ほぼ日手帳についていけない(1)
私は根っからのほぼ日手帳ユーザーで、使い始めたのは2006年からなので、かれこれ17年も付き合っていることになる。
それくらい使い心地がよいということである。
改良のための改良
ほぼ日サイドも、2006年頃はまだ手帳づくりには慎重というか、まだ手探り状態だった気がする。だからユーザーアンケートをとって、今年はここを改良しましたとか、ここはこういう理由でなくしました、とかそういうのが毎年あった。
ユーザーの声がちゃんと届いているようで嬉しかった。
ちなみに私はカバー・オン・カバーのバタフライストッパーの部分がどうしても弛んでしまうし、カバーが付けづらいので、なんとかならないかと要望を送っていたのだが、他にも同じ意見があったのか翌年からは大幅にデザインが改良されて使い勝手がすごくよくなった。
知名度の向上はよいことだったのか
Instagramが流行り初めて、やがて文具や手帳のコミュニティが築かれていった。順番はバラバラだけど、トラベラーズノート、MDノート、6穴リング……とあれもこれも素敵なものがいっぱい出てきて、見てるだけで物欲がもりもりと湧いてきた。
そして、それらを使っている人の小物がまた素敵で、革カバーだったり、万年筆だったり、限定版だったりで更に憧れがアップ。
その中にほぼ日手帳もあった。
当時はまだ手帳に一日1ページなんて多くはなかったと思うし、手帳そのものに3,000円+カバー代で5,000円くらい払うなんて、ちょっと贅沢という感じがした。高級な手帳の部類だったと私は思っている。
それでもほぼ日手帳を使ってみたい、という人はMDノートを使ったり、セリアなどで文庫サイズのメモを買ってきて、それで一日1ページの日記を書いたりデコをしたりしていた。工夫も色々凝らしてあったし、カバーも本家顔負けの出来栄えの人とかいて、これも新しい文化だなあと思ったことを覚えている。
あと、いろんなチケットとかを貼り付けて手帳を「成長」させて分厚くしていくっていうのもあったな。
「もどき」に感じる違和感
ただもやもやしたのは、本家のほぼ日手帳を使っていないから、ハッシュタグに「ほぼ日手帳もどき」「ほぼ日もどき」という言葉が並んだときだ。
そこまでへりくだらなくってもよくないかなあと思った。
他にも「主役にからんだり、前に演じたものをこっけいにまねたりすること」という意味もある「もどき」という言葉。
あまり深い意味はないのだろうと思いながらも、見かけるたびにもやもやしていた。「ほぼ日手帳風」でいいんじゃないのかなって。
多様な使い方
それはともかく、ほぼ日手帳はシンプルであるが故にいろいろなカスタマイズができた。カバーに好きな写真を挟んでカバー・オン・カバーつけてオリジナリティを出したり。
マスキングテープが流行ったのもあって、それでページをデコったりシールやデコラッシュもどんどん手帳を彩っていった。
そのうちにインフルエンサーというか、素敵な使い方をする人が目立つようになってきて、みんなもなんとなくその人達の真似をするようになった。
マステの使い方やスタンプの模様とか、私もよく真似をした。
そしたら、ある年のほぼ日手帳の公式サイトに手帳以外のものが現れた。
それまでは手帳、カバー、下敷き、カズン、くらいシンプルだったのだけど、SNSで流行っていた文房具をいくつか商品として並べていたのだ。
田舎に住んでいる私は、どれも中々買いに行けなかったので嬉しくっていろいろ買った。
当初は9月1日の10時だっけ、11時だっけ、どちらかにネットショップがオープンするのだけど、アクセスが集中してサーバーがダウンすることがよくあった。それを避けたいのはわかるんだけど、やっぱり欲しいものはゲットしたくてリロード合戦したりした。
PLANNERとの出会い
そうやってほぼ日手帳を使い続けていたけれど、欠点も目立つようになってきた。
オリジナルの手帳の下部には「お言葉」が書いてあるけれど、何年も使っているとちょっと飽きてくる。そういうタイミングでPLANNERという新しい海外向けのバージョンが発売されたので、いい機会だと思って乗り換えた。
日本用に作っているわけではないので、祝日などは全部手で書き込む必要はあるものの、基本的に英語なのでシンプルなのだ。
イベントの日にでかでかと「みどりの日」と書いていないのだ。
それから、オリジナルには毎月テーマの色が反映されていてカラフルなのに対し、PLANNERは日曜の日付欄が赤い文字になっているくらいで、とてもシンプルだった。カラフルに使いたい気持ちがあるが故に、ほぼ日が決めてくれた「その月のカラー」が邪魔だな、と思うことがあった。
邪魔、というよりは今月はこの色、と決めてしまうのがちょっと嫌だった。
そしてPLANNERに変えて2年後、私はナイロンカバーを卒業して、革カバーに買い換えることにした。
毎年変更されるカバーの色がピンとこなくなったり、カバー・オン・カバーがよれてしまうのが気になったのと、腰を据えてほぼ日手帳を使うぞという決意をしたのが2016年だった。
それから7年経った今もほぼ日手帳は愛用しているが、反面ついていけないぞ、という気持ちが年々大きくなってきている。
ぐだぐだ書いているうちに長くなってしまったので、残りはまた別に書くことにする。