パタンナーに必要な信頼と実績
【パタンナーにしか分からない良し悪し】
私は服飾専門学校を卒業後、大手企業のレディースパタンナーとして、就職。
その会社(ブランド)は、品質にとても厳しく、製品としてクオリティーの高いものを求める為、沢山の知識と技術を習得出来る環境。
また、手引きでパターンを引いており、糸一本分、線一本分の違いにも拘り、とことん修正をするので、トワル組やパターンの落とし込みによりパタンナーとしての目が、もの凄く鍛えられました。
最初は厳しいと感じた上司も、技術は確かで、そこから学ぶ事が沢山ありました。
それは、パターンの知識だけでなく、生地データや、芯地の選び方、縫製工場、プレス工場への検品、指示の仕方。
スケジュール管理までも、どれも実践して身につきました。
勿論、女性が多い職場なので、毎日ピリピリとした環境に耐えきれず、先輩後輩が次々と辞めていきましたが、私は良い同僚に恵まれ、共に励まし合いながら頑張り続ける事が出来ました。
元々転職も見据えて大手企業に入社したので、パタンナーとしての技術を身に付ける為に毎日必死だったのです。
そんな環境だったお陰で、沢山のパタンナー、数多くのパターンに触れ、知った現実があります。
それは、パターンの基本を理解していない人も世にパターンを出しているという事。
それを目の当たりにしたのは、社内で手が回らないときに出した外注パターンを途中から引き取った時でした。
これは明らかにおかしいと言うパターンを目にすることもしばしば…。
パターンでは、体の造りから、基本的な関係性を崩してしまうと着心地が悪い服になってしまったりするのですが、そこが守られていなかったり…。
単に線の繋がりが悪く縫いづらいパターンになっていたり…。
素材に合っていなかったり…。
パターンの正解は一つではないけど、明らかに良くないものはあります。
布なので裁断して縫ってしまえば形にはなるのですが、基本が出来ていないと、歪みが出たり、着心地まで考えられていないパターンになってしまうのです。
しっかりと理解している熟練のパタンナーが最終的にチェックをしないと、そのまま世に出て行ってしまう事もあるのです。
この現実を知ったとき、少しゾッとしました。
この事は、実際店頭で出来上がった商品だけを見ても、お客様には絶対わからない部分。
ただ、着心地まで考えられていないパターンでできた服も存在すると言うことも知っておいて頂きたいです。
パターンをしっかり学び、数多く経験を積んで来た人には敵いませんが、それは一概に経歴年数とは比例しないと言う事。
私は、大手企業で上司からその辺りを厳しく学び、基礎的な事は叩き込まれたからこそ、その良し悪しを知る事が出来ました。
ただ、まだまだ、日々勉強中。
同じデザインでも、パタンナーそれぞれに仕上がりが違い、数多くのパターンが販売されておりますが、やはりそこには信頼と実績が重要。
信頼して頂ける様なパタンナーになる為には、やはり、着心地や、シルエットの美しさを実感して頂くしかありません。
自分が作りたいものを作るのではなく、縫いやすさや、母目線の扱い安さにまで配慮し、
このパターンは母思い!
このパターンは作っていて楽しい!
と選んで頂けるよう、今後も色々と挑戦し続けたいと思います。
まずは、これまでの実践で得た簡単な知識やテクニックもマガジンとして記録していきますので、一度目を通して頂けると嬉しいです。
※この記事の文章全ての無断転載はお断り致します。
宜しくお願い致します。
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