考え方

頭の中、こころの内、たましい、その形が、ぐぐぐっと、地殻変動のように、亀の歩行のように、ナメクジのほふくのように、変化している。

起こるべくして地震は起こった。壊れるべくして機械は壊れた。ヒトは失敗し、怠け、驕る。それは当たり前のこと。そうやって世界がある意味で壊れて、ヒトの社会が壊れて、なにかが冒されて、怒る。それも当たり前のこと。

運命。それに近いもの。動かしがたい世界。自然。大きな力。社会。人間。動物。毒物。すべてが調和している。調和した結果、毒が漏れたり、こどもが生まれたりする。うっかりもちゃっかりもしっかりも、あるようにしてあり、なるようにしてなる。なるようになる。未来は変えられないわけじゃないけど、想像もしてない未来が必ず訪れる。世界はすべてコントロールできるわけではないから。

都会の道々を歩く。人が住むための建物が並び、地面は固められている。あたかも人が自然をコントロールしているように思える。けれどそうはしきれない部分が絶対にあって、ヒトはそこへ調和せざるをえない。新宿も宇宙の一部なのだ。そのように思える。ゲームじゃないし、漫画じゃない。たとえそうだったとしても、思い通りになることはないだろう。世界があるかぎり。人と人とのやりきれない関係を思い浮かべれば分かりやすいかもしれない。

世界はひとつでもあり、複数でもあるのかもしれない。調和せざるをえない、というのはヒトから見た考えであり、調和は前提で必要条件で、世界をコントロールしようとするという考えが間違いなのかもしれない。

いろんな人がいろんなことを考えて、世界は変わらないかもしれない、惰性は続くのかもしれない。そう思った途端に、世界はガラッと様を変えるかもしれない。地面の下ではぐらぐらと蠢いている。蠢動。震動。壊れるものは壊れるべくして壊れる。生まれるものも同じく。ひとへに風の前の塵に同じ。





加藤サイセイ

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