5年後の夏祭りにタイムスリップした。

身長予測で、自分の身長がもうほとんど伸びないことに対する衝撃を何度も訴えてきた、僕より運動神経のいいサッカークラブの女の子は、
茶髪のグリッターメイクのお姉さんでした。
伸びてるじゃねぇか。
ことによるとその目の眼差しに、僕は対応していないとのことでした。

何故か一時期僕に激しく懐いていたが、席替えを境に我に返ったのかほとんど話してくれなくなったあの子は、
最近、時間をかけて付き合ったあいつとの関係が自然消滅したと聞きました。
そうか、恋が始まっていたんだね。

・・・

この祭りに呼んでくれた女の子にまだ会っていないことを思い出した。小学校で最初にできた友達で、その頃は同じマンションだったので毎日遊んでいた。学年が上がるに従って疎遠にはなったが、なんとなく他と比べてなりふり構わず話せるような仲だった。その子の家の前を通る時、少し話さないかと訊いた。
お風呂上がりで髪ボサボサだよ?と言って、
出てきた髪は有り得ないくらいに整っていた。目にはグリッター。お風呂上がりらしい。
彼女は僕の幼少期のことをとてもよく知っていた。危うく、よく知ってるね、と言ってしまいそうだった。


僕には、幼なじみと自信をもって呼べる人が1人居た。物心ついた時から居たことは確かだ。その彼女は、探しても、見つからなかった。
話題にすら上がらなかった。
連絡手段も、親経由でしか有り得ない。

ああ、もう少し、ここにいてくれるんだね。


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