【本の展覧会】 世界のブックデザイン 2021–22
本は、いつ生まれたのか —— この問いに唯一の正解を求めるのはむずかしい。なぜなら、何をもって本とするかの線引きが困難だから。しかし、粘土板でもなく巻物でもない、わたしたちがよく知る「冊子」の形態の誕生については、紀元1世紀頃に古代ローマで発明されたとする説が有力だ。
つまり、本の基本形はおよそ2000年前にできていたのだ。コップや皿ならまだわかる。ワインを飲むため、あるいはパンをのせるための器について、その機能が最もよく果たされる形態が2000年前に発見されていたというの