見始めて、1ヶ月経たないうちにDDTのMAOが組んでいるバンド・Dos Quatroのライブを地方から見に来られたファンの方にお会いした時、武知効果のスゴさを実感しました…。


3位は、納言のみゆきさんや、ジェーン・スーさんを始めとした芸能人の皆様が、プロレス観戦に馳せ参じた感想をSNSに投稿する様子が例年以上に多かった記憶があり、ここで名前を挙げずにはいられませんでした。


まとめ

以上が、私の2024年を彩った個人的プロレス大賞になります。

ギリギリまで候補が現れるのではないかと思い、大晦日の興行を見るまではベストバウトや最優秀興行は決めずにいたのですけれど、実際、2024年は大晦日に年間ベストバウトと年間最優秀興行を見ることが出来たので、プロレスの選考モノは最後まで分からないと実感させられました。

2025年の生観戦は、2024年と同じくらいか、それより減ると予想してます。

でも、これは決してマイナスな話ではなく、私自身、年々観戦数が増えていった中で「減らすの怖い」と思っていたものが、「行きたいと思った所は行く」、「無理に観戦予定を詰めにいかない」ことを基準に選んだら、自然とそうなった感覚があります。

あと、プロレスがキッカケで音楽を生で聴くようになり、ライブとプロレスを天秤に欠ける機会が増えたというのも大きい…。
(その辺りの音楽の話は、また別のところで書きたいです)


2024年はnoteの投稿数が約50記事くらい(週1回ペース)だったので、2025年は70記事くらい書けるようにしたい…。

今年も一年、よろしくお願いいたします!

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